わせさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

わせ

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真実(2019年製作の映画)

3.8

真実と虚偽は表裏一体でもある。表舞台で生きている人間の言葉はメディアに露出した瞬間に偽りだとしても本当のこと、になる、バレない限り。対立もしないけれど、母と娘の間にほんの少しの溝があるのは事実で、でも>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.8

内容面で少し期待し過ぎてしまったけれど映像面では大満足。アンチヴァイラルほどではないが、無機質なつめたいうつくしさ。今作はそこに付け加えて人間から吹き出た血のような生暖かさも感じる。最初から最後まで、>>続きを読む

火口のふたり(2019年製作の映画)

3.0

内容はほぼ無い。よって内容については言及しないが、田舎特有の、退廃的・堕落的な空気感は良かった。映像面だと好きな方かも。結婚を前にした昔の恋人と、からだを重ねてばかりだった学生時代に5日間だけ戻る話。>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

3.5

姉の不在をきっかけにして以前から持っていた男性恐怖症と潔癖症が悪化していく女性を描く。異常なまでの恐怖心や嫌悪感からくる幻覚は彼女の性衝動から来ている気もする。美しい金髪の女性が狂ってゆくすがたを見ら>>続きを読む

悪魔のバージン(1973年製作の映画)

3.0

イタリアの作品かと思ったけれどイギリスの作品だった。コンセプトとポスターが好みだったので鑑賞したが想像していたものとは真反対なくらい馬鹿馬鹿しい内容だった。というか登場人物が救いようもない馬鹿。ついで>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

3.5

ホモセクシャルの男、クラスに振り回される男と女の三角関係。クラスは圧倒的振り回し属性だし、パドヴァンとジョニーも完全なる振り回され属性なので後者のふたりがとにかく可哀想で仕方無い。クラスもクラスで自身>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.3

街中。ごった返す人間たち。会話が右から左へと流れていく。全ては理解出来ないけれど断片的な情報だけは何となく頭に残る。娯楽的要素の低いゴダール映画を観ていると街中に居る時と同じ感覚に陥る。そうなるのは理>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

やっぱりアクション映画は映画館で、大画面で観ると本当に楽しい。今作も盛りだくさんのアクションシーンで体感時間が本当に短かった。二部作にした分内容の薄さを多少感じたけれどちゃんと楽しめたのでいいや。

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

嵐の様に移りゆく時代に翻弄された京劇役者の小楼と蝶衣を兎にも角にも美しく描いた本作。ずっと観たかった作品を映画館で観れて、本当に幸せな時間を過ごせた。ここまで映画として完成されている作品を私は知らない>>続きを読む

ストックホルム・ペンシルベニア(2015年製作の映画)

3.5

4歳の頃から17年間監禁されていたレイアが解放されてからの話。レイアには4歳以前の記憶が殆ど無く、家に帰ってからもひたすらに居心地の悪さと覚えてもいない親と関わる気持ちの悪さを感じる日々を送る。それは>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

4.0

初・増村監督作鑑賞。カメラワークが秀逸過ぎる…。恋よりかは依存。愛というか憎愛。この前に見た横山博人版よりも原作に忠実な内容であった。本当にドロドロ…。終盤の園子、園子の旦那、光子の関係なんて泥沼過ぎ>>続きを読む

卍 まんじ(1983年製作の映画)

4.0

谷崎潤一郎原作の卍の映像作品を観たい、と思ってあまり何も考えずに此方の横山博人監督版を鑑賞したのだが、まさかの男役が原田芳雄…!大歓喜。汚さの中のうつくしさ。床にこぼれた牛乳を舐めさせたり、フォークで>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

宮崎駿のこれまでの作品の要素を詰め込んだ、集大成の様な本作。情報が解禁されていないので内容は伏せるが、今までの宮崎駿作品の創ってきた世界が混合して新たな世界を見せられた感覚。君たちはどう生きるか→好き>>続きを読む

依存魔(2019年製作の映画)

3.5

ベルギー闇の三部作、第三弾。三部作の中でこの“依存魔”が個人的に1番好き。全体的な内容で言ったら変態村、ラストの締め方が良いのは地獄愛、映像が美しかったのは依存魔かな。三部作、共通して気分が悪くなって>>続きを読む

地獄愛(2014年製作の映画)

3.0

ベルギー闇の三部作、第二弾。グロリアという女が途轍も無く“女”で終始気色悪くて良かった。良い歳したおばさんのメンヘラなんて可愛くも何とも無くて本当にキモイ。嫉妬に狂ってターゲットの未亡人を殺してしまう>>続きを読む

変態村(2004年製作の映画)

3.5

ベルギー闇の三部作、第一弾。かなりテイストは違うが去年の夏頃に観た「なま夏」振り位に本気で気持ち悪いと思った。変態というか、異端、偏愛、若しくは純愛?しかし狂っている事に変わりは無く、主人公以外の登場>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

労働三部作第三弾。黙々と製造されていくマッチ 淡々と毎日を送る少女。今とは違う場所に行きたいと願う彼女に次々と降り注ぐ不幸。誰にも相手にされなくて 自分には魅力が無いんだと自覚する事、自分への諦め、私>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

労働三部作第二弾。どんどんと堕ちていく 不条理なストーリーなのに何故かたまにクスリと笑えてしまう、ブラックユーモアに溢れた作品だった。内容も映像も 前作と同様少々渋くて好き。アキ・カウリスマキ監督の無>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

