UDさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

4.1

今年観た映画のなかで最も艶かしい映画。

once upon a time…
昔々あるところに、から始まる物語。

小説家の頭の中を覗いているのか、本当の出来事なのか。
フィクションなのか現実なのか。
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.1

故郷を持たない人が増えた社会で、故郷のある生活を想う。隣人と知り合いで助け合うことができる一方で、面倒ごとにも巻き込まれやすい。そういう生活が普通だった時代の地域の豊かさは今では完全に失われてしまって>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.1

人間の暴力性や残虐性は、想像力の欠如からくるものと言っていいのかもしれない。子どもが残虐な態度をとるのは経験の不足からくる想像力の欠如なんじゃないか。
この映画に出会えてよかった。街中で見かける外国籍
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ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

3.9

先月亡くなってしまった巨匠ゴダールの作品を初鑑賞。

マリアが子供から母になるまでを描いているように理解したが、ちょっと頭がくらくらするような世界観。夢の中のようなふわふわ感。

肉体に魂が宿るのでは
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.7

韓国映画のレベル、ここまで来てるのかと驚き。
リアルな映像・カメラワークと鳴り響く重低音、ハラハラとドキドキが止まらない。1時間くらい休憩なしでずっと引き込まれていたような気がする。シリアスとユーモア
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.9

これが100年以上前の出来事なのか。
文書偽造、権力の暴走、名もなき職員の自殺などなど、現代でも変わってないなあ。技術は進化しても人間はそう簡単に進化しない。

これが100年以上前の出来事なのか。
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.1

いくら子供相手だとしても、相手をコントロールしようとしてもできるものじゃない。相手と真正面に向き合うことって難しい。

モノクロの映像の洗練された美しさはいつまでも見ていられる。
声がテーマになるから
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ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

3.8

愛を理由にするにしては許されないレベルで過激すぎるニナに正直着いていけなかった。サイコホラー映画なのかこれは。
と思ったけど、最後のシーンを見て、なんだか同情したし、とても美しいと思ってしまうくらいに
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.0

法の整備不良で養子となったのにアメリカ国籍を持たない人が多数いるという現実がある。
行き場を失う主人公は犯罪を犯さなければ生きていけない状況にも陥る。世の中は単純な善悪だけでは判断できないことばかりだ
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.0

全部妄想だったのかと思わせられたところから、一気に真相まで駆け抜けていく展開に引き込まれた。序盤のゆっくりな感じと最後の急展開の緩急が良かった。

邦画にもありそうなテーマだけど、静かにハラハラさせる
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.6

ほーりーしっと!!
わっつぁふぁっ!!

これだけシンプルな構成でこれだけ魅せるのすごいな。
トムクルーズ含めみんなカッコ良すぎた。

見せるものを絞ってお金を一点集中して作り上げた感じがよい。
IM
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.4

会話という行為の創造性と人間という生き物がかかえる無垢な矛盾の可笑しさ。

構図の分かりやすいシチュエーションから始まり、2人の会話の小気味のいいリズムに身を任せているうちに、絶妙なボタンの掛け違いが
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

4.2

人生って、孤独で寂しいよな。
人生って、何なんだろうな。
1人で過ごす時間って、一生のうちのほんの僅かな時間なんだけど、20代の彼女からしたらとてつもなく長く感じたりする。
そんな日々を健気に過ごす彼
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.1

高校生の男女の友情はなんとなく憧れる。
愛とは何か、という掴みづらい問いに、回答を出せるほど経験を積んでいなくても、精一杯の答えを見出した彼らの真摯で一所懸命な生き様が輝いて見えた。

エリーと父親の
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.6

藤原竜也の演技を観たくなって鑑賞。

サスペンスはチェーホフの銃。
なかなか面白かった。

街の上で(2019年製作の映画)

4.1

街の上で繰り広げられる日常には、悲劇も喜劇も混じっている。
亡くなった古本屋の店主も、バーに入り浸っていた小太りなおっさんも、影響の大小は異なれど周囲の人の考えや振る舞いに影響を与えて、ストーリーは作
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ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)

3.8

最悪の世代たちとの共闘は結構アツいなーと思ったら、サボもクロコダイルもルッチも出てきて、ファンサービスすごい。

出てくるキャラが多い分、一つ一つの内容は結構薄いから、そこはもうちょっと見たいという欲
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.7

ウエストサイドストーリー自体初の鑑賞。
耳にしたことある楽曲が実はこの映画の曲だったんだーと分かって、音楽とダンスの鑑賞だけでも見応えあり。

ただ、やはりミュージカルは自分には馴染まないというか、そ
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.4

涙がとまらない。。

弱いものを虐める人間の残酷さ。
それを乗り越えて、分かり合えないながらもわかり合おうとする高校生の物語。
聲の形とは、健常者かそうでないかの2種類ではなくて、人の数だけ自分の想い
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

「ナイトメアアリー」
このタイトルの意味が最後の最後で分かった。
不気味な音楽と暗い雰囲気の映像が作り出す独特の世界観に飲み込まれていく。

完成度高い!

