∀ガンダムの27の情報・感想・評価

エピソード27
夜中の夜明け
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あらすじ
ディアナに再会したハリーは、ロランと共に麦刈りをして、ムーンレィスにとっても地球が故郷なのだと実感する。ハリーの理解を得たディアナは、月へ戻る理由(ザックトレーガーを使った者を処罰するため)をロランに明かして、ディアナ・カウンターに帰投していった。 ゼノア隊は、可変モビルスーツ“ムットゥー”を見つけ出し、更に発掘を続ける。 戦争の真実を撮っておく決意したフランは、戦争の最中に結婚を考えるソシエを写す。 そのソシエにプロポーズしたギャバンは、スエサイド隊を率いてクレーター状になった原子野に来ており、訳ありの坑道をみつけた。 草木もない地形が核爆弾の惨状だと知らないギャバンは、近くで発掘中のゼノア隊と接触。ゼノア隊は新たに奇妙なカプセル(核爆弾)も見つけ、鉢合わせしたギャバンたちとカプセルを巡って戦闘を開始してしまいそうになるが、ゼノアの説得で一時休戦となった。 一方、ウィルゲムに戻ったロランは、ギャバン隊が、禁忌の場所“ロスト・マウンテン”に入り込み、月の部隊と接触したと知り、ソシエと向かった。 同じ頃、ハリーの導きで戻ったディアナは、身代わりをつとめたキエルと再会し、ハリーを大尉に昇進させる。そしてキエルに、月と地球の区別がない新しい国を作り、女王になって欲しいと頼む。月を任せたアグリッパが月と地球の戦争を誘導していたと考え、これを止めるために月へ向かうつもりだからだ。 ディアナの計画を聞いていたロランは、戦う必要はなくなったとギャバンやゼノアに訴える。発見した8基の核爆弾によって共倒れになる危険を察知したゼノアもロランに同意して、援軍に来たレット隊のキャンサーたちにも撤退を命じた。 何も知らないギャバン達は、核爆弾を秘密兵器と勘違いして持ち返る。手柄を焦るレット隊は、作動し始めた核爆弾を抱えていたギャバン機に攻撃を仕掛けて、足止めしてしまう。 ロランはみんなに避難を呼びかけるが、核爆弾はギャバンを巻き込んで大爆発を引き起こした。 その閃光は一瞬にして昼間のように当たり一帯を照らす。この光を地上で目撃したシド、フィル、ハリー、ディアナとキエルは戦慄を覚えるのだった。
コメント5件
夏藤涼太

夏藤涼太

このコメントはネタバレを含みます

ここしばらく割とのんきな展開が続いていて、それは安心して楽しめると同時に、ストーリーが停滞しているとも言えたのだが…3クール目始動の今話にして、一気に話が加速。 富野由悠季作品といえば(というよりはこの世代のクリエイターあるあるかもしれないが)反核描写が目立つ作品が多い。 しかし、今回のターンエーガンダム「夜中の夜明け」における核をめぐる一連のストーリーと描写は、全富野作品の中でも一番ゾッとしたし、核の恐ろしさを感じたし…なんなら涙さえ浮かんだ。 凄いのは、ちゃんと子供向けの、しかも反戦映画とかでもない、ロボットアニメとして楽しめるラインを守りながら――つまり、人体欠損描写も死の雨や放射線被害も描かずに――その恐ろしさを描いているところだ。 絵コンテから担当した富野由悠季は、それをどうやって可能にしたか? まず1つ目は、登場人物達の核のリテラシーを、以下のようにバラバラに設定したことだ。 ①核兵器をただの爆弾だと思っているギャバンたち(核兵器が忘れ去れた時代の)地球軍 ②核兵器がド級の兵器であることは知っていても放射能の恐ろしさを真に理解はしていないポゥやレット隊らムーンレィス軍 ③ゼノアら技術職・科学者(下層民だが宇宙線や放射線を浴びる環境に居住していたが故に核の恐ろしさを知っていた主人公ロランもここに属する) 言うまでもなく、③は、修学旅行で「原爆資料館」を訪れたり、『はだしのゲン』を教育の一環で見させられた我々日本人視聴者である。 ①や②のリテラシーの低い奴らが争っているのを見て、③の主人公(=視聴者)はとんでもない恐怖を覚えるに違いない。 (もちろんエンタメ的にもいわゆる「観客上位」のテクニックが使われていてめちゃくちゃハラハラする一級のサスペンスに仕上がっている) ②は、言うなれば、日本以外の核保有国だろう。 日本人なら一度は、核兵器を決戦兵器としてホイホイ使って、特に被爆や放射線被害のないハリウッド映画を見てモヤっとしたことがあるはず。それはまさに、③のロランやゼノアと同じ視点だ。 しかし、生々しい戦争映画や作品は、今の疲れた日本人は見たがらないと、資本主義に支配されたテレビ局は近年めっきり流さなくなってしまったし…『はだしのゲン』なんて、今先生が子供に見せたものならクレームの嵐だろう。 であるなら、この先…特に戦中世代が全滅した後の近い将来の日本人は、①に該当する恐れは十分にある。 (ちなみに実際には「④核兵器の威力や恐ろしさを身をもって知っている層」というカテゴライズがあり、これは主に日本の被爆者やその関係者が該当するが、月にも地球にもこの世代は存在しないことになっている) またもちろん、この「(リテラシーの違うもの同士が)わかりあえずに悲劇が起こる」というのは、ニュータイプ論描くようになってからの富野ガンダムのずっと連綿と描かれ続けているテーマでもある。 そして2つ目のテクニックは、なんといっても、ギャバンの圧倒的な「無駄死にっぷり」だろう。 ガンダムでは特攻はそこそこ描かれつつも、それでも富野由悠季(あるいは動機の宮崎駿)より少し上の世代である宇宙戦艦ヤマトや松本零士作品のようなロマン主義者の作品と比べると、特攻賛美描写は極めて薄く、特に後年の『Vガンダム』では「特攻=無駄死に」という図式の展開が非常に多かった。 ギャバンは核の知識を持っていなかったのだから、あのような行動を取ってしまったのも仕方ないと言えるし、味方の、かっこいい、重要キャラクターである。 仮にここで(核=黒歴史の恐ろしさを見せるために)彼を死なせるにしても、普通は、ソシエを守って死ぬはずだ。 しかし富野由悠季はそんな展開は描かず、何の活躍もせず、それどころか、最後の描写も死体すら描かれず、一人で孤独に死んでしまう。 そうすることで、核の恐ろしさと虚しさ、そしてそれを用いる人類の愚かさをスマートに描いて見せた。 エンタメとしての面白さや感動要素を削る(=人気取りの商売に抗う)ことになったとしても「書かなくては書かないこと」を描くのが、富野由悠季の素晴らしいところだ。 そもそもこの時点ではターンエーガンダムのテーマである「黒歴史」とは核戦争のことであったはずで(月光蝶は跡づけなので)…今回のエピソードはまさにターンエーガンダムのテーマや本質と直結した回であった。 そして最後に、サブタイトルにもなっている名言「夜中の夜明けなど、あってはならない歪みです…」で〆るんだから…もうたまりませんわ。 後半戦、ここからいっそう楽しみ。
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ニカイドウ

