おときち

新世紀エヴァンゲリオンのおときちのレビュー・感想・評価

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
4.0
2021年1月23日に最終作となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖』が公開予定なので、それに向けてテレビ版を再鑑賞。通して観たのは2回目。

しかし1月公開の最終作もタイトルが意味深だ。
『〜劇場版』の後に続く【:‖】(本来は楽譜の終止線だと思うけど、入力できない…)をどう読むか。
これまでの新劇場版にもそれぞれ『:序』『:破』『:Q』のように【:】は使われているので、今回もそれに倣えば【:】の後の【‖】は終止線の意味で、これで終わりということだろう。でもその前の【:】も含めて考えると【:‖】となって、リピートという意味にもなる。
エヴァンゲリオンの表記が【ヱヴァンゲリヲン】から【エヴァンゲリオン】に戻っているしなぁ。どうなんだろうなぁと。
そこまで深くエヴァンゲリオンが好きなわけではないですが、楽しみではあります。最終作。


そんなわけでテレビ版。
前回観たのが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の前だったので8年振りぐらい2回目の全話鑑賞。
うーん、やっぱりよくわからない。エヴァの動きが凄いなと思うし、よくわからないなりに、よくわからないからこそ、引き込まれて観てしまう面白さは確かにあるんだけど、やっぱりよくわからない。大筋はわかったと思うけど、要所要所でわからない。

分かる人には分かる、という感じじゃないと思うんですよね、あれ。やっぱり分からないものは分からない。
ただ、終始説明ばかりになる作品もあまり好きではないので、まぁこれぐらい突き放してくれてもいいのかな、と思う。「あとはご自由に」感がすごい。


「人類補完計画」「ネルフ」「ゼーレ」「アダム」「ロンギヌスの槍」「セントラルドグマ」などなど、発したくなるような言葉が先走ってしまうけど、結局は父と子の話だし、自我の話だし、他者との関わりや共存の話なんだと思う。あとは生命や宗教的な話かしら。


しかしまぁシンジ君にとってはだいぶハードモードだよな。確かに大変。いきなり呼びつけられてあんなのに乗れ、そして戦え、と。
でもちょっと承認欲求強すぎるし、お父さんに依存しすぎているし、「うーん、もうちょっとしっかりしろよ」とは言いたくなった。

改めて観るとマトモな人が1人もいない。みんなちょっとずつ狂ってる。でも何がマトモかなんてそれこそ分からないのでこれはこれで社会の縮図な気もする。
人間がコントロールできていると思っている(思っていた)技術やエネルギーが、実はコントロール不能でなにかあれば大惨事になるとか、どっかで聞いたことのある話だなぁなんて思いながら観ていました。やっぱり南極なくなっちゃうし。


アスカが登場して、シンジ君と訓練してシンクロしたり、マグマに潜ったりした8話〜10話が観ていていちばん楽しかった。
そこから先は闇。深く静かな闇。まるで精神世界の深淵に触れるようで、毎回視聴するのに体力が必要だった(面白いけど)。


最後の25話・26話はもうあれでいいんじゃない?完全に突き抜けていて、こちらも突き放された感じ。あれを当時リアルタイムで観ていた人たちはどんな感じだったのだろう。
初回放送が毎週水曜日の18:30〜19:00で、その時間帯にアレを地上波で放送してたんだ?と思うとなかなか凄い。最初から深夜枠のアニメかと思っていた。


次は旧劇場版や新劇場版もいちおう観直しておこうかな。