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バビロンのmasatanのレビュー・感想・評価

バビロン(2019年製作のアニメ)
5.0
アニメの注意書きを引用。特定の思想、信条を肯定するものではない。児童青少年の視聴には十分な配慮が必要。疲れている時、心が弱っている時、何事にもやる気がない時、一度でも自死を考えたことがある人は絶対に見ないでください。これは完全なフィクションです。



レビューにしようか迷うくらい自分の意見を言ってはいけないと思ってしまうが
言葉にしてまとめないと正気が取り戻せないので全然まとまりませんが少しお付き合いください。

自殺は本当にしてはいけないことなのかという誰も触れたくない題材にとことん追求。胸糞悪い?地獄?最悪?どんな言葉にも当てはまらない過激で危険な作品。

今作では、心臓病を患った息子を生かすために自分の心臓をつかって生きてほしいという理由で自殺したいけど今の法律だとそれが認められないので法改正したいという政治家が、国家(自治体)として自殺を人生の選択肢を増やす手段を認める自殺法の制定を提案することから始まる。まあこれ残された息子の気持ちとか全く考えてなくて、非常に極端。

正直、自殺が良いことか悪いことか自分ではわからない。自殺した人を責められないじゃないですか。自殺は罪に問われない。じゃあ法律が悪い?国家が自殺を認めるのは広義で自殺教唆になるのか...?民主主義国家で全てのマイノリティーに対応するのは不可能だからある程度の線引きは必要だ。

ただこの自殺法というかこの作品の意図することは、年間約2万人の自殺者がいる日本で、自殺と本気で向き合う機会を設けたいのではないか。諸行無常の世界で「人を生かすことは良いことで、殺すことは悪いこと」という普遍的道徳観、正義と思われた考えは本当に今の時代に合っているのか。ジェンダー観が見直されたように死も見直す時がきたのか。

「正義とは、常に正義とは何かを考え続けることだ」
私は人生で人間が何をしてるかと言えばひとつは正義を持つことだと思う。小さい頃に見つけた正義を大事にしてもいいし、大人になって見つけられなくてもいいし、ずっと考えるのも大事だなと思う。
多様な価値観を認めようと言われる中、極端に言えばじゃあ自殺したい価値観も、
したくない、しないでほしい価値観もお互いに認め合うというか存在を知るだけでいい。

いまの時代、自殺すれば周りで噂が広まり、事故物件になって大島てるのサイトに載る。死してなお自分で自分を殺めたことがずっと語り継がれる。しんだらこっち側の世界にはなんものこらないもんなーフェアじゃないよ。やっぱは自殺はダメでしょ...たぶん
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