先の見えない不況、貧困、停滞感…そんな行き詰った日本社会を打破すべく、歌とダンスで世の中に光を届ける国会議員たちがいた。彼女たちこそ、アイドルであり議員でもある「アイドル議員」である。 新進気鋭の「ヒロイン党」の党首である近堂幸恵は、新潟の補欠選挙に立候補する人材をスカウトするため、県内を視察していた。 そこで幸恵の目に留まったのは、天真爛漫な農家の娘・星菜夏月。 元気と笑顔を武器にヒロイン党の門を叩いた夏月に、先輩議員である鬼丸靜は冷たい態度をとる。 目前に迫った補欠選挙に当選するには、靜の協力が不可欠。彼女の隣に立つべく奮闘する夏月だが、その道のりは険しい。 はたして夏月は靜に認められ、見事に選挙を勝ち抜くことができるのか。
憧れのアイドル議員となり、張り切る夏月。そんなある日、ヒロイン党は美谷村という小さな農村のゴミ処理問題の視察へと赴く。 かつて美しい自然で知られた村は、いまや大量のゴミで埋め尽くされて無残な姿に。 あまりの光景に圧倒される夏月たちの前に、先んじて入村していた、竜石堂ちなつをはじめとする賛来党の面々が現れる。 ゴミ問題の解決には有力政党である賛来党の協力が必要不可欠だが、靜には、彼女たちとなにやら因縁があるようで……。
ヒロイン党が次に向かったのは、大量の猫が暮らすことで有名な、猫のパラダイス“猫ノ島”。 夏月たちは島の子供から、このところ猫がどんどん減っているので、原因を調べてほしいと頼まれるのだった。 同じころ、スターライ党の飯塚桜子、鳴神五十鈴、綾井しらゆきの3名もまた、原因究明に動き出す。 謎を追う少女たち、その裏で暗躍する者、島に伝わる意味深な伝説…… 絶海の孤島にキャッと驚く一大スペクタクルが展開する!
全国のアイドル議員たちが一堂に会し、さまざまな競技で激突する、毎年恒例の水着大会が幕を開けようとしていた。 昨年の優勝チームである美少女党は、党首の桃井梅を筆頭に気合十分。 そんな強豪ばかりが集まる中、新戦力の夏月が加わったヒロイン党も、初優勝に向けて闘志を燃やしていた。 党を広く大衆にアピールするには、なにがなんでも負けられない戦いである。 快晴のビーチに、色とりどりの水着で包まれた肌色が乱舞する!
ヒロイン党に夏月と靜のデュオ結成の企画が持ち上がるも、靜はつれない態度でこれを拒否。 そんな時、かめかめ保育園にて、わかば党のアイドル議員たちを人質にした立てこもり事件が発生する。 たまたま警察署で一日署長の仕事をしていた夏月は、署長権限(?)で現場に向かい、警官隊の陣頭指揮をとることに。 犯人の説得にあたる夏月だったが、彼女にも犯人たちの魔の手は容赦なく襲い掛かる……。 ニュースで事件を知った靜は、夏月のピンチに何を思うのか。
宇宙大好きなサブカル新党党首の小水流ミカは、議会にて国会議事堂の展望室を一般開放するイベントを提案する。 だが、楼凱党の猪名川議員らの反対を受けて萎縮してしまい、案は突き返されるのだった。 ミカは党員の光武リイナと2人で、ヒロイン党にイベント開催への助力を求める。 イベント開催にはどうやら、国会議事堂に伝わる幽霊騒動の解決が必要なようだ。 オカルト好きなSOS党の闇†林檎様と金月アイナもなぜか話に加わり、幽霊たちとゴーストバスターズな展開に……!?
夏月の地元、新潟で巻き起こったスタジアム建設問題。 現地住民たちの反対運動が盛り上がるなかで、夏月は単身、建設を請け負う鬼丸建設へと乗り込むのだった。 社長である鬼丸圭吾との直談判にこぎつける彼女だったが、取り付くシマもなく追い返される。 さらに、その一件がきっかけで静との関係もおかしくなってしまう。 スタジアム問題も、靜とのデュオ結成にも、暗雲が立ち込めていく……。
夏月と靜のデュオ“with”は快進撃を続ける。 これに刺激を受けた他のアイドル議員たちの活動も広がり、世はふたたび、かつてのアイドル議員ブーム再来を思わせる状況に。 これを面白く思わないのが、総理の桜庭を筆頭にした、与党の楼凱党だった。 桜庭はいよいよ、アイドル議員潰しに本腰を入れ始める。 党派を超えて対抗するアイドル議員たちに向けて、桜庭が差し向けた美しき刺客たちとは?
かつて総理の座に登り詰めた伝説のアイドル議員、三日月かぐら。 彼女を支えた存在である“Cherry7”が今、夏月たちの前に立ちはだかった。 レジェンドたちの圧倒的な実力に、なすすべもない現役アイドル議員たち。 その機に乗じ、桜庭は“アイドル議員禁止法”を提案。アイドル議員全員にトドメを刺そうとする。 法案阻止に向けて、夏月たちは真の団結を迫られることとなる。 壁となるCherry7を打ち破り、彼女たちは桜庭にその存在価値を示せるのだろうか。
靜が発案となった超党派ユニット“SMILE♥X(スマイルキス)”が始動し、Cherry7との対決に日本中の注目が集まる。 そんな決戦ムードの中で、夏月だけはひとり取り残されていた。 相次ぐアイドル議員へのバッシングに悩んでいた彼女は、レッスンにもまるで集中できない。 見かねた幸恵は、夏月をある場所へと送り出す。 夏月も靜も、それぞれのステージで勝利をつかみとることができるのだろうか。
Cherry7を破られ追い詰められた桜庭は、アイドル議員禁止法案の是非を、国民投票に問うことを宣言する。 すぐさま実施された投票の結果ははたして……。 投票結果が発表され、靜は言葉にできない孤独を感じながら、街をひとりさすらっていた。 そのころ夏月は遠い場所で、アイドル議員という存在に改めて向かい合っていた。 2人の心がふたたびめぐり会う時、なにかが起こる……?
もう迷いはない……何もかもを捨てる覚悟で、ヒロイン党による盛大なライブステージが開催された。 話を聞きつけた他党も支援に動き出し、アイドル議員たちの想いがひとつになろうとしていた。 だが楼凱党からの妨害は熾烈なものとなり、ライブの続行すら危ぶまれる事態に。 ついに迎える桜庭との最終決戦。 夏月、靜、そしてすべてのアイドル議員たちは、国民たちに笑顔のフィナーレを届けることができるのだろうか。