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都市と都市のtokyoflaneurのレビュー・感想・評価

都市と都市(2017年製作のドラマ)
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設定が難しく、「映像化は不可能」と言われていた(らしい)小説のドラマ化。設定を説明しないといけない分、5話完結と言うのが、厳しい感じ。

東欧?中欧?にある荒廃が進む“ベジェル”と、繁栄を極める“ウル・コーマ”。一つの街の中に二つの国家が複雑に入り組んで存在している。この二つの国家は何故か共存せず、完全に排他的に存在する。ある日べジェルで若い女性の死体が発見される。事件を担当することになったティアドール・ボルル警部補(デビッド・モリッシー)。無茶苦茶ガラの悪いコルワイ(マンディープ・ディロン)とこの事件を解決するため奔走するが、ブリーチと呼ばれるこの二つの国家を分断させる組織や右翼組織など様々な要素が絡み合う。

一つの大通りの真ん中を国境として、片方がべジェル、片方がウル・コーマという街で、国民はもう一つの国の存在を把握していながらも関与してはいけない、という不思議な設定。相手国を見てもいけないらしい。このどう考えても現実性がないと思わせる設定が非常に分かりづらい。映像的にはただカッコつけているのか、見てはいけない意識を投影しているのか、分かりづらい。

ストーリー的にはハードボイルドな犯人探しだが、自問自答やフラッシュバックが多く、物語は進まない。上手くやれば「ブレードランナー」のようなカルトSFになれるような原作なのかもしれないが、このドラマシリーズはそうではない。
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