にゃん

八月のシンデレラナインのにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

八月のシンデレラナイン(2019年製作のアニメ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

経験者は数名。ほとんど未経験な少女たちが野球部を立ち上げ、練習場所も自分達で交渉し成長していくストーリー。
自分もスポーツ得意ではないので、野球に興味あるけど飛び込むのが怖い、やってみたら楽しかったけど自分のせいでチームの足を引っ張るのが怖い、そんな女子高生らしい少女たちが部活に対して抱く悩みなんかも等身大で見ていてキャラクターを応援したくなる作品だった。

内容
1. 「女子硬式野球部、メンバー募集しますっ!」四月。市立里ヶ浜高校に入学した有原翼は、部活紹介の壇上に上がり、突然こう言った。元々女子高だったこの学校には、男子野球部も存在しない。学校にない部を勝手に宣伝したことで怒られる翼だったが、担任の掛橋先生の勧めで、「同好会」を作ることを思い立つ。一方、どの部活に入ろうか迷っていた野崎夕姫は、女子野球部を探しているという、宇喜多茜と出会う。

2. 同好会を立ち上げるには、部員5人と顧問が必要…だが、野球に何より必要なのは練習場所。硬式野球ができる環境は、校内のどこにも存在しない…。頭を抱える翼たちだが、とりあえずできることからやるしかない、と気持ちを切り替える。まずは用具をそろえるために、野球用具店へ。それぞれグローブを選んでいると、そこには、翼や夕姫と同じクラスの鈴木和香がいた。

3. 昔地域で使っていたというグラウンドを貰い、顧問、そしてメンバーが5人集まったことで、いよいよ本格始動する女子硬式野球同好会。和香が考えたメニューをもとに、ついに練習もスタート――と、そこに突然、里高の一人応援団・2年生の岩城良美が現れる。さらに、同じく2年生の阿佐田あおいもやって来て、二人は成り行きで同好会に参加することに。個性的な2人のメンバーが増え、喜ぶ一同。そこに、自称新聞部の中野綾香も登場する。

4. 1年前の、リトルシニア全国大会・準決勝。藤浦シニア対蔵元中央シニアの対戦。当時の試合を、歯がみして回想する龍――だがそれは翼にとっても、特別な思いの残る試合だった。翼は、自分がなぜクラブチームに行かず、里高に野球部を作ろうと思ったか、その気持ちをメンバーに話す。1年前、翼の目の前にあったのは、野球を続けるか、辞めるかの分かれ道だった。

5. 龍の入部によって、部員はついに9人に。「試合、しない?」。翼はメンバーに、他校との練習試合を提案する。里高野球同好会は、始まったばかりの急造チーム…勝てる見込みは薄いが、ようやく試合ができることに、部員たちはうれしそう。試合に向けてポジション発表、ユニフォームを作ったりと、準備を進める一同。そんな中、練習試合の相手が、隣町の清城高校女子野球部に決定する。

6. 清城との対戦後、これまで以上に練習に熱が入る野球同好会。内容もより本格的になり、部員たちの「うまくなりたい!」という気持ちは加速。だが、そんな思いに水を差すように、学校はテスト期間。練習はしばらくお休みに。勉強が苦手な翼は、智恵のサポートでテスト期間を乗り越えようとしていたが、当の智恵は、練習が休みになることで、一人焦りを感じていた。

7. バットは折れて、トンボは壊れ、バックネットには穴が開き…同好会の部費では、用具の維持がそろそろ限界…。だが、正式な部活動に昇格するためには、生徒会の審査を通過しなければならない。ということで、生徒会の九十九伽奈が、審査のために同好会へ参加することに。一方夕姫は、先立つものを確保するためアルバイト。その最中に、小学校時代の先輩・倉敷舞子と再会する。

8. 蒸し蒸しと暑い日。いつものように練習を終えた一同に、翼と智恵から提案があった。「あのね…大会に出ない?」――夏に控える、高校女子硬式野球の全国大会。公式戦への期待、不安…さまざまな感情が入り交じるが、やっぱり興味が最優先。みんな笑顔で、大会への参加を決める。あとは正式な部にさえなれば、費用についても問題ない。だが、夏への道のりには、まだ関門が待ち受けていた。

9. 「大会前の強化合宿をしましょう」――龍の提案で、一週間、お寺での合宿をすることになった里高野球部。「技術力アップ」そして「みんなでもっと仲良く」という二つの目標を掲げ、初めての合宿がスタート。夕姫や茜は、みんなでのお泊りにワクワク。しかし龍は、地獄の特訓メニューで、部員たちをビシバシ鍛える。そして、つらくも楽しい合宿の日々が過ぎていく。

10. 全国大会まで、あと二週間。里高野球部は、強豪・向月高校の高坂椿から、突然練習試合を持ち掛けられる。強豪校が一体なぜ?一同は疑問を抱きつつ、前向きに試合を引き受ける。公式戦を直前に控えた試合――今回は、大会に向けたオーダーで臨むことに。それぞれのポジションが発表され、掛橋先生から背番号が渡される。しかし、先発メンバーに智恵と茜の名前はなかった。

11. いよいよ始まる全国大会。前日、会場近くの合宿所にやって来た里高野球部の元に、トーナメントの抽選結果が届く。対戦相手はなんと――清城高校。そこに、偶然同じ合宿所に来ていた清城のメンバーも現れ、二校は成り行きでバーベキューを囲む。それぞれが、それぞれの気持ちを胸に抱いて、大会前夜は更けていく。ついに当日。里高野球部は、万感の思いでグラウンドに整列する。

12. 夕姫のエラーで、同点に追いつかれてしまった里ヶ浜。しかし、それでもまだ同点――さらに気を引き締め、三回表の攻撃にうつる。一方、清城高校・神宮寺小也香は焦っていた。彼女の異常な気迫の正体は、翼とはまた別の、キャプテンとしての責任感…。その焦燥が解かれた時、二つのチームは好敵手として並び立つ。青空の下で試合は続く。白球を追い、少女たちは熱くなる――。
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