「なろう」発の異世界転生アニメだけど、ハーレムにならないし、たいして俺TUEEEでもないし、現代の品を異世界に持って来て高値で売らないし、異世界文明を劣っていると見下したりもしないという「なろう」臭が比較的薄い異世界転生アニメ。
主人公は、OA機器販売の会社に努めていた30歳のサラリーマン。
ある日、営業先からの帰宅途中、交番を襲った犯人が放った銃弾に倒れて、異世界にルシエルという名前で転生する。
異世界転生モノらしく最初にジョブを選ぶのだが、そこで選んだのが「治癒士」。
スキルとして他にとても強い運「豪運」等を得るが、肉体的にはとても弱いため護身術等の過酷な訓練をして次第に治癒士としても頭角を現していくという物語。
「治癒士」としてチートな能力を得ることにはなるけど、棚ぼたで手に入れたものではなく、たゆまぬ努力の賜物であることがしっかりと伝わってくる。
主人公=ルシエルは気弱で、ただただ平和で穏やかな生活を送りたいと願っているだけなのだが、転生先で「治癒士」がなぜか嫌われていることに疑問を持って、改革しようとする。
アニメ内でルシエルに訪れる幸運展開を、「豪運先生」と呼んでご都合主義的な展開をごまかしているように感じるし、ハーレムにならない理由を「物体X」というとんでもアイテムで弁解しているように見えるけど、それをもってつまらないアニメとはいえない。
ぼくの感想は真逆で、「物体X」の存在はとても理に適っているように見えた。
明らかされた物語内に蔓延る問題点とひとつの謎。
自分の身体を強化しながら、問題点に立ち向かう底抜けに明るいルシエルの姿はとても良かった。
2023年の放送後続きが気になって「なろう」で読んで、シーズン2を心待ちしている。
Filmarksの評価が低くて、視聴者も少なそうなのがとても残念。