みきちゃ

大豆田とわ子と三人の元夫のみきちゃのネタバレレビュー・内容・結末

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

カンテレ制作 火9ドラマ枠
主題歌:どうやら毎話異なる主題歌になるらしい!おもしろ!
https://www.cyzo.com/2021/04/post_274723_entry.html/amp?__twitter_impression=true

坂元さんが「新しいことに挑戦したい」と取り組んだドラマ。大ベテランで人気もあるのに凄いなぁ。相変わらず日常のほんの些細な生き辛さを描いたら絶品。

1話:映画「最高な人生のはじまりを見つける幸せなパン」ww 松田龍平のやわらかさが、ややこしい人間関係の緩衝材としてめちゃくちゃ活きてる。EDで松さんの歌が聴けるーーうれしい。
第1話のエンディングは、STUTS & 松たか子 with 3exesの「Presence I(feat. KID FRESINO)」

2話:慎森回。シンシンの物語にめっちゃ泣いて謎。とわ子さんとは素敵な出会いだったんだねえ。なのにそんな風に捨てちゃったんだねえ。岡田将生はいいなあ。これまで観てきた中での一番好きな岡田将生は「昭和元禄落語心中」で、一番ハマってると思ってたのは「伊藤くん A to E」だった。豆夫の岡田将生はどちらも超えてくるかもしれない。楽しみ。第2話の主題歌は"Presence Ⅱ (feat. BIM, 岡田将生) by STUTS & 松たか子 with 3exes"

3話:佐藤鹿太郎回。器ほんま小さいしややこしい。そんな佐藤を素敵に演じる角田さん。「馬からも愛される日が来ると良いですね」って言ってくれたとわ子さん。鹿太郎がとわ子さんのことを忘れられない理由がじんわりと伝わってきてしみじみした。ご近所さんにかこまれてお茶するとわ子さんはしゃっくりばっかりして、でもお姑さんについて一言も悪口言わなくて。会社ではみんなが楽しそうにしてても邪魔しないように一歩引いてて。いつも誰にでも頑張って話し合わすとわ子さん。角田さんが好きになった彼女はとても素敵な人だ。第三話のエンディングは"Presence III (feat. NENE, 角田晃広) by STUTS & 松たか子 with 3exes"

4話:八作回(&かごめちゃん回)。モテすぎて困る男役が松田龍平ってこれ以上のキャスティングはないと思える。オーガニックホストと書いて松田龍平と読む。女性から嫌われるあるあるの玉手箱もすらもなんか可愛いとなってしまって効き目がない。そして溜め息。似合う。松田龍平と石橋静河の2世コンビは、一周回って2世ってすごいって思わせてくれて好き。早良ちゃんは離婚を失敗と決めてる時点で次元が違うよなぁと。確かかごめちゃんが言ってた、離婚は正直だった証拠、ってやつ。この次元にいるのが坂元ドラマの主役たちだ。謎だったかごめちゃんの性格が少し見えてきた。かごめちゃんのような子と仲良くできる女子かどうか、っていう日本標準のものさしがあっても良いくらい色々ツボをおさえたキャラの濃さ。幼い頃からのとわ子との友情が素敵で、私はもうこんな幼馴染みを持つことは出来ないんだなぁと思ったら珍しく嫉妬した。大人になるまでにあと百年かかるかごめちゃんに「生きて見届けたいな」って言うとわ子。かごめちゃんが怖い局面ではとわ子が手を握って前へ導いてくれるんだ。親友に別れを切り出しかけた早良を見て咄嗟に発した八作の優しさを噛み締めてたら、彼の片想いの相手が分かって、辛くて辛くて心がきゅっとなった。とわ子さん、あなたは気付いていたのかな。
第4話のエンディングは “Presence IV Feat. Daichi Yamamoto, 松田龍平 / STUTS & 松たか子 with 3exes"

第5話:なにあのわかりやすくキモいことばっか言う谷中さん!!公私混同上等か。離婚は勲章だのパラレルワールドだのとキャラやっば。イライラしたー。八作が怒ってくれて助かった。かごめちゃんは、八作が自分のこと好きだって気付いてるんだなぁ。かごめちゃんに対してだけビミョーに態度が違う八作。とわ子さんにバレちゃった流れの演技うますぎた。元夫たちの会話がどんどん面白くなる。息ぴったりじゃない演技を息ぴったりにこなす上級技。おれたち信号赤青黄だねっつってなんなのあの平和な感じ。「人生に失敗はあっても、失敗した人生はないと思います」by とわ子さん
第5話のエンディングは"Presence Ⅴ Feat. T-Pablow/STUTS & 松たか子 with 3exes"

