12年ぶりの鑑賞。
このアニメきっかけで、ハチクロや攻殻機動隊を観たのでありがたいきっかけのアニメ。
日常に退屈する若者やニートを主軸に現代日本を舞台にしたややSFありのアニメシリーズという新鮮みが当時中学生の自分にも空気感だけで刺さったアニメだった。今観てもやっぱり稀有なアニメなんじゃないかな?と思うし、硬派な背景に対して咲と滝沢をめぐるロマンチックな設定の食い合わせも良い。
刑事の話もジョニー狩りの話も滝沢視点で割り切って描いてるのはアニメとして描く分には良策なのかもだけど、近藤と白鳥の2人がどう日本を変えたかったかにもっとスポット当ててそれぞれのエピソードがより意味のあるものになっても良いのでは?と思った。
白鳥は動機や方法が明かされてるから良いとしても、刑事がなんで自分1人じゃ100億持ってても世の中を変えられないと諦めてしまったのかをもうちょっと描いてくれたら、刺殺って終わりももっも切なく見れた気はするけど。尺もあるしこの辺はしょうがないのかな。何しろ序盤でわかってないことも多すぎるし。
テーマ選びや見せ場の作り方とかも良い、ショッピングモールを舞台にニートをゾンビに見立てたりとかは、沢山映画の引用をしてきた東のエデンらしさがあるし。
ただ全体としてそれぞれのキャラクターがなんでその方法で日本を変えようとしたかのロジックがもうちょっと見えても良いのにとやっぱり思っちゃうかな。
主にそういうロジックの面が弱く感じたけど、犠牲を持って現代日本を立て直すというウォッチメンの悪役みたいなアプローチとか、この空気感はやはり良かった。最終話の滝沢のミサイル迎撃とかもシーンとしてはすごくかっこいいし。ただここも、ニート達のアイデアが生きたおかげで60発のミサイルを迎撃できたってロジックがやはり弱く感じるんだよな〜 そこがしっかりしてたら、「ニートやるじゃん!お前ら(そしてそれに準ずる受動的な若者である我々)が日本変えられるんだ!」と思えるのにな。
日本の主要都市をミサイル攻撃することで既得権益を破壊するって方法は、それで解決するかどうかはさておき、自己責任論を突きつけられた若者が思いつく構造を破壊する方法の最も突飛なものにも思えるからここは面白いと思った。
そして、もっと派手で大変なことを起きれば良いのにと2009年ごろは思っていたのかもなと3.11を経た現代にはあんまり思い出せない感覚だな〜と思ったりした。ガラケーとかも00年代の景色だし。そういう空気を切り取ったアニメとしても貴重なのかもしれない。