六四二さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

六四二

六四二

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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.3

ジーナローランズの、笑ってしまうほどのコワレ演技に驚嘆する。お気に入りのシーンは精神科医をバンパイアと思い込むところだ。お笑いのコントネタのようで、最高におかしい。ピーターフォークが強引に子供を連れて>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

ノーウェイホームやいくつかのものは見たがキャラクターやシリーズに思い入れがない人間です。
ストーリーや台詞回しは置いといて、映像表現として固有のものを目指していると思って見ました。
ドラッグに近い体験
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氷の微笑 4K 30周年記念レストア版(1992年製作の映画)

4.5

久しぶりに見たら、メチャクチャ面白い。
シャロンストーンが仕掛けるキス我慢、マイケルダグラスは耐えられるのかー?
当時とはものの見方が変わり事件の真相が違って見えた。見に行って損はない。

遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.6

ノーベル賞を受賞したイタリアの文筆家、ピランデッロが遺灰になって故郷シチリアへ帰る。その旅の様子がモノクロの映像でユーモラスに綴られる。そういえば戦時中、日独伊は同盟国だったけと思いだしたりする。米伊>>続きを読む

兵馬俑の城(2021年製作の映画)

3.0

ライオン少年が気に入ったので中国CGアニメである本作も見た。兵馬俑の質感がすごくよく表現されているがそいつらの動かし方があまり面白くない。
お話としては鉛の兵隊のようなのを期待したのだが…

テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.0

映画一本で収まる話ではなさそうだ。
歌曲の演目が聞き馴染みのあるものばかりで楽しかった。賞獲りの加点要素や、社会問題の視点など一切出てこないのが清々しくてよい。

コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って 4Kレストア版(1993年製作の映画)

3.5

銃声の聞こえる日常であっても、恋人たちはメークラブし、ギャンブラーは博打を打つ。
タジキスタンの街の上に掛かるロープウェイを使って撮影される数々のショットがユニークだ。

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.2

実話ベースということだ。難民の問題を扱ってはいるが映画は明るい。
職業人の身の振り方として幸福な一例を示してくれたと見た。

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.6

こんなおっさんが社会を回してくれている。有難いとは思うがうっとうしい。
うっとうしい理由は何だろう。おもろないのに押し付けがましいところ。お互い様か…
だんだんと、かまってくれる人が減ってきて孤独にな
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.0

これから就職しようとする人に言いたい。こんな会社が多くあるわけではない。
取材をもとに既視感のあるシーンを積み重ね、使い古されたぎょうかいネタをシリアスに浮かび上がらせる。同時に現代人の礼節の感覚の退
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.2

今どきの映画では貴重な激シブで男臭くていぶし銀の味わい。御大、参りました。
生真面目で狂気を感じさせるほどのおせっかいぶりはトラビスとかぶる。クレジットが目に入らないエンドロールに拍手だ。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

二度見てようやく映っているものの意味がわかった。ソフィは父と過ごした20年前のことを思い出している。
20年前、父カラムは壮絶な内面をかかえながら、「ソフィと過ごす最後」と決めたトルコでの日々に臨んだ
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.5

オルガがいかにして死刑囚オルガになったのか、私は少し理解ができた。テロリズムを根絶するのは無理だと思った。

世界が引き裂かれる時/クロンダイク(2022年製作の映画)

4.3

ウクライナのことを気にかけるのであれば見るべきだ。ロシアの侵攻前から企画し製作された作品であり、短期即席に作られた映画では決して無い。
最初、映画は微笑ましい感じさえする夫婦喧嘩の様子を映しているがだ
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スーツ(2003年製作の映画)

4.5

見れる機会に劇場で見ておかないとだめだ。素晴らしい映画だった。
黒海に面する港町に住む悪ガキ3人組、喧嘩と盗みに明け暮れる相当のワルだが可愛げはある。この3人が近くの街に繰り出すときに使うのがフェリー
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.8

自分の頭で考えることを、学校で教えられ鍛錬されるべきはずなのに意外にもその記憶がない。そんなことに気がつく。
ベルファストのホーリークロス小学校で児童相手に行われる哲学的セッションは、メソッドというの
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.0

ハリムが静かに流す涙、助手、ユーセフの美しい顔、死期の迫ったミナの背中すべて愛おしい。
音だけで海の近くの街であることを表現する。潮の匂いまでしてきそうだ。
予想外の良作で、心が浄化された気持ちがした
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レンタル×ファミリー(2023年製作の映画)

