誰もがちょっとした“チカラ”を持つことができる街“風音市”。真と妹のひなたは再びこの街に戻ってきて、風音学園に通っている。ある日、忘れ物に気づいた真は学園へ戻ることに。西日が教室内を照らす頃、教室の窓からハーモニカの音色が流れてきた。夕日に照らされた屋上へ行くと、そこには一人の女の子が居た…。
屋上でハーモニカを吹いていたのは子供の頃に離れ離れになった幼馴染みの鳴風みなもだった。翌日、学園のカフェテリアで昼食を共にする真たち。みなものお父さんにも挨拶がしたいということで、学園の帰りにみなもの家に寄ることになった真とひなた。みなもは真たちのお母さんが行方不明になっていることを聞かされて…。
真は下校途中に不思議な感じの少女と出会った。翌日、霞の良く行く雑貨屋へみんなで行ったのだが、その雑貨屋『九月堂』を一人で切り盛りしているのはあの不思議な少女、月代彩だった。その後、彩と共に喫茶店『one day』へ行くこととなったが、真がその店内に入ると同時にクラッカーの音が鳴り響き…。
みなもと歴史学者であるみなものお父さんの秋人と共に食事をする真とひなた。真は秋人から、今もこの風音市のことを調べていると聞かされた。翌日の昼休み、みなもが作ってくれた弁当を見て真は愕然とする。みなもの作った弁当は人間が食べられるものではなかった。その日の学校からの帰り道で真は再び彩と会うが…。
雨降りの放課後、望を喫茶店『one day』まで送ることになった真。その途中、突然望が胸を抑えて苦しみ出した。望の心臓は生まれつき弱く、時々発作を起こすことを知った真。しかし翌日、学園の合同体育祭で望は真に元気な姿を見せてくれる。競技中にふと、彩の姿を見かけた真は思わず後を追うが…。
わかばとひなたの誕生日が同じ日であった。二人の誕生パーティーを喫茶店『one day』で開くことにした真と望。二人のプレゼントを買いに行くのを望につき合ってもらった真。楽しそうに歩く二人を偶然見てしまったみなもは、パーティーの席でも硬い笑顔のままだった。その後、みなもは少し積極的な行動に出るが…。
真たちは海にやって来た。その夜、一人浜辺でハーモニカを吹くみなも。その音色に誘われて真がやって来た。良い感じで星空を見上げる二人。真が来年もみんなで来ようと言うが、みなもは“みんな”という部分に顔を曇らせる。ふと、みなもの誕生日が昨日だったことを思い出した真は、みなもに欲しい物があるか尋ねて…。
みなもは夏祭りへ行こうと真を誘う。先日のキスのこともあり、浴衣姿のみなもにドキドキしてしまう真だった。二人は会場で偶然彩と出会う。一通り見て回った後、二人に見てもらいたいものがあると言う彩に導かれ、森に囲まれた場所へと来た真とみなも。真っ暗の草むらでみなもが“チカラ”を使って優しく風を起こすと…。
ひなたが旅行に行ったので、夕飯を『one day』ですませることにした真。そこで真は望から最近わかばがストーカーにあっているかもしれないという相談を受けた。そう言うことならと望とわかばを送っていく真。その帰り道、望は店に忘れ物をしたことに気づき、慌てて戻る。そんな望を笑って見送る真とわかばだが…。
真にわかばが月代彩に襲われたと言う電話がかかってきた。幸いにもわかばの傷は軽傷だった。明るく振る舞うわかばと対照的に、厳しい表情の望。真相を確かめるべく、九月堂へと向かう真。そこに彩はいた。だが、真の問いかけに彩は一切応えない。代わりに応えたのは秋人だった。秋人の口から語られる十年前の真実とは…。
真は彩が居る風音神杜への石段をのぼっていた。友達だから助けたいという真の思いを彩は拒絶する。それでも諦めない真に彩は自分の記憶の一部を見せる。千年前、彩はこの土地の神社の巫女であった。兄の風音とこの土地に住んでいた。一見、平和そうに見えたこの土地だが、その裏ではある儀式が行われていたのだった…。
十数年前、彩は風音市の歴史を調べている秋人や琴葉たちと会っていた。そして、次に会う時は琴葉を同化体として選んでいた。刀を向けられても笑顔を見せる琴葉。この街のチカラが近い将来消えることを予言し、その命を絶たれた。目覚めた真の前には彩がいた。そして真に彩は自らの役目が終わったことを告げた…。