このレビューはネタバレを含みます
原作は中国産の恋愛シミュレーション系アプリゲーム。
制作が安心安定のMAPPAなので、イケメンアニメでは致命的な作画の崩れなどは少なかった。ギリギリ。
内容はまさかの異能力モノで、乙女ゲームらしくイケメンとの進展もあるのだが、後半は大きな陰謀が絡むシリアスな展開がメイン。死人もそこそこ出てる。
主人公の名前が女性向けアニメにありがちな「わたし」なんだけど、このわたしちゃんがしっかりと自立したキャラだったし、顔も可愛いのでむしろイケメン側の気持ちで観ていた。
この手の作品ではイケメン達がヒロインを巡って「俺にしとけよ」的な取り合いをするもんだと思うんだけど、なんとイケメン同士の関係性がまったくと言っていいほど皆無で、どのイケメンも自分だけがオマエを救えるってツラしてる。そのおかげかデート的な回では個人に集中できるからキャラの厚みが出ていますね。俺はゴチャゴチャしてる方が好きだけど。
キラはトップアイドルではあるものの、ポテチ姫なる珍妙なあだ名をつけてくる親しみやすさがあり、彼とメッセージのやりとりができる立場になった優越感は凄いことだろう。身体能力も高くてハッカーでもある盛りすぎなキャラだし、10話で判明した幼少期からの想いも熱いし、わたしちゃんに力を使った時は切なかった。
ハクは先輩属性と戦闘能力の高いEvolを持ち、「お前が風の中にいれば、いつでも見つけられる」などのセリフもほとんどかっこいい。一番好みかも。
シモンは落ち着いた品のあるキャラだったけど、ブラックスワンの重要人物で冷酷な二面性が露見した時には普通に哀しくてショックだった。
ゼンはやっぱりお前かと言いたくなるほどハマってる杉田智和。時間停止能力が高まりすぎて多くの世界線を見られるレベルに達してたけど、なんじゃそりゃって感じ。
最終話はイケメン達がそれぞれの道に進んでしまい、ゼン以外が遠く離れることになってしまったのは珍しい展開だと思った。
でも真のクイーンとやらが出てきたことで設定がさらに広がったので、根本的な解決はまだまだ先になりそうだし、続きはゲームでってオチなのだ。
まぁ中途半端になるのは観る前から分かっていたことだけど、ソシャゲ原作アニメってこういうところで損してるよな~と。