ystkさんの映画レビュー・感想・評価

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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.9

人類が退化し猿が覇権を握った未来、かつて人間が生み出したテクノロジーを巡る攻防。「猿は猿を殺さない」の名言もガン無視、身勝手で愚か、かつての人間と同じ運命を辿る猿たちの姿が刺さる。人間は人間で変わらず>>続きを読む

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.6

交錯する時系列、トリッキーなストーリー、初期作から既にノーランの作風は確立されていたのか。良作。。「26年前からこんな作品を作っていて凄い!」という感想と同時に、本作のわずか10年後に「ダークナイト」>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

4.0

カフェで偶然出会ったふたりは運命を感じるも誤解で仲違い、そして時が経ち予期せぬ再会へ。下ネタもおバカもキッチリ盛り込まれた王道ラブコメ。映画全部こうゆうのでいいよと思えてしまう多幸感溢れる仕上がりで全>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

5.0

ロシアによる侵攻からマリウポリ陥落までを描いたドキュメンタリー。無差別に殺される民間人、生々しい映像の数々、良い悪いではなく歴史的に残さなければ行けない映像作品。アカデミー賞受賞も納得の仕上がり。鑑賞>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.0

台湾と日本を巡る18年の片思いの記憶。王道中の王道のラブストーリーをクサくならずに見せきったのは監督の手腕、高校生から30代まで演じきったシュー・グァンハン、とにかく魅力的な清原果耶の力。登場人物がみ>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

3.9

第二次世界大戦下の上海で暗躍する工作員たち。交錯する時系列に混乱しながら鑑賞していたら後半で綺麗に伏線回収。トニー・レオンの魅力は言わずもがな、中盤以降のワン・イーボーが凄く良かった。もう少し予習して>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

良かった!冒頭の演出からラストの展開までずっと驚かされる。主人公の意外な行動にも、時間が経つと色々とそこに至る背景が頭によぎる。濱口竜介節とも言える会話劇も素晴らしいし、石橋英子のスコアも冴える。「理>>続きを読む

ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

3.9

ベッタベタの韓国ラブコメだけど、ここでしか得られない栄養のある良作。冒頭の息のあった夫婦喧嘩はノア・バームバック監督「マリッジ・ストーリー」を思い出した。結末は違うけれど、夫婦の行く末という普遍的テー>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

ゴジラの続編というよりも猿の惑星?猿軍団とコングの喧嘩に何故かゴジラも介入、それを見守る人類みたいな話。殴り合いの末に和解するゴジラとコングの姿に一昔前の不良漫画みたいなノリを感じた。もう続編はいらな>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.2

寄る辺なく、孤独を受け入れ生きてきたアダムの前に現れたのは亡くなったはずの両親。時を同じくしてマンションの隣人との運命的な出会い。伝えられなかった思い、叶えたかったはずの願い、人間の抱える普遍的なさび>>続きを読む

リトル・エッラ(2022年製作の映画)

4.0

エッラは唯一の親友で叔父であるトミーを独占するために、その恋人スティーブを追い出す作戦を実行する。登場人物みんな善人だし、捻くれ者のエッラもちゃんと成長するし、心の栄養のような良作。同じくスウェーデン>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

惹かれあいながらも幼き日に離ればなれになったノラとヘソン、ニューヨークとソウルで人生を歩む2人の24年越しの再会。冒頭とラストがおしゃれ、、音楽の使い方やアングルもいちいちセンスが良い、、クレイジーリ>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.1

プロレス界の伝説であり呪われた一家と呼ばれたフォン・エリック・ファミリーの真実。A24だしテーマがテーマだし重たい話や胸糞展開もあるかな、、と思いきや、プロレスへの愛、家族への愛、宿命に抗いながら戦い>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.9

オピオイド危機の元凶の巨大資本と写真家ナン・ゴールディンの戦い。
ナン・ゴールディンの半生だけで一本の映画になるのに全米で50万人以上の死者と1兆ドルの経済損失をもたらしたオピオイド危機の話題もあり情
>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.3

前作アフターライフは好きだったけど、本作はちょっと内容が薄めで物足りない。無理矢理続編を作った感じ。キャラクターの描き方が雑というか、全員人として何か足りない気がした。クメイル・ナンジアニはいつも通り>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

原爆の父の栄光と疑惑に追い詰められた半生。日本への原爆投下シーンが無い点は事前情報通り。ひとりの男の栄枯盛衰を描いた作品として3時間集中して鑑賞した。ノーラン最高傑作とは思わないけど凄く良かった。登場>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

3.5

仏軍外国人部隊で曹長を勤めるガルーの元に現れた美しき新兵サンタン、自身の存在を脅かすサンタンに向けられた嫉妬と羨望。

躍動する男たちの肉体美、日々の訓練や生活といった営み、所作、そのひとつひとつに見
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.0

いつも一緒の大親友ミソとハウン、秘密を抱えたまま離ればなれになった2人を待つ運命。デレク・ツァン監督のオリジナルは未鑑賞。性格も育ちも真逆の無二の親友の2人が思い合うゆえに傷つけ合い、気持ちを偽りなが>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

