自主制作をはじめるきっかけになったかもしれない本作はカサベテスにしか撮れない映画である。参ってしまった。
母性と父性のせめぎ合いはどちらが正しいというものではなく、本作では一人の博士の見解が核になって>>続きを読む
IMAX鑑賞で映像、音響とも迫力があって楽しめた。
実話ベースというのが驚く。しかしそのためなのか、リアリティを感じさせることに力が注がれていないように感じる。訓練的な逸話があまりに省略されてドラマ性>>続きを読む
リングの元ネタなのではないかと思った。アイデアが面白いけれども、いま見てどうかというと古さを感じる。
劇中で放送の仕事をする主人公が、売り込まれたフィルムを見て、時代遅れで刺激がないと言う件が皮肉に感>>続きを読む
フレディが魅力的!冒頭から波乱のドラマを予感させ、期待が高まる。人の内面の繊細さ、意外性、怖さ、総じて複雑さを垣間見せ、奥行きのある映画で見応えあり。何より5年のフレディの変化が心に沁みる。
風景を生かした撮影が際立つ。
他であまり見ないような魅力ある映像たちだ。超ロングショットでの薄暮での家族の別れのシーンが特に見事だと思った。
二人の主人公のはじめの出来事がどうしても引っ掛かる。チャンドンは都合よく人の行動を美化しない作家のようだ。
脳性麻痺のある人物をネタにすることをチャンドンはどのように整理をつけたのだろうか。その人物を>>続きを読む
作家の加藤拓也は嫌な男の造形が抜群にうまいと思った。前作も見ての感想だ。
(麦のダンナの)会話が、まるで接客マニュアルを実践しているようであり、人を小馬鹿にしている。
抑えが効かない意識高いアピールの>>続きを読む
意味ありげに差し挟まれる人間たちの顔が不気味で疑心暗鬼が生じ、怖さが増していく。
高校生が仮採用期間に、命を断つところまで追い込まれるのが信じ難い。映画上の人物像は悶々と悩むタイプではなかった
しかし、人が心を壊して仕事から逃れようとする。それが相当ヤバいことなのを雇う側のトップが>>続きを読む
ヒエラルキーの頂上にいるような人物でも、女性であることで自己実現がままならない抑圧された日々を過ごしている。痣が残るほど締め付けるコルセットに象徴される。しかし自分が下女を道連れにすべくその自由を奪っ>>続きを読む
満席!関心が高い方が多いということだろう。日本人全員がみて、衝撃を受ければよい。千葉県に慰霊碑があるようだ
さいとうたくみが作る映画に興味津々
日本人の感覚でしか作れない心霊ホラーの大家として新ジャンルを築いてもらいたいと、本作を見て思った
子気味よくテンポ良く映画が展開する。ヒーローは後光がさして見えた。インド映画のヒーローは神として描かれるように見える。国やムラやファミリーのためという大義を背負っている。愛国心の強い国民性なのかと映画>>続きを読む
男から見てもかわいい主人公を岸がよく演じている
原作ファン、推しの俳優目当ての方が多いのだろうか?私はギャグと、吉岡里帆を楽しんだ。「笑ってはいけない」を彷彿とさせてけっさくだった
たいへんヘビーな映画体験だった
初めて車の運転をした時、あるいは就職して間もない職場で、流してしまえる情報がわからずぐったり疲れてしまう感覚に近い
スパイダーマンアクロスザ…にも共通するものだ
この作>>続きを読む
80歳のクローネンバーグが思い描く世界で、ヒトはある進化を遂げようとしている。その変化はまあ説得力のあるものだが、一方で生物として致命的に思える痛覚の喪失という退化を起こしている。その理屈もわからいで>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
予告や映画サイトのミスリードのせいで、後半までどんな映画かわからなかった。冒頭10分で気づかなかったのがくやしい。ギャグの塩梅がギリギリのところを攻めており絶妙
主人公たちが十八番とする京劇の演目「覇王別姫」の姫であるレスリーチャン。映画で演じる役者としてのレスリーが覇王役の石頭に寄せる想いを「覇王別姫」の筋書きが淡く縁取り、全体として映画の世界に力強い輪郭を>>続きを読む
ヨーロッパではネタにもならない女性の腋毛の表現だが日本では未だに新鮮だ。「お葬式」で高瀬が披露したものが印象に残る。あの時はびっくりしたし、女優の根性を感じた。
エルガーを弾く路上のバイオリン男に合わ>>続きを読む
古典的学園ラブコメで、時代を映す要素は特に見当たらない。むしろ手書きの文字で思いを時間をかけて丁寧に綴り、相手のメッセージをどきどきして待つ「交換日記」という前時代的な要素がよいのかもしれない。
キラ>>続きを読む
ナチスがソ連に加えた残虐行為に対する裁判と、判決、刑の執行までをきっちりと見せる。
被告人になるか、証人の立場か、それは運命のイタズラとしか思えない。
どちらの側も当時の政体即ちファシズムが元凶であり>>続きを読む
私は楽しく見た。綾瀬はるかを筆頭に、キャスティングが素晴らしく、続編を見るのが楽しみだ。
宮崎駿の「フェイブルマンズ」か...
