古泉智浩

新世紀エヴァンゲリオンの古泉智浩のネタバレレビュー・内容・結末

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 テレビシリーズを通して見るのは2回目だ。気になったのは碇シンジと綾波があまり関わらない。もっと深い関係性を築いて綾波が死んだ気がしていたのだけど、『涙』の回は戦闘中にすれ違ったような感じで、綾波がシンジの盾になって死んだような気がしていたけど違った。最初の子どもの時に死んだ綾波は赤城博士になんであんなに攻撃的だったのだろう。

 渚カヲルは背景が全く語られない割りに、やたらと馴れ馴れしい。その上、すべてを見透かしたように偉そうな発言が多い。

 人類補完計画がやはり腑に落ちない。愛着障害など個人の問題を解決するために人類を殺して社会を破壊するのはどう考えても釣り合わない。しかしそんな出来の悪さを含めて見た人の心に残り歴史的な作品になっているのだろう。

 碇ゲンドウが子どもを愛することができず、恋愛に夢中なゆがんだ大人であり、冬月も似たようなものなのだろうか。大人も全員が全員愛されたがっており、人を愛さない。困った大人たちで、そんな人々が巨大兵器を操ったり陰謀を画策するので無茶苦茶だ。

 最終2話はシンジがキャラの薄い連中にまで偉そうに批判されて気の毒だ。

 そもそも第一話で赤城リツ子が「歩くことだけに集中して」という初号機操縦のアドバイスをするのもどうかと思う。攻撃されてひどい目に合うのは碇シンジだ。その赤城リツ子はゼーレの石板みたいな連中の前で丸裸にひん剥かれて意味が分からない。ひどいセクハラだ。

 葛城ミサトと赤城リツ子と加地リョウジの会話はかみ合ってないのだけど、頭のいい人同士の会話はどんどん先に行くような、そんな感じもする。みんな子どもに多くを求めすぎだ。

 
古泉智浩

古泉智浩