都部

バカとテストと召喚獣にっ!の都部のレビュー・感想・評価

バカとテストと召喚獣にっ!(2011年製作のアニメ)
3.0
期待外れの出来だった一期と比較すると諸々の部分は改善されている印象で、13話という1期の前振りを前提としたキャラクターの掘り下げに位置するエピソードが度々挟まれているのは構成にメリハリが効いていて良い。また安価で粗悪なパロディによるギャグの補強も削られており、原作のギャグシーンを面白味そのままに映像化しているため、その勢いの良さから笑わされる場面が複数あった。

切り出された原作のエピソードの構成順に作劇上の有機的な効果を齎す工夫などは少なくとも私の目では見られなかったが、断続的な縦軸により諸々が次話に繋がる橋渡しがなされているのは一期からの進歩で、少なくとも見心地はそう悪くない。演出の過剰さは据え置きだが、インパクト重視のそれではなく小洒落た物に変化している節はあり、これらが原作の賑やかな雰囲気をアニメに起こす一因となっている。

全体的に1期から正当にバージョンアップされたアニメで、原作の文章ならではの魅力と比較すると数段落ちるものの、ギャグアニメとして楽してる水域は概ね満たしていると思います。


アニメについて語ることを語ったので、ここからは本作でいっとう好きな吉井玲の魅力についての話なのですが、実の姉に位置するヒロインって素敵ですよね。吉井玲の特徴として弟:明久に対する肉欲的なシスコンさがあり、姉という立ち位置を傘に着て接吻をしようとする下りとか超エッチで最高。これ実の姉だから良いんですよね。自分の魅力的な身体的特徴に自覚的で、本来は恋愛や性愛を伴わない相手である肉親にそれを用いてアプローチするという姉としての顔と女としての顔が同時に成立する欲望の発露はインモラルで素晴らしい。そうしたオープンな欲望がおいおい……的なギャグとして流されることで、逆にその生々しさが純化されてその行為のいやらしさだけが際立っているのもGood。肉親というある程度無条件で自分を愛する存在に対する安心感とその関係性を超えて異性としての関係性が構築される退廃的な関係性のダブルパンチは他人にはなし得ない領域であり、オマケに景気よく肉親である弟の前で肌を晒すという心理的な距離の近さがよいですね。あとおっぱいが大きいのもいいですね。姉といえばおっぱいなので。また吉井玲は登場人物達とは明確に年の離れた『大人』の立場に居るからこそ、対比的に不器用な優しさやマイペースな振る舞いにサブヒロインとしての良い意味で年齢とは不相応な可愛気が見出される部分が大きく、だから魅力気に映るのではないかなと思っています。
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