「男はつらいよ」完全制覇 #10
山田洋次も東大法学部出身だし、このフーテン譚も結局はインテリが作った虚像に過ぎないかもしれない。本作は二階に下宿する大学教授が、寅さんとインテリ対フーテンという話を>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #9
何と言っても、絶頂期の吉永小百合のマドンナ役を堪能できるのが本作の魅力でしょう。源公やのぼるが久々に登場するのも良い。今作も安定したフーテン譚。しかし、「はい、バター>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #8
おいちゃんは何と言っても森川信の「バカだねぇ、あいつは本当にバカだねぇ」「あーあ、俺知らないよ」といった台詞に尽きると思うのだけど、残念なことに本作で森川信は最期の出>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #7
ミヤコ蝶々やら田中邦衛やら、個性的な役者が集う第7作目。榊原るみ扮するマドンナは軽度の知的障害を有する役。今の時代だとこういった話は撮りにくいのではなかろうか。世知辛>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #6
冒頭の父娘が森繁久彌と宮本信子だと気付くまで少し時間がかかったが、気付いてハッとした。これが観れるだけでも貴重な作品ではなかろうか。博の独立騒動、マドンナの若尾文子と>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #5
男はつらいよの舞台はもともと浦安に決まりかけていたという話があるが、本作の舞台はその浦安の豆腐屋。テレビシリーズのさくら役を演じた長山藍子がマドンナ、団子屋のおばちゃ>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #4
監督は小林俊一で、山田洋次以外が監督した2作のうちの1つ。前作から1ヶ月空けての公開で当時の松竹は寅さん大キャンペーンを展開していたのでしょう。競馬で大当たりして、ハ>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #3
監督は森崎東で、山田洋次以外が監督した2作のうちの1つ。前作から2ヶ月空けての公開っていうのは凄い。ヒット作は無理してでも続編撮って公開する、ってのは、東映の「仁義な>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #2
瞼の母と再会する、といった重要エピソードを2作目に盛り込んでくる辺り、それ程長く続けるなんて誰も思っていなかった証左では。前作のマドンナが冬子で、今作が夏子というのも>>続きを読む
「男はつらいよ」完全制覇 #1
ジョセフ・キャンベルは「千の顔を持つ英雄」で世界各国の英雄譚には似通った要素や基本構造が存在することを指摘したが、「男はつらいよ」は第1作にしてフーテン譚の完成形を提>>続きを読む
「人生フルーツ」を観て、(テーマ的には全く遠いのだけど)団地/ニュータウンの開発地に隣接しながら農業を続けていくという点で、何となく本作を思い出した。何と言っても、この映画は石田えりの魅力に尽きるでし>>続きを読む
窪塚洋介のキチジローが意外にとても良かった。彼ってこんなに良い役者だったっけ?、と評価が改まりました。イッセー尾形も塚本晋也監督も好演で、安心して見られました。台湾でロケーションしたとのことですが、何>>続きを読む
松方弘樹と聞いて、団塊Jr世代以下は「元気が出るテレビ」とか「マグロ釣り」とかいうタレントのイメージしか無いかも知れませんが、東映の実録ヤクザ映画路線の名優でありました。「仁義なき戦い」が代表作である>>続きを読む
閉鎖的な地方都市を舞台に描かれる青春群像。地味ながらも、ヒロポン中毒の女が村の多くの男と関係を持って爺さんの子を孕んじゃったりとか、身持ちが固そうなのにオルグの左翼と簡単に結ばれてしまう竹下景子がヌー>>続きを読む
「この世界の片隅に」が2016年のキネマ旬報の日本映画の1位、「君の名は。」がベストテン圏外と聞いて安堵した。キネマ旬報にはまだ希望がある。
ATGのちょっと陰鬱な青春映画が大好物な私にとって、ど真>>続きを読む
登場人物すべてが聾唖者であり、全編が手話によって構成されているため、台詞や音楽は一切なく、字幕も吹き替えすらも存在しない。この監督の狙いは功を奏し、初めて体験するような新しい映画体験であった。台詞は無>>続きを読む
オムニバス仕立てのドキュメンタリーもどきというような作品。渋谷Uplinkで上映後にリリー・フランキーのトークショーがあったのだが、「もやもやする」というリリー・フランキーの言葉に全て象徴されるという>>続きを読む
