相当頑張っていて良かった。不満がないわけではないけど、一気に観てしまった。
UnrealEngine5で作っているので否が応でもゲーム映像に見えるのだが、文法が7:3くらいで洋画(あえてこの言葉):アニメなので、実世界とのアクチュアルな感覚をそれなりに伴っていた。ジオン(ザイオン)とオデッサと聞けばいまの戦争のことを想起せずにいられないというのも非常に大きい…とはいえカメラ位置が人間の高さをずっと守ってくれるため、お台場の等身大ガンダムを見たときに感じたこんなもんが歩いて飛んで人殺ししたら最悪だなみたいな感覚を失わないまま全6話作られていたのが一番アクチュアリティに寄与していて良かった。
森の中でキャンプファイヤーしていたら殺人鬼のガンダムが現れてみんな殺される。スクリームクイーンばりに生き残った主人公が仲間が死ぬとその名前を叫ぶのはアニメっぽすぎるが、基本路線はアメリカの戦争映画とホラー映画。死なない殺人鬼ガンダムと闘うには墓場から蘇ったゾンビザク以外にないというのも納得だが、2日かそこらで組み上げちゃうのもなんともアニメっぽい。で途中にでてくるジオンの准将?が一人だけZZの世界から来ましたみたいな風貌でちょっとこの作品のデザインをもっと大切にしなさいよと思うのだが、ハマーンみたいなピンク頭の子がタイガーバウム出身だったので、多分ZZが好きな人のお遊びだと思う。レディプレイヤー1のガンダムも何故かZZガンダムのポーズをとっていたので、日本より海外でやたら人気があるんだなと思う。
ジオンの伝統、連邦のMSを盗む…のときにピンク頭の子が敵が来てると知らせるためにジムの頭をガンガン銃で叩くのが凄いよかった。(頭にコックピットはないとか野暮なことは言うな)
最後にはオデッサの階段がしれっと登場して、(流石に乳母車は出ないが)母親と子供の話をする。コロニーの底が抜けたり死人に引かれた血に塗れたコンサートと主人公の見る悪夢がすごく印象的と思っていると憎しみの連鎖を断つために闘わなくては…と締めていく。確かに燃える街と死人を見れば(ニュースで毎日見る光景に近い)なにかしなくてはと思うのだろうけど、割とマジでサイド3の両親と子供のところに帰ってバイオリン聴かせてやれよと思った。誰もが正義感に消耗しつづけるしかないのか…という点でも今っぽいラストだと思えた。