高校生の元宮あかねは、友達の森村天真、流山詩紋との登校中に古井戸に引き込まれ、平安時代のような異世界・京に辿り着く。鬼の一族に狙われ、破滅の危機に瀕している京を救えるのは「龍神の神子」であるあかねだけ。源頼久、橘友雅はあかねを探すが、不安に怯えるあかねを慰めたのは、鬼の首領・アクラムだった。
「龍神の神子」のあかねを守るために、頼久や詩紋を始めとする8人の男達「八葉」がいずれ集うという。しかし、あかねは行方不明の友達・天真を探す事を優先。そんな中、あかねは京を滅ぼすためにあかねの力を利用しようとしているアクラムと再会する。一方、天真は鍛冶師見習いのイノリと意気投合していた。
自分が「龍神の神子」であることを受け入れられずに苦悩し、とうとう倒れてしまったあかね。高熱で苦しむ中、あかねは怨霊を退治している陰陽師の安倍泰明と出会う。そして、心惹かれていた鬼の首領・アクラムの冷酷な一面を知り、あかねの心は揺れ動く。
あかねは、友雅に連れられ「花鎮めの祭」へ行く。穢れを吸った桜を浄化しなくては、花びらと共に災いが都に舞い散ってしまうらしい。八葉の泰明と共に浄化の儀式に臨むが、僧が何者かに襲われ、儀式は妨害される。それがアクラムの仕業だと知り、衝撃を受けるあかね。そして、ついに桜の花びらが散り始めてしまう!
アクラムへの想いを捨てようと葛藤するあかね。心が揺れ動く中、あかねは京で生活出来ているのも天真たちが一緒にいてくれるおかげだと告げる。それを聞いた天真も、妹の蘭が行方不明になった時あかねに救われた事を明かす。今まで心の内を明かさなかった頼久の気持ちにも触れ、あかねは神子としての自覚を持ち始める。
治部少丞・藤原鷹通は、宴に招かれた踊り手が身分を偽って貴族に取り入っている事に気付き、その目的について疑問を抱く。一方、あかねは宴に向かう途中で道に迷い、通りかかった鷹通に助けられる。ところが友雅は、神子が出かけるとは聞いていなかった。その頃、あかねは内裏で鬼の一族のシリンに襲われていた。
大文字山に怨霊が現れると聞いた頼久は、山に棲む羽の生えた化け物「ぬえ」を退治しようと悪戦苦闘していた少年の頃のことを思い出す。ぬえには日々負かされていたが、頼久にとっては兄以外で初めて親しくなった存在だった。しかし、大文字山の怨霊は、そのぬえだった。しかも、ぬえはあかねをさらって行き……。
八葉のうち、これまでに集まったのは、頼久・天真・詩紋・泰明・鷹通の5人。京を救うためには一刻も早く全員が揃わなくてはいけない。そんな中、あかねは鍛冶見習いの少年・イノリと出会う。姉と2人で暮らしていると言うイノリは、詩紋の外見から彼を鬼だと思いこみ、怒りをぶつける。そこへ突然シリンが現れて……。
東寺で、珍しい琴を弾いた僧が突然亡くなるという事件が起きる。その琴は普通よりも弦が1本多い「八絃琴」で、泰明によると人を呪い殺すための道具だという。八絃琴を見に行く一行だが、その音色を聞いたあかねは倒れ、深く永い眠りについてしまう。全ては鬼の一族・セフルがあかねと八葉を狙って仕組んだことだった。
深い眠りについてしまったあかねを目覚めさせるには、誰かが命を捨てて八絃琴を弾かなくてはいけない。命と引き換えに、必ずあかねを目覚めさせられるのは、水の属性を持つ坎の八葉のみ。それは出家した皇子・永泉だった。あかねへの想いを静かにつのらせていた永泉は、命を捨てる覚悟で八絃琴を弾く!
京に「龍神の神子」の名を語る女が現れる。その噂を聞いたあかねは、自分の他にも龍神の神子がいるなら会いたいと思い、イノリ達と共に女を探す。そうして見つけ出したのは、触れられないはずの穢(けが)れを自在に操る女。それはなんと現代で行方不明になっていた天真の妹・蘭だった。そこへイクティダールが現れて……。
蘭に呪いをかけられたあかねは、明晩までの命になってしまう。この呪いを解くために、泰明が立ち上がる。友雅は、泰明に呪いを解かれると知りながら何故あかねに呪いをかけたのかと考え、更なる企みの存在を感じる。そんな中、鬼の一族の首領・アクラムが現れ、天真に対し、あかねと引き替えるならば蘭を返すと告げる!
