キャッチ30さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

キャッチ30

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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

 主人公であるボーはいつも不安を抱え、精神科医に通っている。彼は治安の悪い地域に1人で住んでいるらしいが、周囲にいる人々は現実なのか妄想なのか判断がつかない。ボーは父親の命日に帰郷することになっていた>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

 映画『別れのまなざし』の撮影中に主演俳優フリオが突然失踪する。警察は近くの崖に靴が揃えられていたことから自殺と断定するが、遺体は発見されない。それから22年、フリオの親友で元映画監督のミゲルは彼の失>>続きを読む

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

3.5

 奇をてらった映画だと思った。プロットはシンプルなのに、語りは技巧を凝らしているように見えたからだ。

 舞台は山口県宇部市。ある男が帰郷すると若い女性が線路に横たわっている。彼女は「明日は、私の誕生
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新しき世界(2013年製作の映画)

4.1

 潜入捜査官が巨大な犯罪組織に潜入し、危険な任務を遂行する。映画ではよく使われる設定だ。『インファナル・アフェア』や『フェイク』がこれにあたる。『新しき世界』もこの系譜に連なる。

 ジャソンは韓国最
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

 時代は19世紀後半らしきイギリス。若い女性ベラは胎児を身籠った状態で橋の上から投身自殺を試みる。ゴッドこと外科医ゴドウィンによってベラは川から拾い上げられ蘇生される。それはベラの頭に彼女が宿していた>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

3.9

 公開当時、今作は失敗作の烙印を押されていた。内容の暗さと後味の悪さに共同脚本の野田高梧は終始否定的だったという。従来の小津映画を期待していた人たちには受け入れられなかったのも当然か。

 銀行監査役
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.8

 余白が多い映画だ。余計な説明台詞や露骨な感情表現は勿論無い。ただ、この映画では登場人物たちの関係性さえはっきりしない。全て、観客の解釈に委ねられている映画だ。

 主人公は春という女性だ。書店員であ
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.8

 マーティン・スコセッシの『グッドフェローズ』や『カジノ』の変装曲と言える。マフィアの物語が経済界に置き換わった形だ。また、前2作よりもさらに過激だ。

 主人公はジョーダン・ベルフォートという実在の
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

 何気ない日常を丁寧に掬い取って見せる映画だ。この手法はジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』を彷彿とさせる。

 主人公は渋谷で公衆トイレの清掃員として働く平山という男だ。平山はスカイツリーを望む
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

 旧式のラジオから流れてくるロシアによるウクライナ侵攻のニュース。分断と不寛容と戦争が横行する不条理な世界にアキ・カウリスマキ監督は微かな希望の光を灯す。

 物語はヘルシンキに住む中年男女のボーイ・
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市子(2023年製作の映画)

3.5

 題材は重いのに、着地点が見えないと思った。謎は明らかにされていくのに、カタルシスを感じられなかった。あまりにも救いが無く、絶望しかない。『市子』を観た私の感想だ。
 
 主人公の川辺市子は3年間同棲
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(2000年製作の映画)

3.8

 実録犯罪もので殺人を犯して逃げ続ける主人公という設定は今村昌平監督の『復讐するは我にあり』に近い。だが、今作は陰惨な方向には舵を切らない。これはヒロインを務めた藤山直美の功績が大きい。

 藤山直美
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最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.8

 過酷な状況下で生きてきた子供たちを映し出した映画は多い。『誰も知らない』や『存在のない子供たち』がその例だ。『最悪な子供たち』はさらに深刻だ。

 映画監督のガブリエルはフランス北部の治安が悪い地域
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

4.0

 暗く陰鬱な映画だ。デヴィッド・フィンチャーの『セブン』を彷彿とさせる世界観だ。然も、映画は夜の場面が多い。

 舞台は文明が崩壊した感じの強い20世紀末のヨーロッパ。刑事フィッシャーは宝くじ売りの少
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

 『セブン』の監督デヴィッド・フィンチャーと脚本家のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが再びタッグを組む。これだけで期待しない人はいない筈だ。

 今回、彼等が取り組むのはある殺し屋の物語だ。本名は不
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渇き(2009年製作の映画)

3.8

 吸血鬼と対峙する筈の神父が自ら吸血鬼となり、人妻と恋に落ちてしまったらどうなるか。監督のパク・チャヌクはこの題材に挑む。

 信心深いカトリックの神父サンヒョンは病院で重病患者を看取ることしか出来な
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

 アイナ・ジ・エンドの歌声はCharaに似ている。少し掠れているが、静かに語りかけるような声。因みに、Charaは今作と同じ岩井俊二監督の『スワロウテイル』に出演している。これは、何かの偶然だろうか。>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

 森達也の『福田村事件』では日本人の、今作ではアメリカ人の加害者性について触れている。然も、時代は1920年代と『福田村事件』に近い。

 舞台はオクラホマ州オセージ郡。先住民のオセージ族は石油を掘り
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日の名残り(1993年製作の映画)

3.8

 執事は主人に忠実でいなければならない。主人の眼と耳となり、周囲に気を配らなければならない。一方で、自分の本心を押し殺さなければならない。

 主人公スティーヴンスはこれらの原則に見事に合致している。
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.3

 映画の冒頭で<Undercurrent>の意味が字幕で表れる。それによると、下層の水流、底流と(表面の思想や感情と矛盾する)暗流のことを指している。映画は後者に近い。

 亡き父から実家の銭湯「月乃
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