Yoshishun

イクシオン サーガ DTのYoshishunのレビュー・感想・評価

イクシオン サーガ DT(2012年製作のアニメ)
3.6
CAPCOM発のオンラインアクションRPGのアニメ化だが、ゲームの世界観だけ借りて最早原型を留めていない全く別物の作品。というのも、アニメ『銀魂』シリーズを手掛けてきた高松信司監督や構成の大和屋暁、キャラデザの竹内進二が携わり、キャストも銀魂メンバーがちょこちょこ出演し、原作にはないパロディネタ、お色気、下ネタのオンパレードで埋め尽くされているためだ。

さすがに『銀魂』程のギャグの切れ味も無ければ、本当にギャグ全開なので余韻も一切ない。放送当時もコンプライアンスが厳しかったろうにOPから下ネタ満載だが、やや空回りしている印象を受ける。特に◯玉ネタはさすがに引っ張り過ぎで、1話で終わるかと思いきや最終回でも持って行く始末。小学生が喜びそうなギャグだが、目が肥えた人であれば苦笑するしかない。また、イクシオン人の技術や2国間での戦争というシリアスパートもやたら専門用語多めながらも、本筋とはあまり関係がないのでギャグとのバランスの悪さが目立つ。

それでも原作とは別物としてやりたい放題やった上で、原作サイドとの合意のもとで行われているので好感は持てる。『セクシー田中さん』の件もあるので、ジャンルは違えどやはり原作者側との同意のなき改変は許されるべきではない。企画段階で「ただ映像化するだけでは視聴者の記憶に残らない」とされ、監督等の作家性を爆発させたギャグアニメとして製作したという。そんな本作は、原作改変ものの良い例ではないだろうか。

正直真面目に観るより、ながら観位が丁度いいとは思うが、気になった人はアマプラで視聴してみてほしい。



ちなみにDTは童貞の意味ではないです。
いや、本当に。
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