たかさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

草原の河(2015年製作の映画)

4.0

文革後のチベット・アムド地方を舞台に、遊牧民の微妙で温かい家族関係を描いています。客観的に観ると、全員の異なる世代観や価値観に共感できますが、特に身内はこの違いでぶつかり合いすれ違うもんです。それを絶>>続きを読む

人類遺産(2016年製作の映画)

3.0

不覚にも寝てしまいました。ナレーションなしに淡々と続く定点撮影した廃墟動画スライドショーです。とは言え、本当に人類滅亡後の風景にも見え、そこが人々で賑わう期間なんて、ほんの一瞬なんだと言う事実を無常感>>続きを読む

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)

5.0

前編の半端感を払拭して余りある後編です。キャスティングの良さにも気づけました。誰もが不完全な人間、女性の強さ、時間軸を超えて救われる感覚、そして自分にある桐山的な部分が一層リアルな疑似体験を深めてくれ>>続きを読む

グレートウォール(2016年製作の映画)

4.0

万里の長城の風情を期待したのは間違いでしたが、スケールの大きさと奇想天外な戦法に驚かされました。大まかには二番煎じなのですが、細部に拘りを感じます。信頼や自己犠牲、今の中国が取り戻したいものかな?

SING/シング(2016年製作の映画)

5.0

小4の息子と鑑賞。これは凄い!オンリーワンな動物達のそれぞれが抱える問題や葛藤が見事に表現されており、大人こそ観る価値があります。ストーリーはもちろん、細かい描写や洗練された唄や踊りに終始釘付けでした>>続きを読む

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

5.0

これは観るべきです!迷子サルーがさ迷うインド雑踏の描写も新鮮でリアルだし、養子先のオーストラリアでの幸福と葛藤、サルーはいい奴です。そして故郷を探し当てた瞬間からは、涙なしには観られません。

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

切ないの一言です。自分では変えられない過酷な現実、そうなると勝つか負けるかの選択になってしまいます。そうやって同じような人生を送る人間が、繰り返し現れる悪循環に陥ります。流れを断ち切る勇気を持った大人>>続きを読む

パッセンジャー(2016年製作の映画)

4.0

どっぷり極限状態に浸りました。ネタバレ厳禁で二度観る作品ではありませんが、二人の心理状態に共感できればかなり楽しめます。溺れた時に罪悪感は維持できるのか?そんな相手を許す術は?時間は解決できるのか?結>>続きを読む

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)

3.0

いつも息子とアニメを観ています。本作はアニメとのギャップの精か、二部作前編の宿命か、全体的にぎこちなさを感じます。川本家のほんわかさも物足りないです。でもきっと後編はタイトルの意味も掴めるだろうし期待>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

一人の名もない男の人生です。ただ人生経験が多い高齢者だからこそできる社会貢献の片りんを観た想いがします。そしてシステムが神様で、臨機応変に振舞えない現場の役人や従業員、これも貧困と共に社会問題ですね。

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

5.0

高校入試を終えた娘と鑑賞。ストーリーは予想がつくものの、個性的な登場人物と、真っすぐで感情的な描写にすっかり魅せられました。部活のあり方に正解はありませんが、頂点からの景色がこれからの人生の糧となるの>>続きを読む

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

4.0

素数に拘る自閉症の少年が、数学オリンピックと出会い成長して行きます。そして、母親と先生のドラマでもあります。数学オリンピックのために嫌々人と関り始めたのに、何かに気づいて大切なものが変わって行く様子が>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017年製作の映画)

4.0

小3の息子と鑑賞。もう少し南極感を前面に出して欲しかったですが、氷と雪の世界は魅力的ですね。子供の頃に大好きだった宇宙開拓使との関連性も高く、そしてどこかジブリっぽさも感じる作品でした。

素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.0

最愛の人を亡くした相手に掛ける言葉が見つからないように、鑑賞中ずっと居心地の悪さが抜けませんでした。「プラダを着た悪魔」のような大作を期待したのですが、この監督はもっとカジュアルなテーマが向いてると思>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

5.0

曲と雰囲気が抜群です。切ない結末が一層作品を彩ります。過去には戻れないが故に、様子見と言う先延ばしはリスクです。これは夢を諦めない事と共に本作の教訓ですが、それよりしばらくこの切なさにドップリと浸りた>>続きを読む

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

5.0

ユーモアたっぷりですが、電気依存社会への警笛です。電気がなければ育つだろう人格や価値観を、我々は放棄してるかも?一方、私もその気がありますが、電気消滅を楽しんでいる人もいます。そうなれるよう準備に勤し>>続きを読む

恋妻家宮本(2017年製作の映画)

5.0

一人で観ちゃいましたが、ぜひ夫婦で観て欲しい温かく泣ける作品です。阿部寛と天海祐希のやり取り、エンドロールも素晴らしい!ずっと順風満帆な夫婦はおらず、しかもそれは誤解や思込みから生じている事も多い?そ>>続きを読む

キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)

4.0

秘かに好きだったGReeeeN!故郷の郡山が舞台じゃないのが残念ですが、誕生の経緯を味わえました。ずば抜けた努力ではない所に、天職やミッションの存在を感じます。確かに彼らは心の医者かもしれません。