アクラムの要求に応じたあかねは、鬼が用意した異空間へ自ら向かう。友雅と、八葉の頼久・天真・泰明・永泉・詩紋・イノリ・鷹通は、あかねを取り戻すために異空間へと向かう。一方、異空間で蘭を探していたあかねは、京を滅ぼすために白龍を召喚するようアクラムに迫られる。しかし、そこに八葉が駆けつけて……。
あかねと蘭は無事に鬼の元から帰ってきたが、京を守る四神は未だに鬼の手にある。本来龍神にしか抑えられない四神だが、霊力を秘めた4枚の「四方の札」を使えば人の手で動かせるという。京のどこかに隠された四方の札を探すため、立ち上がる八葉。そんな中、あかねの元には危険な影が迫っていた!
「四方の札」は、天と地の2人の八葉が力を合わせなければ見つからない。しかし、南の札を探す天と地の朱雀・イノリと詩紋の仲は上手くいっていなかった。そんな中、詩紋は鬼の一族の少年・セフルに出会い、仲を深める。一方、子供が怨霊に襲われたという知らせを聞き、現場に駆けつけたイノリが見たものは……。
ある夜、天と地の青龍である天真と頼久が同じ夢を見る。それは、頼久の亡くなった兄が「東へ行け」と告げる夢だった。それが何を示しているのか見当も付かない一同だが、頼久だけは心当たりがあるという。頼久に連れられ、霧に包まれた無人の街に向かうあかねと天真。3人は街の探索を始めるのだが……。
頼久と天真が東の札を手に入れ、他の八葉には徐々に焦りが生まれる。特に鷹通は、手がかりすらない事に危機感を抱いていた。そんな中、札に関する情報を聞いた鷹通は、探しに行こうと友雅に持ちかけるが、友雅は女の話ばかりして取り合わない。苛立った鷹通は1人で探しに行くが、それは鬼の一族・シリンの罠だった!
あかね達は、あかねにそっくりな茜姫という女の子に出会う。茜姫は、父親が亡くなって以来、親戚に財産や住む場所を奪われ、恵まれない暮らしをしているという。また、名門の「四位の侍従」とは相思相愛の仲だが、身分が違いから周囲の反対を受けている。そんな中、茜姫はある坊主の元へ嫁ぐことを決めてしまい……。
京の各所に呪詛をかけ、更なる災いを起こそうとする鬼の一族。そんな中、イクティダールはあかねと直接話したいと申し込んでくる。一方、右大臣は永泉に接触する。あかねを権力争いの道具にしようとしている右大臣に、永泉は何も話すまいとするが、逆に永泉のあかねへの思いを見透かされてしまう。
シリンによって、鷹通の亡くなった母親の霊魂が捕らえられた。四方の札を渡さなければ、母の霊魂は醜い怨霊となると言うシリン。周りを心配させまいとこの事を隠していた鷹通だが、思い立って友雅とあかねに打ち明ける。そんな中、母親の霊は、鷹通の側にいたいため、札を鬼に渡して欲しいと頼み込むのだが……。
鬼がかけた呪詛のせいで、京では日照りが続いていた。呪詛を解かなければならないが、その場所が全く分からないあかね達。その時、イノリはイクティダールにあかねとの会談を申し込まれたことを思い出すが、応じようとしない。イノリが頑ななのは、姉のセリがイクティダールと恋に落ちているからだった。
蘭が鬼の一族から解放され、あかね達と暮らすようになってから、しばらく経った。記憶をなくしている蘭は、今まで自分が何をしていたのか知りたがるが、天真は何も伝えない。しかし、蘭は自分が鬼の手先として動いてきたことを思い出してしまう。その頃、アクラムは神子を手に入れるために動き出していた。
蘭と3枚の札をアクラムに奪われてしまったあかね達。奪われた札を取り戻し、残る「北の札」を見つけなければいけない。しかし、それを探すべき泰明は姿を消してしまう。自分に何か足りないものがあるから札を見つけられないのだと葛藤していた泰明は、探しにやって来たあかねと2人で、大切なものを見つけ出そうとする。
アクラムの居場所をイクティダールから聞き出そうとするイノリ。そんな中、八葉は北の札で鬼の一族をおびき出し、四神を解放する作戦に出る。安全な藤姫の館にあかねを残し、八葉はそれぞれの想いを胸に戦いに臨む。しかし、アクラムはついに四神を解き放ってしまう。京は、アクラムの手に落ちようとしていた。
四神が解放された影響で、京は大混乱に陥った。四神を取り戻すために、八葉は鬼の一族と戦う。一方、あかねは自分の中の龍神に呼びかける。京を救いたければ、その身を捧げろとあかねに告げる龍神。また、人間と鬼の一族が争い始めた理由が鷹通の調べで明らかになる。その頃、八葉と鬼の一族の戦いは熾烈さを増していた。
鬼の一族が人間と争う事になった本来の理由、アクラムの生い立ち、強大な力の源が明らかになる中、争いに終止符を打つべく、あかねと八葉はお互いを信じて最後の戦いへ臨む。そして、ついにあかねは自らの身を犠牲にして龍神を呼ぶ。最期の時、あかねと八葉それぞれの胸には、大切な人への熱い想いが溢れていた。