遊戯王の通算第7シリーズ目。
本作から制作会社がぎゃろっぷからブリッジに、放送期間も3年間から2年間に変更された。
長期コンテンツとして、過去シリーズを踏襲したところ、差別化を図ったところが明確にある作品。
主要人物が初の小学生。ZEXALよりもさらにコミカルな描写が多め。ナチュラルに突拍子の無い展開があってもすんなりと受け入れられるのは、これまで積み重ねてきた土壌があるからこそ。宇宙に飛び出しても不思議じゃない。
主人公ながら過去シリーズと比較しても敗北が多い遊我。一見、魅力を削ぎかねない要素だが、ラッシュデュエルの創始者がそうした立場なのは、誰もが主役・王になれる証明でもある。
また、ルークがライバルと親友を兼ねたW主人公の体制も面白い。勝っても負けてもまた次に戰えばいい。
複雑化し過ぎたデュエルを再び子供の手に戻す。
短期決戦のラッシュデュエルの特性を活かした、ARC-VやVRAINSではあまりなかったデュエル有りでいて1話完結型を実現。テンポを損ねない構成。そのおかげで主要キャラ以外のデュエル回数も確保できているのが本作の強み。
一見子供向けと思わせて、サブタイトルやセリフに大人にしか通じないであろうさりげない小ネタが織り交ぜられているのも楽しめる要因の1つ。あくまで主役は子供だが、大人なりの苦労も描かれる。
映像面では、過去シリーズよりも線の数が少ない動かすのに持ってこいなデザインだが、アニメ全体で見て突出した作画はあまりなかったのは残念。
キャラデザインを務めた只野和子氏や松下浩美氏の作監回が特に見応えアリ。
一部の社外スタッフには過去シリーズに参加経験のある面々も。
終盤は、かつての放送休止が絡んでのことなのか、やや駆け足気味の展開だったのがもったいないところ。
それでも最終話は2年間の重みを感じさせつつ、納得のいくものだった。
お気に入り話数：14、23、40、56、65、77、86
同制作スタッフの次回作も期待大。
