地底獣国

ハズビン・ホテルへようこその地底獣国のレビュー・感想・評価

ハズビン・ホテルへようこそ(2024年製作のアニメ)
3.9
1話に少なくとも1回、ディズニーっぽいミュージカルシーンあり。ただし舞台が地獄で主人公シャーロット・モーニングスターは地獄のプリンセスなんで歌詞の内容はお察し‥この時点で勝ったようなもん!

まあ下品で野蛮だけど根っこの部分はディズニーアニメと大体いっしょ(愛と勇気、友情、成長)なんで、アンチモラルな内容を期待してると物足りなく感じる向きもあるかも知れん。

とはいえディズニーのようなメジャーではいろんな方面に遠慮して入れない深いところまで踏み込んで描くインディーズの強みは十分発揮できてるんじゃないだろうか。

本作における天国と地獄の関係性というのは性的マイノリティが社会や国家から異常者、危険因子として受けて来た迫害(まさに“demonized”という呼び方がある)を反映したものらしい。

更に言うと「天国に対する反抗心を挫くため定期的に天使の軍団が地獄に降りて来て“extermination”を行っている」と言う設定からは今日び某国と某自治区のことを想起せずにはおれない。殲滅部隊を率いるのが「最初の男」アダムなだけに尚更(もちろん様々な国や組織、個人に当てはめて解釈できるんだが)。

ま、そういう硬い部分を抜きにしてもチャーリーやヴァギーの出自とか、ずっと無気力で引きこもり生活してたのに娘から頼み事されたら全力で頑張るルシファーとか(どうでも良いけどルシファー・モーニングスターって日本語的に言うと明星明星ってなるよな)、ヤク中エンジェルダストの事を気に掛けずにおれないアル中ギャンブル狂のハスターとか、皆んな大好きアラスターとか、厨二心に刺さる要素がてんこ盛りなんで、下品で野蛮でもOKという方は是非チェックしていただきたい。

余談:パイロット版から4年経ってシーズン1(その間スピンオフの方がシーズン2まで作られてる)ってなかなか無いのと違うか?クリエイターたちの執念には頭が下がる。

↓パイロット版(日本語吹き替え)

https://youtu.be/voYG2NrU5iQ?si=g5u1v6fIz-jAmCYT
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