石原慎太郎の小説が原作。小説の舞台は、八重島諸島の新城島と言われているが、Wikiにも「豊年祭が開催される時期(前後の準備期間を含む)は、祭関係者以外の上地島への入島・桟橋への接近接岸・海岸への接近・>>続きを読む
大昔、根本敬の「因果鉄道の旅」を読んでM県W島という売春島があるという話を知り、ほどなくしてそれが三重県渡鹿野島であることを知った。この「人魚伝説」のロケ地の1つが渡鹿野島となっている。私にとって海女>>続きを読む
ヤン・シュヴァンクマイエルの好きな作品を挙げるとすると「アリス」「オナサーネク」「悦楽共犯者」とかが多いかもしれないけれど、個人的には夢を扱った本作も味わい深いと思っています。低予算で、切り絵のコラー>>続きを読む
無宿人御子神の丈吉シリーズの第1作。原田芳雄の魅力が凝縮された素晴らしい作品であるのに、なんと未ソフト化。本当に残念でならない。また、シリーズも完結しないまま第3作で未完で終わっているのも残念。国定忠>>続きを読む
いろんな俳優が坂本竜馬を演じているが、原田芳雄こそがベスト竜馬だという人も多いでしょう。こんな男の色気は福山雅治には無いよ。石橋蓮司も松田優作も素敵すぎる。そして、本作での原田芳雄の演技が後の竜馬像に>>続きを読む
あのキング・クリムゾンを代表する「太陽と戦慄 パート2」と酷似した音楽を劇中で使用されていることから、ロバート・フリップがかつて訴訟を起こし、最終的には示談で解決したことはプログレファンの間では非常に>>続きを読む
会田誠はエログロ系の作品も多く敬遠している人もいるかもしれませんが、芸術に関する論考もユニークなものが多いです。文章自体も非常に面白いので、興味を持たれた方は是非エッセイ集を読まれることをお薦めします>>続きを読む
アートと言い切っちゃえば、何でも許されちゃう?的な映像作品。映しちゃいけないものが、堂々と映ってます。話のネタにDISCASとかで借りて観ることは否定しません。
谷崎潤一郎の「春琴抄」は幾度も映画化されているが、新藤兼人による本作がベストだと思う。佐助と春琴の性愛を含めた歪んだ主従関係が最も生々しく描かれている。山口百恵だとか、アイドルや女優で綺麗事で完結させ>>続きを読む
美輪明宏は日本戦後サブカル史の最後の生き証人だと思う。三島由紀夫や寺山修司をはじめとする煌びやかな交遊録は、もっときちんとした形で記録しておく必要があるのではなかろうか。今後、代表作である「毛皮のマリ>>続きを読む
1978年の伝説の舞台の映像作品で、かつてUplinkからVHSで販売されていたもの。やはり「身毒丸」はJAシーザーの音楽が無いと成立しない。慈悲心鳥はカール・オルフやマグマに匹敵するような力強い音楽>>続きを読む
もっと過激な「憂国」の方は既にDVD化したのに、こちらは未だに国内版が出ていない。大人の事情が背景にあるようであるが、現在はYoutubeで全編を簡単に観れたりするので何だかなあ、という感じ。例の市ヶ>>続きを読む
2016年にキース・エマーソンが亡くなった時に、SNS上に追悼コメントが溢れたが、その中にキースが生前音楽監督として携わった「幻魔大戦」を名作とするようなコメントをする人がいて目を疑った。製作陣に大友>>続きを読む
台湾で人形を集めたミュージアムに行ったことがあるのだが、座頭市(勝新太郎バージョン)を模したパペットを見たことがある。台湾でも座頭市の人気はあったのだろうな、と思うと同時に、このような映画が台湾で撮影>>続きを読む
目的地である台湾最南端の鵝鑾鼻(がらんび)に一度行ったことがあるが、フィリピンとのバシー海峡に臨む、非常に風光明媚な場所。それだけに、夜に現地に到着して終わりだと魅力が全く伝わって来ないのが残念。内容>>続きを読む
ある日突然、もし自分が目覚めて女子高生になっていたら、オッパイ揉むだけでは済まないでしょう。あんなことこんなこと、いろいろすると思います。そこは結構重要で、その辺りが新海誠の限界かなあ、とも思います。>>続きを読む
ヤクザの人権問題とか考えたこともありませんでしたが、意外と普通の人間と変わらない生活を送っているように映画上は見受けられる登場人物に、いろんな意見があることかと思います。こうするのが正しい、といった正>>続きを読む
黄金ラインナップでの全盛期のイエスの演奏が映像として残っているのは、本当に有難い。クリス・スクワイアが鬼籍に入ってしまった現在、もはやこの編成は不可能。演奏は言うまでもなく、素晴らしい。
1. 危機>>続きを読む
キッチュ第7号にガロ元副編集長の白取千夏雄のロング・インタビューが掲載されていて、それは「ガロ」の一連の騒動を総括するような興味深い内容であったのであるが、山中潤が経営するツァイトが傾いていく1つの契>>続きを読む