労働三部作 第一弾。無表情で無機質なのに彼らの行動があまりにも人間臭くて愛おしくなってくる。型にはまった生活よりもこの位自由で雑な方が楽しい 人生そんなもん。際立って何かが起こる様な内容では無かったの>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

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配信終了が迫っていた為2ヶ月ぶりにまた鑑賞。映画館で観た 4K修復版のくっきりとした映像も良かったけれど、修復前のぼやぼやとした質感がゆめうつつな今作の空気感に合っている様な気がして、此方の方が好きだ>>続きを読む

[Focus](1996年製作の映画)

3.8

高熱にうなされていたので久々の映画鑑賞となってしまった。ロン毛メガネ気弱オタクの浅野忠信良過ぎる。とにかく気が弱い盗聴オタクを特集した番組の撮影 どんどんその番組の空気感に流されていってしまって…とい>>続きを読む

ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.2

ペドロ・アルモドバル監督の作品にしてはかなりサッパリしているなと思ったけれど、終始漂う不穏で不快な空気感はとても良かった。結局は自分しか見えてなかったジュリエッタ。もし娘が失踪する前に ちゃんと向き合>>続きを読む

天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

3.3

“ロマンポルノでないと、ロマンポルノとして撮らないと成立しない映画”。無理やり撮られたブルーフィルム そんな不遇で胸糞悪い運命に逆らうのでは無く、寧ろ染まってしまおうとし、幾人もの男に抱かれる名美。し>>続きを読む

肉体の門(1964年製作の映画)

4.0

赤・紫・黄・緑…単色の色鮮やかな洋服に身を包んだ 肉体ひとつで戦後を生きる女たち。馬鹿の振りをした 明るく陽気に客を取る娼婦と、男、否、漢。きっと何方も昔の日本に存在していたのだろうけれど、今はもう見>>続きを読む

ドリームランド(2019年製作の映画)

3.2

少年と 美しい指名手配犯の女の、実在するのか分からない 夢見た場所への逃避行。此処以外の何処かに貴女と逃げたかった、全部全部捨ててでも。しかし何事もそう上手くいく訳では無く…。ポスターに載っているマー>>続きを読む

ガール・ゲッツ・ガール(2015年製作の映画)

3.0

「奔放な同棲愛女性をめぐる恋愛と家族模様を描いたガールズラブコメディ」と記されているんだけれど、奔放を超えている、自己中心的過ぎる。しかも主人公だけでなくどの人物も何か常識が抜けてる感じがあるので共感>>続きを読む

ユメノ銀河(1997年製作の映画)

4.0

夢野久作の作品が原作なだけあって、雰囲気だけではなく内容もとても良いものだった。原作読了済みの人も満足出来ると思う。抑揚の無い台詞が 不気味ながらも心地良い。恋とは人を想い狂う事、どんなに危ないと分か>>続きを読む

乙女の汚れた裸(2013年製作の映画)

3.0

東欧の空気感がしっかりと漂っていて好き。エロティックムービーの様な題名だし そういうシーンもあるけれど、少女の性的虐待とそれが及ぼす精神的影響について描かれた かなり真面目な作品であると思う。映像が好>>続きを読む

AREA(2021年製作の映画)

3.5

死生観の違い。海の匂いがした、どぼん。

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

3.2

戦前の溝口健二監督作品。正反対の芸妓姉妹。人情を重んじていて男に従順な姉と 男は利用してなんぼという現代っ子の妹。圧倒的男優位社会の中で生き抜こうとする妹・おもちゃという役柄が凄く良い。ラスト、そんな>>続きを読む

金閣寺(1976年製作の映画)

3.3

この作品は原作を読んだ上で視覚的に補完する為に観るのが一番楽しめる様な気がするので原作読完後に観れて良かったと思う。かなり忠実に、気持ち悪く 再現されていて素晴らしかった。ほのかに感じるアングラ臭も良>>続きを読む

桜の樹の下で(1989年製作の映画)

2.8

芸者をしている母娘と客のドロ沼三角関係。同じ男に抱かれ、愛されている事にお互い勘づいていながらも嘘をつく。互いにその男を譲ろうとする素振りもあるが 母と娘、親子である前に、2人は“女”。結局はまた同じ>>続きを読む

フォーリング 少女たちのめざめ(2014年製作の映画)

4.0

少女特有の不安定さは理解不能であり 何よりも魅力的である。友人が死んだ。お腹に子を宿した、少女と大人の狭間に居たアビーが死んだ。アビーという存在は、彼女たちにとってとても大きなもので、憧れであった。誰>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

4.0

裸足の季節 明るい太陽光が印象的なスクリーン、部屋に差し込む光だけが希望だった。自然光に当たった5人姉妹の煌めき 透明感が忘れられない。婚前交渉がいけないとされる国は今も沢山あるのだろうし、この映画に>>続きを読む

制服肉奴隷(1985年製作の映画)

3.8

誕生日を迎えてから初めて観る日活。遂に私も日活ロマンポルノを合法的に観れる年齢になりました、感動。同級生にも 男教師にも 義父にも虐げられていた女子高生が憧れていた女教師に女という生き物を教えられ、全>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

正統派人怖ホラームービー。そもそも強盗に入ったアイツらが悪いので私は圧倒的爺側サイドでした。ムキムキ盲目爺さんの復讐鉄拳制裁を期待していたがなかなか上手くは行かず。何だハッピーエンドかいな…。