都部

デート・ア・ライブIIの都部のレビュー・感想・評価

デート・ア・ライブII(2014年製作のアニメ)
3.3
前期の四名のヒロインズに風待姉妹/誘宵美九そして十香の反転化を全十話で処理するタイトな構成はスピーディさがある一方で、本シリーズのアニメ作品としての弱みである戦闘の単調さにより拍車を掛けている。

物語終盤の反転十香の作劇はあくまで戦闘描写が主軸であるから薄味に感じられるようであるし、事実上の洗脳を手段として用いる対 美九の孤立無援の状況による狂三とのコンビの活劇が進行として面白かっただけに、そこからの出たとこ勝負で勢い任せな流れはやはり歯切れの悪さを感じざるを得ない。全体的に一期から応用を効かせた展開に終始しているのは、どうしても対立→デート→キスによる封印とマンネリに陥る構図に飽きが来ないように趣向が凝らされているためで、実際その試みは上手くいっているように感じる。

八舞耶倶矢──双子の片割れであっさり破綻することに可愛げが有るような厨二病的な性格を売りとしたキャラクターだが、夕弦と比較するとキャラは薄い印象があり、あくまで本作では二人で一人としてのヒロインの域を出ていないように感じる。

八舞夕弦──喋り出しの度にその感情を二字熟語で前置くクーデレ系と書くとシンプルだが、アニメ化により声帯が付くことで真価が発揮される造形のキャラクターなのは事実で実際それ以前のキャラクターにはない可愛さの立ち位置を確保している印象。時折、漏れ出る子供のような感情表現も良いアクセントになっている。

誘宵美九──地に足着いた嫌な女で良かったので、デレたあとはあっさり改心は勿体無い気もする。彼女の背景の後ろ暗さは現状のヒロインの中では随一で、立ち振る舞いの苛烈さに見合った造形が目立つ。10年代ライトノベルによくある百合っ娘の立ち位置を象徴するようなキャラクターであり、それはそれとして特別な貴方(男)が好きという立ち位置は時代を感じさせられる。
都部

都部