6話:餃子パーティーやばい。女たちにフルボッコにされる元夫たちを見ながらじわじわ精神削られた。図星だとは思ったけど、怒ってるからって腹いせに人の欠点あげつらってもただの悪口だし、とにかく愛がない指摘はだめ。言った方の人間性がマイナスに露呈するし、言われた方もそれで欠点直そうと思えることは少ないし生産性が皆無。そんな彼女たちの対極にいるとわ子さんと、とわ子さんに甘えてばかりだった元夫たちの姿が浮き上がり、とわ子さんから何も言われなかったことで時間はかかったもののこれでやっと彼らも素直になって自分やとわ子さんと向き合えて何か変化が訪れるんじゃないかなと言う気がした。相手を後悔させようとやっきになる彼女たちをみながら、とわ子さんはそんな恋愛なんかしないよっと思った。とわ子さんの包容力は、幼馴染みの変わり者かごめちゃんとずっと一緒にいたから身に付いた部分があると思う。とわ子さんの誕生日に電話をかけてきていたかごめ。誕生日にかごめの漫画の最初の読者になったとわ子さん。思えば二人はよく冗談で死や最後にまつわる軽口をたたきあっていたっけ。八作が淋しそうだった。長い長い片想いの果てのこんな最期。ぷつっと途切れてしまった。かごめが最後の晩餐にしたかったコロッケを一緒に食べたのが八作だったことがなんとなく救い。友人が亡くなったら、お葬式に参列する以外に何か出来ないのかって考えたことがあって、かごめの冷蔵庫の中身で一品作って泣きながら食べるとわ子さんに1つの正解を見た。それ私ならうれしいな。もったいないもんな。食べてほしいな。
エンディング曲は1話と同じだったと思う。

第二部
7話:かごめの死から一年後。少し素直になったシンシンがとてもかっこいい。高校生になる唄ちゃんが引っ越すときにとわ子さんに言った言葉。ママはなんでも受け入れてくれてありのままですごせることが楽すぎちゃうけどわたしはもっと自分に厳しくしたいから自立するという言葉。女の子は賢いなって思っちゃった。その優しさに甘えてしまう弱い自分を客観的に見てダメにならないよう行動に移せるのが女子。ありのままを受け入れてくれる奇跡に甘えたままそのメカニズムも理解しきらずにただダメになっていき、最後にこうなったのはお前のせいだとかまで言っちゃうのがメンズ。かごめがいなくなり、唄もいなくなって、二人がよく座っていたイスをみて淋しそうなとわ子さん。まだ立ち直れていない八作。そんな元夫婦が交わした「ごめんね」「ごめんね」「ありがとう」「ありがとう」。何が、とかじゃなくてね、ちゃんと互いを思いやる人間関係があった二人だからこその、山ほどあれこれ詰め込んだ、ごめんねありがとう、なんだよなぁ。言えないけど伝えている、心には届いてきっと伝わったって思い合えるだけの信頼関係がある。離婚後のほうが充実するところまで辿り着けた二人。涙
かごめはとわ子さんの日々に常駐していて、一人の時間が増えたとわ子さんはしょっちゅうかごめを思い出して、かごめに語りかけているんだろう。あの日とわ子さんが投函した漫画は佳作をとった。佳作のトロフィーを部屋に飾り何度も見つめるとわ子さん。死んだかごめとは違い、三人の元夫はまだ生きているから、元気で健康でいてほしいと願うことができる。そうすれば生きていられる。生きていれば幸せになれる可能性がいっぱいある。とわ子さんの会社に穂志もえかとManaがいる!気付くのおそ。二人とも可愛いな。
オダギリジョー演じる小鳥遊さんの素敵な言葉がとわ子さんを泣かせてじーんとした。ふいのデートは、恋愛みと男女みもを差し置いて、ただ気の合う人間同士の付き合いって感じでとても良かった。それなのにやっぱりというかオダギリジョーにびっくりしたのこれで何度目!!!!仕事に私的感情持ち込まなさすぎ!!!
https://twitter.com/kyurukyuruk/status/1397179215624114185?s=19

8話:「人生が無かった」時期があった小鳥遊さん。凄まじい表現だ。小鳥遊さんがどんな人なのかわからない。彼をあんなに生き生きさせる数学が人生にとって邪魔でしかなく三個のケーキを四人で割る算数的方法など実践しないほうが思い出になると言った小鳥遊さんに、ほぅ…と思った。弱くはないけど強いかと言われるとそうでもなさそうで、とわ子さんには率直に本心のみで向き合ってそうなのになんか中身空っぽな人みたいで、それが「人生無かった」発言で全部しっくりきたというか。つまりオダギリジョー凄い。会社で追い詰められてるとわ子さんに唄ちゃんが「もうさ、頑張らなくて良くない?前は方眼紙見るだけでニヤニヤドキドキしてたじゃん。あの頃の方が良くない?」って言って泣きそうになった。唄ちゃんを全力で抱き締めたとわ子さんの気持ちが分かると思った。八作は、大丈夫なんだろうか。なんか心配。

9話:「続編」は超えられない、ってそれってシーズン1こと田中さんのことだったのか。はー。。。ずっととわ子さんに恋し続けたシンシンは、ちゃんと恋してたからとわ子さんが誰を好きなのか分かったんだなぁ。八作ととわ子さんがかごめちゃんの思い出をやっと語り合えるようになって、かごめちゃんのことが好きな八作を好きなとわ子さんは、三人で生きることを決意して一人を選ぶ。そして幸せになる。死が別れではなく、結婚がゴールではなく、離婚がエンディングではない坂元ワールド。ありがとう。

最終話:素敵だった。奥村さんちの扉が開くとそこにはかごめが好きなコロッケを食べるマーさんがいた。マーさんと笑顔でキッチンに立つとわ子さん。マーさんにストレートに質問したうたちゃんは、さすがとわ子さんと三人の元夫の子供だ。英字新聞Tシャツを着た四人のボーリング。ストライク!!それにしても雑談できるようになったシンシンてただの超モテ男では!?

人生は、○と×の二択から◯を選んでいくものではない。自分で選んだほうが、必ず、○。この人といたい、別の人が好き、一人でいたい、どれもが本当の気持ちだから、どれかを選べばそれが○。そゆこと。
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