ひらまさ

桜蘭高校ホスト部のひらまさのレビュー・感想・評価

桜蘭高校ホスト部(2006年製作のアニメ)
4.0
「私立桜蘭学院は1に家柄、2にお金 財あるものは暇を持つ」
そんな桜蘭学院の暇を持て余す美少年たちが、同じく暇を持て余す美少女たちをもてなし潤わす桜蘭学院独自の部活・ホスト部。
ひょんなことからホスト部部室の第3音楽室に迷い込んでしまった特待生・藤岡ハルヒは、これまたひょんなことから部室にある800万円の花瓶を割ってしまいます。
特待生として桜蘭学院に入学しているハルヒは、特別家が裕福なワケでもなくごく一般の人間。
ゆえに、『ホスト部で働き、借金を返す』ことを条件に強制的にホスト部へ入部させられます。
でも、庶民のハルヒに女生徒をもてなすホストなんて務まるのでしょうか?
常識もかけ離れているし、知識だってないし、それにハルヒは女の子なんですから。

という感じのこう…ひと昔前こういうのあったよねー!みたいな感じのアニメです。
1話の時点で部員全員にハルヒが女の子であることはバレるのですが、だからといってちやほや!モテモテ!みんな気がハルヒに向いちゃう!というわけでもなく、基本的に桜蘭ホスト部は部員全員の役割を『家族』に当て嵌めています。

環が父(一応原作でも最終的には環と結ばれるはずなのですが、恋愛対象ではなく父としてかわいいハルヒを守っています)
鏡夜が母、光・馨が兄弟、ハニー・モリ先輩達は1歩離れた視点から見ているような…お隣さんのような雰囲気でハルヒと接していきます。
なかなかこの距離感も見ていてほっとする良い塩梅になっています。

また、こちらのアニメの素晴らしいところはキャラクターデザインとキャスティングかなあと…
全体的に作画はめちゃくちゃ良いと思います。
また、エンディングロールにも原作の葉鳥ビスコ先生の描き下ろしイラストが使われていますが原作の先生のイラストは繊細な水彩のタッチ、漫画自体も線が細くて可憐な雰囲気があります。
一方アニメのほうは、シンプルなアニメ塗りに合うように落とし込まれています。
少しデフォルメが強くなっている雰囲気ですが、こちらもこちらで別の魅力を感じるデザインだな〜と強く感じます!

各話ギャグ回もあったり各キャラの過去回もあったりで、特に各キャラに焦点を当てている回はどれも演出が素晴らしい!
特に常陸院ブラザーズはハルヒに惹かれていく光と、そんな光を見てずっと一緒にいた人生から外れていくことを寂しく思う馨の対比が細やかな演出で綺麗に描かれています。

アニメ放映時は原作が完結していなかったようなので、完結した今のホスト部も見てみたいなあという気持ちもありつつ…
ついつい熱を込めて感想を書きなぐりましたが、全てを総括してとにかく面白いしキュンとくる描写もとても多いのでイチャコラしまくる少女漫画はちょっとなあ〜と思っている方にもオススメです!
是非にー!
ひらまさ

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