賽洞宗本山へ出向いた浄徳の代わりに檀家周りをしていた逸剛と千歳。彼らは賽洞宗の末寺「考招寺」で修行をしているという美少女・上野一希と出会う。翌早朝、檀家の旅館から御護摩のために大黒様を引き取って欲しいと依頼があり、しかたなく1人で出向く逸剛。そんな彼の前に再び一希が現れ、彼を誘惑し始める。
逸剛たちの通う東統泉高校では入学式が行われていた。その中には陽と、逸剛の持つ「賽禅上人の力」を煩悩で悪覚醒させようとしている一希の姿もあった。式が順調に進んでいたかと思われたとき、初代生徒会長の霊こと「初代さん」が乱入し、式を無茶苦茶にしてしまう。浄徳によって、初代生徒会長は封印されるが…。
深夜の学校で一希に成仏させられる幽霊の柳。彼は成仏させられたときの快感が忘れられず、プレゼントを携えて一希に告白するも、瞬殺で撃沈されてしまう。そこで柳は、一希が夢中になっている逸剛に体育祭での対決を申し出る。一方、一希も逸剛の悪覚醒の邪魔になる千歳に、逸剛を賭けた体育祭での勝負を仕掛けてきた!
「ハニワ研究部」という廃部寸前の文科系クラブに入部した陽は、無理矢理一緒に入部させた逸剛、それに付き合う千歳、一希、さらに陽の姉・さくらを加え、古墳発掘に出かける。古墳発掘に乗じて逸剛に色仕掛けをする一希だが、男子生徒たちに邪魔され上手く行かない。怒りに我を忘れた一希は、祠を破壊してしまい…。
古墳の発掘現場で、不安定なまま「地獄道菩薩」の力を発動した陽。浄徳は陽に正しく六道の受明灌頂を修めさせるために、不安定な力を持つ逸剛と陽の2人を、賽洞宗門下である賽澄寺の住職・京の元へと向かわせる。その晩、「地獄菩薩本願経」の行を行なうと2人に告げた京は、逸剛の陰の力を解き放とうとする。
京の元で修行を続けていた逸剛と陽。2人は京から最後の行として、賽澄寺の御本尊が納められている壇陀窟という祠での読経を命じられる。そこは無縁仏があって強い陰の霊力が澱む、言わば地獄に近い場所で、陰の力を克服せずには生還できない難所であった。2人は、次々と襲いかかる悪霊たちに追い詰められていき…。
食材の買い出しに出かけた逸剛、雛美、結子。その帰り道、雛美がサカりのついた犬たちに追いかけられてしまう。「畜生道菩薩」の霊力が不安定な雛美は、毎年春先になると雄の動物たちを発情させる波動を出してしまうのだ。寺へ犬たちを近付けないように見張りに立つ逸剛たち。一方、一希は賽円寺の混乱を利用して…。
結子と番長連合の決闘に巻き込まれて負傷した逸剛。彼の見舞いに訪れた結子は、そこで進と出会う。進は母親が見舞いに来ないから「手術を受けない」と駄々をこねていた。母親が必死に働く母子家庭の境遇を自分の境遇と重ねた結子は、進に「アタシが美味しい料理を作って来たら手術を受けろ」と言ってしまい…。
逸剛たちは、寺の前に置き去りにされていた赤ちゃんを見つける。泣き止まない赤ちゃんに手を焼く逸剛たち。「子供は嫌い」と言っていた春佳だが、いつの間にか赤ちゃんに対して母親のように接し始める。その頃、賽澄寺を訪れた浄徳に、京は「天道菩薩」の巨大な霊力を持って生まれた妹・春佳に対する思いを語っていた…。
自分たちの作戦が実を結ばないことにイラ立ちを憶えていた一希。計画が失敗する原因が、千歳たち賽円寺の尼僧見習いに邪魔されているからだと考えた一希は、右京と左近に命じて千歳を逸剛から引き離す作戦を実行する。そして、1人になった逸剛を廃屋となったホテルに呼び出した一希は、彼を覚醒させようとするが…。
東京タワーに現れたユーレイ博士と名乗る怪人物は、膨大な数の西洋幽霊を解き放ち、日本の学会に対する復讐を宣言する。事態を収拾するため、千歳たちは現場へと向かう。不安定な逸剛の賽禅上人の力を使わずに戦おうとする千歳たちだが、結局一希の策略により逸剛の力はこれまでにない程の大きさで発動してしまい…。
逸剛と山間の旅館へやって来た一希は、幼い頃、強い霊力のために幽閉されていた過去を語り、自分と似た境遇の逸剛に対して嫉妬と恋慕の情を募らせていたことを告白する。言葉を無くす逸剛に迫る一希。そしてついに逸剛の持つ賽禅上人の陰の霊力が解放されてしまう。果たして、千歳たちは逸剛を止めることができるのか!?