ぐりこ

どうする家康のぐりこのレビュー・感想・評価

どうする家康(2023年製作のドラマ)
1.0
個人的には大河史上最低の出来。

去年の大河“鎌倉殿”が重厚でよかっただけに、ちゃちさと軽さが目立った。
特に、松潤家康が常に正義すぎてしんどく、中盤以降で家康の敵にまわる秀吉や三成などの人物はことごとく視野狭窄な小者として描かれた。それを家康方が“仕方なく”成敗する流れ。子供向け。
特に39話タイトル「太閤くたばる」には品性を疑った。ライバルを魅力的に描けばこそ、主人公もまた輝くのに、内容的にも言葉遣いとしてもあそこまでこきおろす必要があるのか。

と、思っていたら終盤には「松潤が脚本を改悪したり、他役者の台詞を取ったり消したりする」というリーク情報まで出る始末。真実かどうかは定かではないけど、うなづけるくらいにはつまらなかった。
(ジャニーズをメインに起用するとつまらなくなる率が高いけど、こういうことはよくあるのだろうか…)

毎週「我らが神の君は」で始めていたナレーションも、最終回で回収。“神君家康”の人間らしさを描くための逆フリなのだろうけど、結局途中から「神君と雑魚ども」という描き方になっていて、ぶれてしまったなぁ。


大河史上、下から2番目の視聴率で、結果的に最下位は逃れた。
だけど、最下位は東京五輪のために作られた国策大河「いだてん」。“いだてん”の主役が、誰も知らないマラソン選手や誰も知らない水泳選手だったことを思うと、歴史上の超ビッグネームを描いて大スベリした本作こそ大河史上最低の出来と言えると思う。南無。
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