きっと何者にもなれない少年・少女達の生存戦略。
悪ノリのような演出と表現のせいでずっとレム睡眠で夢を観ているようなフワフワとしている脳に、呪われた過去の代償を払う子ども達の現実味溢れる衝撃が突き刺さる。
登場人物相関図が元から複雑なのに、ストーリーが展開される度にそれぞれの矢印と感情が目まぐるしく変化していきます。
前半は『歪んだ家族愛』が描かれているのに、気付いたら『愛されたい子ども達』が世界を救う。
ベースは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、全体的に核心を避けたり暗喩の台詞が多く読み解くのが難解…。
執心しているファンが多いことにも納得だし、熱心なファンでもない私でさえ見終わった後に余韻を引きずりボロボロに泣きました。
優しくない作りなので視聴者を振り落とす気満々ですが、乗り続けた乗客には最高の終点に案内してくれる、そんな暴走機関車。
全体的に電車の表現が多いです。
第一話で、憧れのお兄さんにストーカーした挙げ句の果てに部屋の床下に勝手に住み込むJKの展開からこうなるなんて誰も思わないでしょ??
初見はレンタルDVDで、アマプラにて再視聴。
思い出したきっかけも『なんか豪邸に住むお嬢様が深夜の庭でふぐさし一気食いするアニメなんだっけ』なのでクセがつよつよ。
プリンセス・オブ・ザ・クリスタルが階段を一段降りる度にドレスのパーツが解けていくSEが、ラストのドールハウスに似せたベッドシーツのはためきにも使われパブロフの犬と化した私は胸がドキドキ。
ここから終着駅に向かう高揚感が忘れられない。
そして語られるべき音楽。
やくしまるえつこさんのウィスパーボイスのオープニングも素敵だし、作中に登場するトリプルHのエンディングもラストに向かうにつれて毎回曲が変わる演出…エモエモのエモ。
全てはオープニングに詰まっているんだ…。
見終わった勢いで文字に起こしましたが、これからゆっくり考察サイト巡りに行って来ますね。
嫌だわ、早くすり潰さないと。