Part1に比べると物語も大詰めだからか、全十二話の構成が前期よりも綺麗という感触はあります。翻って原作の名場面の機微をアニメでは描き切れていないと感じる点もあるのは否めず。
大まかな作品評としては原作からして面白い部分ですし作画も安定していたので文句は無いのですが、本当に細部の『虐殺はダメだ!』の切迫した情緒や『俺を許さないでくれ……』から成る一連の流れだったりと漫画というメディアだからこそ、印象に強く残る場面の圧がそれでも足りてないと感じるのがやはり残念だったかなと。
終盤のカタルシスたっぷりに描かれる爽快感を伴った戦闘が、よりによって身内殺しの場面なのは原作の嫌らしい部分を継承していて非常に好ましく思いました。 また最終話でエレンが踏み潰す物の重みを改めて強調する難民キャンプのシークエンスは物語の一つの区切りとしては適切なそれであると感じたので、若干の残念感はありながらも完結編を待とうという気分にはなりました。
以降は地ならしによる場面が主体で作画の出来も練り上げる必要がありそうですしね……。