3.8

三部構成だが、それぞれまったく語り口が異なるのでオムニバスのようである。
一部はツカミであり、父親代行の利用に至ったケースのエピソード。なんかヤバそうな匂いがここでする。
二部はモキュメンタリーで、色
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.8

いうて略奪である
まず自分、そして家族
セドゥーが、奪われる側の役をやるのも面白いのではなかろうか。

Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

3.4

出てくるのは全て日本のメーカーで保安部品のついていないオフロードレーサーだ。
徹頭徹尾、かっぱらいの目線で描かれており、まったく悪びれるところを入れないのは、さすがフランスの映画だと思った。しかしバイ
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ルナ・パパ 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.5

スラップスチィックスコメディというのだろうが、人間だけでなくいろんな乗り物も忙しく走り回る。
ジャングル大帝のオープニングのようだ。うろ覚えだが
楽しい映画である

少年、機関車に乗る(1991年製作の映画)

4.6

遠く離れた父に会いに
中央アジアを小さな汽車に乗って駆けていく17歳と7歳。他には機関士がひとり、行商の男と若い娘が二人。
このシチュエーションだけで十分ではないだろうか。

苦い涙(2022年製作の映画)

3.5

古風で演劇的でチャーミングな映画。
各ショットの力強さやキャストの存在感が際立つ。
劇中のシャンソンが素晴らしい。
コメディではあるがタイトルどうり苦味を感じもするし、ステレオタイプなだけではない人物
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

キリスト教を、男にとって都合よく曲解して悪用、口封じの脅しに使い、性犯罪を黙認していたという驚くべき集落のこと。実際にあった出来事というので驚く。

下調べをして劇場に臨めば見方が変わるだろうが
そう
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海を待ちながら(2012年製作の映画)

4.0

この映画の舞台がどんな土地なのか?
見た後、Googleマップで調べてみた。
船の墓場のような場所が本当にあることに驚く。
海が無くなる。実際カザフスタンとウズベキスタンにまたがるアラル海は消えたと言
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渇水(2023年製作の映画)

3.3

映画制作において群馬県の度量の大きさが偉いと思った。ライフラインにスマホが居座っとる。しかも水より大事とは

怪物(2023年製作の映画)

5.0

坂元 裕二氏の「カルテット」が好きで何度も見ているが、本作の脚本に参加していることは見終えて知ったが、本当に素晴らしい脚本だった。(是枝ドラマ作品「有村架純の撮休」も素晴らしい!脚本は別人だが)

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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.3

一見地味な主人公をよく演じているキムダミの人気が高いようだ。この女優さんこの映画でデビューしたらしく初々しい。
ストーリーでは最後の最後にキムが実は... ということに私は素直に驚いた。
アクション面
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アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.6

1975年ジョーズの年である。当時の女性の置かれていた環境など、思ったことなかった。
はからずもシングルの身となった主人公は子が欲しいと思う。娘のような年頃の友人が望むおそらくは若気の至りとなる結婚の
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波紋(2023年製作の映画)

3.8

苦労しながら年取ると一筋縄ではいかない存在になるらしい。劇中の女性達を見てそう思う。
老獪だと失礼な気がするのでベテランというが、彼女たちの演技、演出が本作の最大の見所で筒井妻が恐い。ダイレクトに来な
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聖なる復讐者(2022年製作の映画)

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カタルシスを求めるなら間違いなくそれに応えてくれる映画だが、爽快というのとは全然違う。
肉親をなぶり殺しにされた者の報復を止められるか?
止められないだろう。
因果応報ということを考える。

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.2

超弩級の問題作
表面的には白人が有色人種をという見せ方だが、カテゴライズ次第で誰もが誰かの排除の標的になりかねないという恐怖を感じた。
印象や思い込みで人を判断するのは良くないという良識を嘲笑うように
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.0

アバターに似ていると思った。
2作めならば海と山、映像化技法も映画のジャンルも全く異なるけれども、作者が観客に見せたいものが同じような気がする。
「男同士の」友情(恋情に非ず)の物語とも、父と子の物語
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.4

猿の惑星や、プロメテウスにもできる可能性を秘めたネタではあるが、そこまでの世界観のセンスオブワンダー
はないものの、ホラー映画として十分楽しめる。

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.5

JNが頭にクシを入れるシーンが目に焼き付いた。
三馬鹿トリオの珍道中
反骨監督が米海軍を嘲笑う映画だったのか
勝手にハードボイルドと想像していたわ