崖からの転落事故に見せかけた殺人事件、現場を目撃した少年たちは犯人を脅迫ー。

面白かった!クズ vs 悪ガキの心理戦は見応えあり。展開は読めるけど、キャストの演技が良くて終始楽しめた。岡田将生のクズ
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.8

警察が逮捕したのは負傷した女装の男と大量の犬、彼が語る犬と共に生きた衝撃の半生。主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが見事だけど、とにかく犬が良い。切ない話だけど犬の可愛さと無双ぶりに救われる。犬可>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

世界観、映像、轟音、戦争や砂嵐のど真ん中に放り込まれたような臨場感、IMAXで見るべきひとつの到達点を見た。PART 1も好きだったけど軽く超えてきた。映画というより旅。素晴らしい体験が出来た。信仰と>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

いつものマシュー・ボーン作品。面白いけどキングス・マンのコピーみたいな作品をいつまで生産し続けるのだろうか。初期作品のようなグロ、ゴア要素は無くなり、なんなら血も出ない。別に人体破壊シーンを見たいわけ>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

3.0

日本からイギリスへ、亡き妻の遺灰を捧げる旅。妻の死後、自暴自棄な主人公(リリーフランキー)の姿にリアルさを感じつつ、あまりに身勝手な気もした。周囲の人がまともなのが救い。地味な作品だけど、イギリスの風>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

男の転落死により向けられた妻への疑惑、裁判で暴かれる夫婦の真実。面白すぎて面白いみたいな破綻した感想になりそうなくらい面白い。夫婦とはすなわちカオスな関係、良い悪いの二元論で語れない。脚本最高、役者も>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.9

酷評が多いけどMCU近作の中では悪くない。映像は地味でもキャラは良いし、映画よりもドラマ向けの題材と感じた。ダコタ・ジョンソンと孤独な少女たちのロードムービーとして見続けたかった。少女たちのバックグラ>>続きを読む

ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.9

タイカ・ワイティティ監督の新作は世界最弱と言われた米領サモアのサッカーチームの実話ベースの奮闘記。監督のオリジナル作品に比べて薄味感は否めないけど、あえて実話部分を大切にしたのかな。しっかり笑えて感動>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

実は初見。タクシー運転手と乗客の一夜の交流を描くオムニバス。シニカルなエピソードと成り立たない会話劇、予定調和ではない展開、善人でも悪人でもない市井の人々の物語が独特の余韻を残す。良かった。

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.0

宮廷で発生した王子の怪死、目撃者は盲目の男。朝鮮王朝時代を舞台にしたサスペンス、韓国エンタメの良いところが詰まっていて間違いなしの面白さだった。ポスタービジュアルでホラーぽい印象を与えてるのが勿体無い>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

母の死を弔うための波瀾万丈な里帰り。アリ・アスター監督らしい不条理・理不尽のオンパレードに笑ったし3時間飽きることは無かったけど、過去作と比べると物足りない。前半の治安最悪な街の描写と病んだホアキンは>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.6

撮影中に失踪した俳優と残された監督、22年後に届いた知らせ。 最新作なのに古典作品のような味わい、約3時間という長さに冗長さを感じつつも唯一無二の体験が出来た。エリセ監督への思い入れが評価に大きく影響>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

◎2回目の鑑賞
1回目よりも演出や演技の細かい部分を拾え、より内容を噛み締めた。登場人物の言葉のひとつひとつに優しさ、配慮、感謝があり、じんわりと心に染み込み温かくなる。素晴らしい作品だと改めて認識し
>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.9

冬休みの寄宿学校に取り残された嫌われ者の教師と反抗的な生徒、いがみ合うふたりは交流を深める中で互いの秘密を知る。

丁寧に描かれたメンターものであり、心の問題を抱えたふたりの成長を見守る佳作。冬の寒々
>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.8

ヘッジファンドと個人投資家の攻防、搾取されてきた者たちの戦い。ゲームストップ株騒動は日本でも報道されていたけど、全容は本作で知った。クレイグ・ギレスピーらしい手堅い作り。面白かったけど非当事者的にはど>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.9

親戚夫婦に預けられた孤独な少女コットが見つけた初めての居場所。「泣いた」「号泣」というレビューが多数でハードルがかなり上がったけど、ラストはしっかり泣けた。コットの目線よりも孤独を分かち合う擬似家族作>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

胎児の脳を移植され蘇ったベラの数奇な運命。選択肢を得る、悦びを知る、世界を知る、そして自分を知る。女性の成長譚であり、濃縮された女性史、素晴らしい。倫理観のぶっ壊れたプロットなのに感動した。ラストのま>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.1

北朝鮮からの命がけの脱出を目指す2組の家族を追うドキュメンタリー、壮絶すぎた。再現映像は使わず撮り下ろしのリアル北朝鮮と脱北家族に衝撃を受ける。韓国映画やドラマ等でエンタメ化された北朝鮮を破壊するリア>>続きを読む

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