手水舎

ダーリン・イン・ザ・フランキスの手水舎のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「果てた世界に芽生えた恋と人類救った番の英雄」

声を大にして言いたい。

これは駄作などではない。

ましてや途中失速なんかもっての他。

他の人のレビューやYouTube等での事前情報、先に観ていた知人とこのアニメの会話をしていなくて本当に良かった。

そのおかげで「ダーリン・イン・ザ・フランキス」というアニメと素の状態で接する事ができた。

キルラキルやグレンラガンの様な旧GAINAX
・TRIGGER色の強い作品とは違いかなりシリアスな内容と普通の子供達。個性が無くなったかのように思われるがこれがまたとんでもなく面白かったわ!!!!

まあ自分はダリフラの後にラガンとラキルを観たのだけれど。。それが一因なんですよね。偏見も事前知識がなかったからこそこの作品を好きになれた。やっぱり観る前にエゴサなんかするべきじゃない。


超新星、突如現れ儚く消えていった。全くマークしてなかったダークホース

人類は種としての繁栄を捨て、永遠の静寂・安寧を手に入れた中で唯一、生殖能力を残された少年少女達の物語。

何故人はそのような道を選んでしまったのか、またどうして彼らには残されたのか?

ディストピアとも言える世界で生まれた愛を自分は美しいと感じてしまった。

とにかく神秘的で神秘的で、世界の秘密が解き明かされる所はもう圧巻。

最終話を終えた瞬間、すさまじい喪失感だった。何も知らず戦わされていた彼らが今度は自らの意思をもって生活を始め、やがて数千年後に人類の文明が復活できたという。。

そして散っていった2人も何世紀も後の世界でかつての約束の木の下で、今度は満開の中で再会を果たせます。

時を越えた愛に弱いです。

「比翼の鳥は二つの翼を携え遥か大空へ旅立つ。」ゼロツーの絵本の伏線回収なのやばくないっすか。

メタいんですけど構成凄まじいです。。

勿論、他にも好きな作品たくさんありますがディストピア系ならこれが一番好きです。ちょっと言語化むずいな。


この作品の特徴って女の子が積極的なんですよね。まずゼロツーがヒロに影響を与えて、それに嫉妬しながらも公私混同を避けるイチゴ。そんな彼女が実は好意を寄せるイクノと世界の違和感を感じるココロ。そして表向きは騒がしいが傍観者役のミク。

そんな彼女達の若い揺れ動く不安定な感情を歌ったedとか圧巻です。それも彼女達が現代で学生として暮らしていたIFで描かれているのとかもう表現としてこの上ない。生々しいにも限度って物がある。美しい猛毒。


癖はかなり強いけど世界観と自分が共鳴すると驚くくらいに感情移入できると思います。

ティーンの繊細な心の揺らぎが行動に現れていく描写と不可解な大人達と世界の真実を解明していく過程を同時並行で進めて完璧に終わった作品は類をみません。余談ですが途中でゲボ吐きそうでした。。これらが一線を画すこの作品の魅力。

2週目トライが最も難しい作品の1つ。もう1回失恋しないといかなくなる。

かーなりレビューが難しい。自分の癖からこのアニメが好きだって言えば簡単なんですがそれは逃げだし、客観的ではない。
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