よどるふ

怪 〜ayakashi〜のよどるふのネタバレレビュー・内容・結末

怪 〜ayakashi〜(2006年製作のアニメ)
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このレビューはネタバレを含みます

全11話が3パートに分かれているオムニバス作品。それぞれのパートが異なるシリーズディレクターと脚本家によって作られている。

『四谷怪談』(第1話〜第4話)
シリーズディレクター:今沢哲男、脚本:小中千昭。『東海道四谷怪談』の作者、鶴屋南北を語り手に据え、『四谷怪談』と観客の共犯関係によって、『四谷怪談』という“怪異”が“成る”という仕組み。面白かったが、『東海道四谷怪談』も歴史が長くさまざまな作品が作られているので、これがどれだけ新味のある脚本なのかは分からない。

『天守物語』(第5話〜第8話)
シリーズディレクター:永山耕三、脚本:坂元裕二。山口勝平さん、小野坂昌也さんが演じる2人組の妖怪キャラクターが良い味を出している。

『化猫』(第9話〜第11話)
シリーズディレクター:中村健治、脚本:横手美智子。ひぐらしの鳴き声が響く中、奇異なセリフの区切り方と、それに合わせたカットを割るタイミングがもたらす生理的な違和感が特徴的な冒頭。薬売りの男が持つ「形」、「真」、「理」の三様を示すことで抜ける“対魔の剣”という道具が物語の骨格をつくる構成。“天秤”による見えない怪異の視覚化。全体的にサイケデリックな色彩。どれをとっても個性的。このエピソードに登場する薬売りの男の活躍は、『モノノ怪』で引き続き描かれることになる。
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