ニカイドウ

ザックトレーガーを使うと言って、ディアナはソレイユに帰る。ソレなに? そして、ロストマウンテンで発掘作業をしていたディアナカウンターがギャバンのスエサイド部隊と鉢合わせ。けど、発掘していたものは核弾頭で… 核弾頭を掴むギャバンのザクを月の民の末裔達が襲う。その恐ろしさを知っているのはムーンレイスだけというかなり緊迫した状況に∀も参戦。 そして…核が… 愚かしさと虚しさだけが残る…
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KEiGO

KEiGO

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このタイミングで核を描くのかターンエーは…!!!
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シャスイ

シャスイ

∀の放射線感知アラームが怖い。
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PANDADA

PANDADA

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ディアナはハリー、ロランと麦を刈入れながら、とりあえずはソレイユに戻る事を伝えます。 ハリーのスモー・ゴールドタイプで離脱していきます。 ミリシャもディアナ・カウンター(今後はDCと略しますね)も遺跡発掘で戦力を増やそうとしてます。 DCの方はどうやら核兵器を掘り当ててしまったそうです。シド曰く彼らが彫ってるのは「ロスト・マウンテン)と言われる、山師なら絶対に近づかない山とのこと。 ゼノアはスエサイド部隊、DC両軍に撤収するよう伝えますが。 ゼノア隊支援に向かっていたのはレット隊だったのがまた問題で。 DCの中でも一番好戦的かつ核の脅威について一番無知な部隊ですから、そのままスエサイド部隊と戦闘に。 ギャバン達はゼノア隊から核兵器をそのまま奪って離脱しようとして、レット隊と激しく戦闘。 ロラン達のギャロップ隊も現場なら急行。ロランはガンダムで出るので、艦長代理はソシエ。 これが結構、ばっちりハマってます。 ディアナは無事、ソレイユに戻れてキエルと再会、彼女の苦労を労います。キエルはディアナとして過ごすためにディアナの色んな記録を見たみたいで、ディアナに 「長寿である事がめでたいことではないと思い至りました」 と伝えます。 ディアナはコールドスリープを繰り返しながら、寿命を伸ばしていたみたいですね。UCのサイアム・ビストが使っていた技術のもっと進化したやつかな。 発掘現場の戦闘はかなり激しいです。 レット隊はボルジャーノンのことを「ザク」呼ばわりしてますね。正式名を知ってるのはさすが。 そして、そのうちザク1機のエンジンに直撃あって、核融合炉が爆発。 ∀ガンダム初めての核爆発ですね。 正直、今まであれだけ戦闘があったのに、エンジン直撃がなかったのが奇跡でした。 初めて核爆発にみんなびっくりしてます。 でも、核兵器を持ったまま、亀裂にはまり込んで動けないギャバン機にムロンのフラットが襲いかかります。 え、素手での高振動の攻撃。 恐ろしすぎです。 手の中の核がいつ爆発するか。 ロランが到着し、現状を把握、みんなを撤収させます。キャンサー機が仕掛けてきますが、これも軽くいなします。ギャロップ隊、ギャバン以外のスエサイド部隊、ゼノア隊は撤収開始。レット隊もキャンサーを回収してそのまま撤収。 ギャバンを助けに行くゆとりがないまま、ついに核爆弾が爆発。夜中の戦闘が一気に明るくなります。ギャロップは宇宙世紀時代、たぶん南極条約締結以前から建造されてたのか、放射能に対しては自動防御システムあるっぽいですね。 ミリシャ、DC両軍ともに核兵器による「夜中の夜明け」を経験し、再び空が暗くなって今回は終了。 戦闘は少しずつ激しく、そして、救いようなくなってきてます。
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