頭文字D Fourth Stageの23の情報・感想・評価

エピソード23
ACT.23 エンドレスバトル
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あらすじ
拓海と城島とのバトルは膠着が続いていた。通るたびにラインが変わるS2000の走りを見せつけられ拓海は混乱していた。6本目が終わったところの中断の間に拓海はS2000が先行の時は気持ち悪いくらいタイムが揃っていること、ハチロクが先行の時はバラつきがひどいことを知らされ驚く。7本目はハチロクが先行でスタート。やがて2台は左右の切り返しが10回以上も続く連続S字セクションへと近付く。
コメント2件
8823peメモ

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このコメントはネタバレを含みます

「おい、今ので何本目になるんだ?」「えーっと…ハチロク先行で始まってるから4、5…6本目」「まさか、ここまで膠着すると思ってなかったな」「ええ。こうなると、もうどんな決着のつき方なのか想像がつきませんね」 ★「この回もだ!ラインが通る度に違う!分からない、これがこの人のタイムを出しにいく時の走りなのか?これでレコードタイムが出るんならラインの意味が分からない!」 ★「やっぱり何か変だ。しっくりとこない。あの城島俊也が本気で逃げきれないなんてことがあるのか?何か裏がある気がしてならない」「裏って?」「もし、わざとハチロクを引っ張っているとしたら、あっと驚くような大どんでん返しの仕掛けが水面下で進行しているんじゃないのか?」 「〈まずいな、かなりきてる…〉フミヒロ、この6本目が終わったところでガソリン補給の中断を入れさせてもらおう」 ★「そうだ、フミヒロさん、ここまでの計測データ見たいんですけど。タイムにうんとばらつきがありませんか?あのS2000凄いムラっけのある走り方するんですよ」「おいおい、ばらつきの酷いのはお前の方だぞ」 「気持ち悪いぐらいタイムを揃えているだろ。まるでコンピューターみたいに正確なペース管理だぜ」「信じられない…ありえないっすよ!こんなの」 ★「ちょっと引っ張りすぎじゃないの、城ちゃん。楽しいのは分かるけどさ」「いやいや、楽しんでなんかないよ。これでも俺は必死にやっているんだ。相手がそれだけいいドライバーだってことだ」「けどなあ城ちゃん、10代の若者に俺たちみたいな中年が持久戦を挑んだらそりゃ分が悪いぜ」「分かってる。次あたりで終わらせるさ」 ★「トリックに騙されるな。向こうの狙いはラインの撹乱なんだ。お前が先行している時のタイムがバラバラでどんどんわるくなっていくのは敵の術中にハマりかけている証拠だ。相手のラインに惑わされずに自分のラインを信じていけ。次の7本目で展開がガラリと変わる。相手のペースに合わせてやることはない。お前のやり方で反撃してやれ。このコースの側溝と、路側帯が使えることはお前も気がついているはずだ。いいか藤原、そういうやり方しかこちらに勝機はない」BGM - ELDORADO ★「一見バラバラに見えるラインでも抑えるツボさえ抑えておけばタイムは揃えられる。ここは相手が走り込んでいるコースだからな」「できるのか…やっぱり」「ただし、そういうタイムは限界ギリギリのベストタイムじゃないことは確かだ」「え、それって…」「多分藤原も気がついたと思うが、相手はまだ全力じゃないということさ。さすがにゴッドアームの異名は伊達じゃない。城島俊也というドライバーは、どんなラインでも同じように速く走れてしまう能力を持っているんだろう。それでも、ベストタイムを出しにいく時の決めのラインというのが必ずあるはずだ。そのラインをまだ一度も藤原に見せていない。老獪というしかない」 「後ろに着いた時に相手の走りを吸収してしまう藤原の能力が今のところ裏目に出てるっわけか。ダミーのラインを何本も見せられてかなり混乱してるからな」「だが、7本目でバトルは動く。城島俊也は、後追いからの追い抜き決着を目論んでいる」 ★「冗談じゃない。こっちは目一杯だ走らされてるっていうのに、まだ全力疾走じゃなかったなんて!タイヤがもうやばい!今度という今度は勝てる気がしない…完全に相手の手の内で転がされている感じだ。俺、あれぐらいのオヤジの世代にトラウマがあるかも。何をとっても相手の方が一枚うわてだ。何をしたらいいのか全く分からない!」 ★「ここまでのタイムを見る限り、完全に城島さんのペースですね。