筧京太郎は、その日もいつもと同じ様に読書をしながら登校していた。そこに届いた一通のメール。「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう 羊飼い」筧が通う汐美学園で、噂される謎の存在「羊飼い」。努力する人の前に現れて何でも願いを叶えてくれるというが、その姿を見たものはいない。そんな噂は信じない筧だが、その直後、第六感の未来視によって、学園内の路面電車の脱線事故を視てしまう。気づけば筧は走り出していた。一人の少女を助けるために--
筧と高峰を加えていよいよ本格始動した「汐美ハッピープロジェクト」。まずは学園内での認知度を上げて実績も積むために、白崎の発案で、構内清掃&ビラ配りを決行する。そんな中、食堂アプリオのウエイトレスで新入生の鈴木佳奈が参加することになり、大喜びの白崎達。鈴木の元にも羊飼いからのメールが来ていた事が判明し、図書部は羊飼いの正体をつきとめようと動き出す。そしてもう一人、筧が出会った少女、御園千莉も何か悩みを抱えている様子で--
「御園千莉は君達に大切なことを教えてくれるだろう 羊飼いより」図書部の面々に送られて来た羊飼いからのメール。メールの差出人の情報を得るために、筧達はPCに強いと評判の嬉野紗弓実の元を尋ねる。一方、当の御園にコンタクトをとる白崎達だが、「歌姫」と呼ばれ特別視されている彼女は音楽科でも浮いていた。何かあれば相談して欲しいと言う白崎にも、頑なに心を閉ざす御園。冷たい雨が降り続いたある日、白崎の元に見知らぬアドレスからメールが届いて--
嬉野から教えて貰った羊飼いの住所は空き部屋だった。羊飼いの手がかりは途絶えてしまうが、嬉野への報酬であるコスプレビラ配りに精を出す図書部員達。そこへ看病のお礼にと御園がやって来る。少し距離が縮まった御園をハッピープロジェクトに勧誘する白崎。なかなか素直になれない御園だが筧の後押しもあってようやく図書部のメンバーとなる。一安心の図書部だったが、筧と白崎にとって約束のゴールデンウィークがもう目の前に迫っていた…。
コスプレビラ配りが功を奏して依頼が殺到し、にわかに忙しくなる図書部。そんな中やって来た図書委員の小太刀が告げたのは、大図書館からの退去勧告だった。大切な部室を守るため、依頼の合間にボランティア活動もこなして行く一同。そんな図書部での活動を通じて変化していく筧を、疎ましく見つめる目があった。ある日、小太刀がいつものように筧の部屋にやって来た。筧の能力を知り、自分の未来を視てくれとせがむ小太刀に筧は仕方なく承諾するが…。
小太刀の正体をつきとめた筧の前に、ナナイが現れた。そして筧は幼い頃から憧れ続けた魔法の図書館へ足を踏み入れる。予想もしない展開に驚きを隠せない筧に、君も羊飼いにならないかと持ちかけるナナイ。ひとまず返事を保留にした筧は、しばらく小太刀の羊飼いの仕事に同行する事になる。最初のターゲットは食堂アプリオでバイト中の嬉野だった。魔法の本に従って、嬉野に迫る危機を回避して行く小太刀だが、思わぬミスを犯してしまって--
ある日、図書部に匿名の依頼が舞い込んだ。依頼内容を見て色めき立った図書部女子チームはある作戦を決行する。次の日曜日、筧と図書部女子達の団体デートが幕を開けた。大型ショッピングモールで、それぞれ筧にアプローチする女子達とそれを茶化す小太刀。わけも分からず振り回される筧だが、それなりに楽しい時間が過ぎて行く。しかし、小太刀がデートについて来たのには理由があった。今回の羊飼いの仕事は、白崎の未来にも大きく関わる内容だったのだ--
海開きイベントの手伝いに駆り出された図書部は、鈴木が書いた台本を元に寸劇を披露することに。アクシデントも笑いに変えてイベントは成功するが、鈴木はいつもの元気がない。そんな中、学園内に数多く存在する弱小サークルから、汐美祭のステージに立ちたいという相談を受けた図書部は生徒会に掛け合うが、副会長の多岐川葵に一蹴されてしまう。諦め切れない白崎は、図書部主催のイベント企画を提案する。皆の士気が上がる中、一人複雑な想いを抱えた鈴木がいて--
音楽科の教師が御園を連れ戻しにやって来た。授業を疎かにするのは良くないと言う桜庭達に、反発する御園は部室を飛び出してしまう。将来有望な歌手になる御園を、羊飼いとして手助けしようとする小太刀を制して筧が御園に持ちかけた提案は、周囲を驚かせるものだった。一方で、図書部イベントの名前も決まり、開催に向けての準備が急ピッチで進められて行く。御園の件以来、小太刀の様子が気になっていた筧は、ついにある記憶を思い出して--
筧の部屋に小太刀が押し掛けて来た。 兄妹水入らずで暮らすつもりらしい小太刀を筧は仕方なく受け入れる。そこへ突然の白崎の訪問。 切羽詰まった様子の白崎は、小太刀を隠して気もそぞろな筧に彼氏になって欲しいと告げる。 翌日、白崎の彼氏として妹のさよりを一緒に見舞う筧。しかし、当のさよりは全てお見通しだった。ミナフェスの準備も好調なある日、一時退院したさよりと白崎が筧の部屋を訪れた。 出迎えた小太刀に驚く2人。 言い逃れできない状況に筧は--
羊飼いを味方につけたと言う多岐川の差し金で、幽霊部員だった生徒達に部室を奪われてしまった図書部は、何としてでもミナフェスを成功させようと更に結束を強める。しかし、追い打ちをかける様に、生徒会主催のイベントがミナフェスと同じ日時に開催される事が決まる。チケットの払い戻し希望者が増える中、ミナフェスが失敗に終わる未来を視てしまった筧は、ある決断をする。その頃、過去の記憶から筧の事だけが思い出せなくなっている事に気がついた白崎は--
ミナフェス当日。 アプリオは大勢の客で賑わい、イベントは順調な滑り出しを見せていた。 筧が羊飼いになった事を受け入れられない白崎は、その様子を複雑な想いで見つめていた。 一方の筧は、羊飼いとしての役割を果たすため、ある人物を待ち構えていた。 回避不可能と思われたミナフェスの危機を乗り越えるために筧と小太刀がとった行動は、羊飼いにも予測できない結末を迎える。 筧の想いを受け取った白崎は、小さな祈りと共に最後のステージへと歩き出した…。