自分は、こう生きる(生きた)。君たちはどう生きるか?
ふしぎな冒険を通して大人になっていくストーリーに、派手さはないものの
これまでのジブリとは異なる静かな感動が>>続きを読む
台湾映画、特にシャオシェンが携わる作品の定番の感がある題材であり、高い期待を持ってみた。表現の仕方に大衆娯楽的な色合いが多くあり、台湾ニューシネマの黎明期の作品と感じられる。
劇中のLPレコードの楽曲>>続きを読む
実に緻密な構成のドキュメント映画だ。
第二次世界大戦のドイツとイギリスという敵対する2国について、兵器の製造から兵站にいたる銃後の ‘戦い’ といっても淡々と進行する戦争準備の対比を見せる貴重な映像が>>続きを読む
オモシロイ!瑠璃の突破力の凄まじさに唖然とし、体当たりされてたじたじとする森先生に笑いが止まらない。お話の舞台が絶妙で、JK達が学ぶのは高校の畜産科である。かわいい動物達を目の前にしてキャッキャとはし>>続きを読む
菊地凛子が主演の映画を見られることはこの上ない幸せである。見てしまうと陽子を演じるのにこの人以外はちょっと思いつかない。
ロードムービーである本作は神奈川だか東京だかから青森までを車で行く。途中、東北>>続きを読む
他の作品と一線を画す感があるのは、イキらず、腐らず、主張せず、淡々と境遇を受け入れている西村の人物造形かと思う。映画内で見るザ・日本人として誠に自然であり、海外の人に見てほしいと思う。その人物像が木村>>続きを読む
同じプロットでも日本版とは全く違う印象を受ける。楽しくて切なくてほっとする。
1秒遅れる男の情けなさとダメなところ。それは法的にも、男性としても、職業人としてもそうなのだが、たまらなく愛おしい。
独ロに蹂躙され続けるウクライナWW2の時代のお話は、サウンドオブミュージックのようなのを想像していたが全く違い、シリアスで悲しいものだった。
最後の感動的なシーンの後、エンドロールでずっこける。
お見事!目のご馳走有り難うございます
何段落ち? といいたくなる
JBのライブパフォーマンスのごとくである
多数の映画の名アクションシーンをオマージュしているようで楽しい。今回の脚本はイーサンが輝かしく活躍していたITC全盛前の縛りがあり、自分に分がある土俵にライバル達を引きずり込むよう仕掛けている。
60>>続きを読む
600万番まである変奏曲を演じ続ける地獄
理由づけは必要ないと思う
人の集まる場所にその人達の歴史が留まっているということを感覚的に見せてくれる手法が映画において新鮮で感動的だった
レオの存在感がとてつもなく強い作品だが、中学校のひとつのクラスの一年のストーリーでもある。互いの自己紹介から始まり、クラスメイトが自然と親密になっていく様子がドキュメンタリータッチで綴られる。どちらか>>続きを読む
”コロナ禍”の香港の市井の人であるザクが、自身がひとりで経営する小さな清掃会社に、かわい過ぎる子持ち女子を雇い入れることになった。
生活に困窮する設定だがそうは見えない。
盗癖があり、誠実とは言えない>>続きを読む
97年のホンサンス作品
何か意味ありげなものが映り込んでいたり、人物に対するアイロニカルな目はホンサンスらしい。哀愁漂う性交のショットはホンサンスが映したいものを代表しているように思われる。