プロジェクトDのハチロクはもうヘロヘロですよ」「向こうの方がタイヤのグリップの劣化が進んでるだろうなあ。ワンハンドステアはタイヤに優しいからな。だけどそれより…全開で走る城ちゃんを後ろから追っかけると誰でもリズムがおかしくなる。ある程度技術が完成している上級者ほどそうなる傾向が強いんだ。城ちゃんは意外とラインに無頓着に見える走りをするけど、実はそれも計算ずくで管理しているんだろう。確信犯的に相手のリズムを翻弄してくる。前を走りながら後ろの車をコントロールする術を身につけているとしか思えない。あの若いハチロクのドライバーが可哀想だよ。立て続けに3本もあの城ちゃんの走りを見せられちゃあたまったもんじゃない。城ちゃんの言った通り、この7本目でケリが着くんじゃないかな」 「このコースの前半部分には左右の切り返しが10回以上も続く連続S字コーナーセクションが存在する。膠着していたバトルが動くとしたら、そこだ。城島俊也が何かを仕掛けてくる」 「好ちゃんには冷やかされたが、ここまで長々と引っ張った意味は十分にあった。こうして後ろからハチロクの動きを見ていればそれがハッキリ分かる。今ならタイヤの差を利用してスマートにいける。あまり余裕はないな…こっちのタイヤもギリギリだ。だが、あくまでもスマートに勝つ。それが大人の勝ち方だ。連続S字の八つ目から九つ目、微妙にリズムが変わるポイントがある…さらにそのひとつ手前…そこだ!」BGM - CHEMICAL LOVE ★「ガッカリすることはないさ。決して君がヘタなわけじゃない。それどころか、ハチロクという車の能力を考えれば奇跡的な健闘だ。突質した才能であることも疑う余地はない。こんな体験もこれからの成長の糧にしてくれればいいんだ」 「敵ながら鮮やかな手際だったな。追い抜きに至るまでの流れを100%思い通りにコントロールしてきている。完全な予定調和の世界だ。その象徴があのワンハンドステアだとも言える。分かっていてもそれを崩すことができなかった…」 「クソォ、ダウンヒルじゃ勝てないのかよー!」「そうかな。他の奴が走ってんなら俺もそう思うさ。だがな、走ってんのは藤原だ。まだまだ何が起こるか分からねえよ」「啓介さん…」「〈…ていうか、負けてほしくねえ。お前を負かすのはこの俺だ。藤原!〉」 ★「城島俊也のテクニックはあまりにも洗練されているから藤原のような感覚派ドライバーには目の毒なんだ。無意識のうちにシンクロして強引に引っ張られてしまう。敵の術中に落ちてしまうことは初めから分かっていたことだ。だが、これで膠着した流れが変わる」「え、どういうことだ?涼介」「呪縛から解き放たれて藤原が自分のペースを取り戻せる。まだ何かが起こる。可能性はゼロじゃないということだ」 ★「タイヤが限界なのは藤原のハチロクだけじゃないさ。相手のS2000の方がわずかに重いからな。どれだけタイヤのマネージメントにかけていたとしても、物理的な限界はある。向こうのタイヤにも確実にその時はくる。条件は同じ。そうなってからの引き出しはむしろハチロクの方が多い。城島俊也のドライビングの特徴がワンハンドステアだとさっきも言ったが、片手だけでステアリング操作が完結するということはドライビングそのものが完全予定調和ということなんだ」「どういうことだ?」「誰でもパニックになれば両手でステアリングを操作する。つまり、絶対にそうならないという自信があるということだ。限界に近い走りをしながらも次に起こることが100%予測できていて、絶対に破綻しないという確信があってこそのワンハンドステアなんだろう。どうにかしてそれを崩さないとこのまま一方的に何もできずに負けるわけにはいかない。たとえ一時的でも両手でステアリングを握らせる状況を作り出せなければ突破口も作れない。ワンハンドステアを破綻させるということは、城島俊也の予定調和を破綻させるということでもあるんだ」 「ありえないぜ…何をしている」 「分かったぞ…それか!」 「消えた?まさか…!」BGM - ALL THAT I WANT 「なんて…ことだ」 「一瞬見失った…まさか、あれほど鋭いカッティングで飛び込んでくるとは…神がかりのドライビングだぜ。路肩の境目の突起を使うコーナリングだとは薄々勘づいてはいたが、もの凄いリスクと表裏一体の技術だ。ひとつでもタイミングを間違えれば一瞬にしてコントロールを失う。ギリギリまで車高されたこっちの車ではあれと同じことはできない。下回りのスカスカな旧車ならではのウルトラCだぜ」
氷頭

氷頭

啓介が拓海の勝利信じてるところマジいいよね、お前を負かすのは俺だって、ええなあ