ツィベタ、クフフとの戦いを経て日常生活に戻ったヒーローたちは、それぞれの国でヒーローとしての活動に励んでいた。そんな中なぜかシャイは記者の取材を受けることになり……?
休日に二人で出かけていたテルと惟子は、天王寺曖という少女と出会う。今日この街に来たばかりだという彼女だったが、見かねた二人は街を案内することに。最初は旅行中と二人に告げていた曖だったが、実は家出中であることを告白する。
テルと惟子の前に突如現れた忍者・朱鷺丸から、曖が忍びの里のお姫様であることを聞いた二人。曖は、相棒の刀「心刀・無垢」に導かれ、ヒーローを探してこの街にたどり着いたことを明かす。シャイの正体であることを曖に見抜かれたテル、なぜか曖はそのままテルの家に泊まることに……。
“アマラリルク”が共通の目的となったシャイと曖は、お互いをもっとよく知るために修行に出かける。そこでシャイは、曖の話から刀や石などの物にも心があることを感じ始める。一方、東京が突如黒球に包まれ消失してしまう。連絡を受けた各国のヒーローは、ユニロードの元に集まり作戦会議を始める。
リーダーとなったシャイを筆頭に、スピリッツ、レディ・ブラック、ミェンロン、曖の五人は東京の人々を救うため、黒球に突入する。その中では人々が魂が抜けたように立ち尽くしていた。驚く五人の前にアマラリルクの“怒れる竜”ドキが現れ、襲い掛かる。
ドキに続いて現れたクフフ。スピリッツはこの場を引き受け、シャイ、曖、レディ・ブラックを先に行かせることにする。一方、アマラリルクのメンバーを見た曖には迷いが生じていた。黒球の中心で待ち受けるウツロが、双子の妹・昧であることをシャイに明かし、初めは倒す気で来たと、過去の事件について話を始める。
シャイ、曖、レディ・ブラックの前に現れた新たなアマラリルク、イノリ。イノリの“愛の矢”で一時的に愛に目覚めさせられたレディ・ブラックは、怒りに震えながらイノリとの戦いを引き受ける。その頃、ドキと戦うミェンロンは、お互いに力を出し尽くし……。
黒球内部で激しいバトルが繰り広げられる中、黒球の外ではスティグマとスターダストが対峙していた。スティグマの命令でスターダストと戦い始めるアマラリルクの一員・クァバラ。あっさり倒されたかのように見えたが、クァバラはスターダストにとり憑くことで、その本領を発揮する。
ようやくウツロの前にたどり着いたシャイと曖だったが、曖がウツロに取り込まれて一つになってしまう。変化したウツロの強力な一撃を食らい、失意のまま気を失ってしまうシャイ。薄れゆく意識の中でシャイが出会ったのは心刀・無垢の心だった。無垢を手に新たな力に目覚めたシャイは再び立ち上がる。
シャイと無垢の力によって、ウツロの変化は解け、曖を助けることにも成功した。シャイはウツロの心も救おうと試みるが、追い詰められたウツロは、黒球を破壊して恐怖を世界中にばらまこうとする。しかし、それも駆け付けたスピリッツ、レディ・ブラック、ミェンロンによって防がれてしまう。
クフフ、ドキ、イノリによって黒球の上部が破壊されてしまう。責任を感じ、黒球から漏れ出す恐怖が世界に溢れ出さないように命を懸けて一人抑えようとするウツロ。そこに手を差し伸べたのは、シャイ、曖、朱鷺丸の三人だった。
シャイ、曖、朱鷺丸、そしてウツロの力によって黒球は消失した。退却しようとするアマラリルク、その中でスピリッツはクフフを捕らえることに成功する。一方、心の器である黒球を失ったウツロは、シャイにあるものを託すのだった。
21世紀半ば、地球から戦争が無くなった――各国に突如現れた超人的な力を持ち、平和を願う“ヒーロー”によって、世界は大きく変化したのだ。新たに得られた平和を維持すべく各国のヒーローたちが活躍…
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