予定調和で特筆すべき点は無い家族愛映画。ではあるがセーターとブランケットが恋しくなるクリスマス映画でもある。
国に属することで人生が決まってしまうことを知ったら間違いなく産まれてきたくない。どれだけ人間讃歌を描かれてもなんというか人間を辞めたくなる。昨今の世界情勢をみると尚更。
パレスチナでの動かなくなった灰>>続きを読む
よく出来た面白いラブコメ。よく出来すぎて難病の扱いがゆるふわすぎるなーとか色々あるけど、分かりやすくて良い。
あと、このシチュエーションが男女逆だったら今でも成立しないよね。
憎しみによる負の連鎖の話だが、どっちもどっち論では絶対にない。
先日、日本保守党なる新党がこの映画に散りばめられた白人至上主義台詞をなぞるように演説を繰り広げていてぞっとした。初めは優しい言葉に始まり>>続きを読む
大過去、過去、現在が同時に進行していくのが人生だと言わんばかりの圧倒的説得力をもった語り。物語ではあるが、物語になりすぎてないところが監督の手腕、経験値か。苦しみはあるが絶望させず、落ち度を嫌悪には変>>続きを読む
映画が喋りすぎ。喋りすぎな映画は疲れる。
キアロスタミの「友だちの家はどこ」やトリュフォーの「あこがれ」が如何に子供の精神世界を巧みに再現してたかが強調される。
「被害者と加害者の交流を通して人生のままならなさを描く」と書いてしまえばそれっきりなのだが。取り返しのつかない細い線の上を歩くことが人生だとしたら、あまりにも重い映画だ。
喋れないが歌えるワニが何故か存在している、っていう設定だけでだいぶ面白い。しかも口からビルボード1位の歌声。一応、ミュージカル映画なのでここまでぶっ飛んでても全然いい。欲を言えばもっとミュージカルして>>続きを読む
ケンローチのデビュー作がまさか女性が主題だとは。社会構造的な女性の無力と不条理という点でバーバラローデンの「WANDA」やダルデンヌ兄弟の「ある子供」が連想されたが、映画的快楽はどうしてもそれらが上手>>続きを読む
とても五感的な映画だった。
暑い夜の滑らかなシーツの冷たさすら感じる。脚を滑らせ、まだ体温に侵されていない冷ややかな部分を求めてしまう。明け方の珈琲の香ばしさに胸を焦がす。
アケルマン以外全ての作家>>続きを読む
これは傑作だ。恋情に晒された私達の脳内が鬱々と蝕まれていく様だ。それは時の回廊となり時間を超越も、生死すら超越していく。かと思えば行く宛てはまさに"此処"にしか無くその場にとどまり続ける。
この映画に>>続きを読む
16年ぶりの新作という情報と、吉岡秀隆と柴咲コウが結婚してしかも妊娠しているということ、さらにかなり老いた姿の吉岡秀隆と歳月を感じさせない柴咲コウのビジュアルに「え、この人ら何歳設定なの?」という疑問>>続きを読む
奇跡を見てるのか信仰を見ているのか病を見ているのか判らなかった。解放か束縛かすら怪しい。こんな物語を造るなんて人間て面白いね的な楽しみ方をさせて頂いた。
画の強さと展開のリズムが良すぎて3時間を感じさせない。
シモーヌが吐き気をするくらい卑劣で許容し難い。移民と貧困の背景が流れるが、だとしてもホアキン版ジョーカー的な動機が成立しないくらい愚かで存在が苦>>続きを読む
好きか嫌いかは置いといて、あざといくらいに巧い。16mmフィルムによる快感もさることながら、モチーフの蓄積と雄弁な情景文脈だけでも一級の映画として成立してしまう。映画を観たという満足度が異常に高い。>>続きを読む
原作はおそらく分厚い長編小説なのだろう。
その風格が漂う割には回り道が少ないためか肉付きが悪く、直線的なプロットに物足りなさを感じてしまった。
張り詰めた空気に緊張と恐怖を覚える。それも全編を通してだ。健康な時に見ないと全て奪われる。
自閉症(おそらく)の息子と相性最悪のコミュニケーションを図る母、度重なる死、あまりにも手軽な凶器、全ての歯車>>続きを読む
「強要はされていなかった」
ここまで肉声や手記をはじめとした証言が残されていることに驚く。ヒトラーやアイヒマン、ヒムラーやハイドリヒではなく、直接手を下した"ふつうの人々"の実像に迫るのは貴重。
8>>続きを読む
油断していた。想像の5倍くらい情報量が多く展開がびっしり詰まっている。つくづく稀代の監督だなと思う。
懐かしのスパイキッズだと思って。
子供向けなので大人1人で見るのには適してないかな。メッセージはしっかりしてる。
この手の題材には映画においてもドラマにおいても秀作が多い中、今作が目立つことはないだろう。説得力の弱さも相俟って特に終盤にかけて胃がむかむかした。あとナレーター?というかストーリーや心情を積極的に説明>>続きを読む