きゅうげん

呪術廻戦 第1期のきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

呪術廻戦 第1期(2020年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャンプを代表するバトル漫画のアニメ化。
墨描き風の「呪い」表現や圧巻の戦闘シーン、ストーリーラインのまとまりある丁寧な再構築など、様々なレベルで光るワザはさすがのMAPPAクオリティ。
とくに原作者がもっと深掘りしたかったと述べていた、吉野くん周りをしっかりフォローしてくれたのは◎。エグ味が爆上がりしてましたね。

ただとても残念なところも。
それは必殺技カットイン演出のなさ!
『呪術廻戦』の魅力のひとつは、しょぼい武器から激ヤバ大技まで厨二心くすぐるカッコイイ名前がつけられてる点です。「屠坐魔」とか「嵌合暗翳庭」とか「自閉円頓裹」とか、字面もいいし声に出して読みたい日本語ですよね。
技を出す時とか領域展開する時に、墨書きなんかで「ドンッ!」って見得きってくれると嬉しいんですけどね〜。
(正直、技名の趣向が特殊すぎるためにセリフだけだと何言ってるか分かんない時あった……)



……ところで近年のジャンプヒーローって、もう完全にH×Hの影響下にあると言っても過言じゃないっすね。ワンピースやナルト系の「友情・努力・勝利」を地でゆく典型的主人公は、もう陳腐すぎて描けないというか。
ダークでクールなバットマンが人気な一方で、王道ヒーローのスーパーマンが腫れ物あつかいなのと同じ構図といえるかも?

『呪術』も『ヒロアカ』も『鬼滅』も『チェンソーマン』も『ダンダダン』も、現実味ある社会問題の当事者で、それが主人公の性格の一側面として立ち上がる人物造形や、自らの超能力・異能力は必ずしも天賦の才というわけではなく、ある種のビジネスライクな関係にある設定要素など、その源流をたどるとH×Hのゴン&キルアがロールモデルな気がします。

また物語の世界観についても、オーソドックスな“少年漫画”であったワンピ・ナルトが別次元・異世界の、いうなれば「ハイ・ファンタジー」的世界観だったのに対して、H×Hとその影響下にあるといえる近年の諸作品は「ロー・ファンタジー」的に、リアルでシビアな社会システムのなかに設定され、なおかつそれを利用した展開になる傾向があるように思います。
あるいは、バトル漫画としての具体的な戦闘シーンについても、どの作品もとてもゲーム的な組み立てがなされていて、これもまたH×H的と言えるのでは。
(とくに『呪術廻戦』は以上のような要素の気が多く、個人的には良くも悪くも“ジェネリックH×H”という印象を持っています……)

とにもかくにも、第二期は渋谷事変ということで、緊張感ある緻密な内容かつ壮大なスケールの事態が2クール分ぐらい続くと思うと、ワクワクとドキドキがとまらないですね。
ちなみに推しキャラTOP3は、
①伏黒甚爾
②脹相
③花御
で別格本山に真希さんがいます。