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.0

「現在、グッチにはグッチ家の者が1人も関わっていない」
という衝撃的事実がなぜ起きたかを物語る映画。

何事も話し合いから逃げちゃだめだな、と思わされる。
人間に最後に残される希望は、話し合いができる
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

4.0

現代の貧困とは、想像するほど絶望的でない見え方をする。
都市での生活が便利になっているから。
そうやって色んなものが見えなくなっているんだろう。
現代の「乾き」みたいなものが絶妙に表現されているように
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.9

特定の個人のために、自分の正義に従って働くって少し羨ましい。もちろん過酷な道のりなんだけれど。
過去の話ではなくて、未だに裁判が続いているというから驚いた。

何より、テフロン加工のフライパンって危険
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スイング・ステート(2020年製作の映画)

4.6

これは、、すごい、、!

「選挙」という候補者A vs 候補者Bのゼロサムゲームに払われる犠牲の大きさを実感。とともに、候補者対候補者のゼロサムゲームに回収されない、公共にとっての利益の最大化を図る手
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.3

リチャードの狂気は、あの年代、アメリカのあの地域で育った黒人であるという背景なしには生まれなかったのだろう。子どもを最後まで見捨てず、執念深く愛する父親の姿に感動した。

子供の頃から過度に勝敗を意識
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.0

改めて「魔法」というものの魅了する力を感じずにはいられなかった。
杖を振るった時の重低音とか、ポートキーの表現とか好きだな〜。

ストーリーの中身については、今一度ハリーポッターシリーズから勉強し直し
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.9

なぜ子供の頃、全身銀色の仮面をつけた巨人に憧れていたのか。
そんな醒めた疑問をこの映画は払拭してくれた。
ウルトラマンは純粋にかっこよかった。

日本に巧みに忍び寄る強かな外星人、人間とウルトラマンの
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.0

バタフライエフェクトを壮大に描いた作品。
人生は予測できるものではないから、その一瞬一瞬を生きることの方に人生の魅力があると感じさせる。

「牛乳を出しっぱなしにしている子供をもっと注意していたかった
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

4.1

どんなものにも終わりはやってくる。
終わり方は人それぞれで、けじめをつけたければつければよいし、ダラダラ繋がり続けてもいい。
自然とあるがままを受け入れることが自由なのかもな、と思った。

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.5

文句なしの名作。
希望って本当に大事だなぁ。

自分のためだけに行動すると、最後に残るのは大きな罰だけ。

アンディが最初に主任に会計書類作成を持ちかけた動機が、ちょっとした平穏が欲しかったから、とい
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

家族愛に涙。
喋れないけど、何でも言い合える関係性がとても良かった。
聾唖者であることを意識的にさせるシーンはこの映画のハイライトで、聾唖者だと分かっているつもりでも、その状況を体感しないと何も分かっ
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人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.4

大きな計画ではなく、小さく始めて、徐々にできることを増やして、暮らしの環境を整え、次世代に伝えていく。
素朴でありながらも果敢で素直な態度は、取ろうと思うと難しい。現代はしがらみと誘惑に溢れているから
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.9

周囲の人の幸せにどこまでも自身を捧げるおじいさん。きっと長いこと生きた先に見つかる生き方なんだろう。
序盤はトントン拍子で進みすぎる感もあったけど、後半のゆったりさも踏まえると、全体の構成はとても良か
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.3

人生は苦悩があるからこそ活力がある。
離婚に至ってしまったのは結婚したからであり、孤独からは何も始まらない。
長年連れ添ったからこそお互いに深く理解する。深く理解しているからこそ別れる選択になってしま
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.2

これきっと、アメリカ人が楽しむ映画なんだろうなと途中で気付く。政治の風刺が面白いんだろうな。
元を知らないから、色々ぶっ飛びすぎてて分からなかった。
ただどことなく、今のsns風のカット割はスピード感
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

3.4

ェ、エモ、工モ。

ここ30年の社会の変化の速さを感じた。
昔は良かったよね、というのは本当にいつの時代も言ってるんだろう。