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

5.0

多次元の幾何学的描写や魔術に引き込まれました。天才外科医が魔術師となり、自己中から脱却してミッションを見つけます。求めて辿り着いたのがネパール、カトマンズの雑踏やエベレスト山頂も楽しめました。

スノーデン(2016年製作の映画)

4.0

彼がロシアの空港に寝泊まりしてたのは3年半前です。当時は注目しましたが、ここまでネットで個人情報を収集できるとは驚きです。悲しいかな、ネットを扱うのは多種多様な人間なので、きっと技術的に可能な事は誰か>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

ポルトガル人宣教師の葛藤や心の変化が、緊張感を伴って伝わって来ました。そしてそれは観る側に無数の解釈を齎すように思います。一方で、状況は違いますが、どこか「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を回想させ>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

5.0

余命宣告をどう捉え、残された時間に何を優先するか?宮沢りえの快活さもあり、物語が淀まずにテンポ良く流れて行きます。家族構成は縁ですね。彼女の終活は、連続する幸せな今を生きるための行動だったのかもしれま>>続きを読む

ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)

3.0

ムエタイとカンフーの共演です。懐かしいトニー・ジャーのアクションが目的でしたが、もう少し血生臭さと飛び道具を抑え、素手のアクションが多ければ、子供と一緒に観れるのになと思います。でも久々に香港映画に浸>>続きを読む

本能寺ホテル(2017年製作の映画)

4.0

TCX鑑賞。プリンセストヨトミのような驚きはありませんが、綾瀬はるかの演技が光り、京の街並みも楽しめる作品です。そして人生の悩みと対峙する物語でもあります。余談ですが高校の修学旅行では「ホテル本能寺」>>続きを読む

MERU/メルー(2014年製作の映画)

4.0

ヒマラヤの未踏峰メルーに挑む3人の男達、「山に行かないと正気でなくなる」に共感しつつも、あの取り憑かれ方は当事者のみぞ知る領域です。極寒の壁を宙吊りテントに寝泊まりして挑む姿に、人間の潜在能力の高さを>>続きを読む

ぼくは明日、昨日のきみとデートする(2016年製作の映画)

5.0

泣けました!非常識な設定に思いっきり感情移入です。京都が舞台なのと謎めいたタイトルが気になって観ましたが、期待以上です。時空の歪は人の強さを試します。ラストワンシーンの自己解釈に希望を託します。

私の少女時代 Our Times(2015年製作の映画)

5.0

泣けました!台湾はもう日本では作れないような混じり気のない粋な純愛映画を生み出してくれます。ビーバップのようにチャラく始まりながらも、どんどん純化して行き、深みのあるストーリーを展開してくれます。

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.0

贔屓にしている批評家が絶賛していたので観ましたが、リアル怖っ!もうホラー映画は観ません。しかし劇場が満席なのは求められているから?唯一、いくら悲惨な境遇であっても、誠実に生きなさい!と言う大きな教訓は>>続きを読む

バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

2.0

本能的に抵抗感があったのですが、気まぐれでバイオハザードシリーズを初めて観ました。容赦ない残虐性が生理的に受付けませんでした。お化け屋敷で急に驚かせる演出を、映画には求めていない事が自覚できました。

カノン(2016年製作の映画)

4.0

陽の当ってない良作です。酒への逃避、アルコール性認知症、物事への意味づけを変えない限り不幸なばかりです。でも背景を知らない事への思い込みには気をつけたい所です。一方、黒部峡谷などロケ地黒部市の魅力も合>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

5.0

小3の息子と鑑賞。素晴らしい外伝でした。エピソード4で何気に存在するデス・スターの設計図、こんな切ない裏話があったんですね。信頼や前向き思考、自己犠牲などが随所に散りばめられていました。

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

4.0

満を持して登場、うちは出光ご愛顧なので、ちょっとだけ贔屓目で鑑賞。戦前戦後の様子は雰囲気があり、体験してないのに懐かしく感じました。メジャー企業の理不尽さはどの業界も一緒、そこに立ち向かう姿は一見の価>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

5.0

家族で鑑賞、みんな満足です。色んな魔法動物が楽しめるし、ストーリーもこれぞシネマ!って感じにしっかりしています。ハリー・ポッターと同じ魔法学校に対する誇りが垣間見られるシーンもあります。

聖の青春(2016年製作の映画)

4.0

短命を予測できたからこそ、迷いなく遠慮なく、人からどう思われるかなど関係なしに突き進めたのだと思います。期限を切られたものの強さです。羽生義治との関わりも興味深く、真逆の性格と思いきや、勝負に対する拘>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

5.0

心に染る作品です。嘘や建前で塗られている人間心理を、内側から追及するような感覚でした。いくら不誠実に見える人も、やはり仏性は備わっているなと思わされました。新しい環境に身を置いて、初めて自分の適性って>>続きを読む

疾風ロンド(2016年製作の映画)

4.0

東野圭吾原作で阿部寛主演にしては、少々スパイスが足りない気がします。でも野沢温泉スキー場の景色や、スキーやスノボの滑降シーンが楽しめます。地元のスキー場で育ち、飛び切りスキーが上手な子供達って、どこか>>続きを読む