タキ

アストリッドとラファエル 文書係の事件録 シーズン4のタキのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「ドラゴンの目」
演出が変わった。劇伴もそうだけどスピーディーな展開でアメリカのドラマっぽい仕上がり。キャストは変わりなく、と思ったらひとりだけラングレ事件の責任を感じて休職中のアルチュールがそのまま退職。代わりに警察官休職中の保険屋ノラが加入しそう。アルチュール後半けっこう災難だったもんねぇいなくなるなんて寂しい。
ラファエルの髪型の変化と引越しにざわつくアストリッド。しかし捜査はいつものメンバーとの信頼関係に基づきツーカーで進んでゆく。そしてテツオとの仲はゆっくりだが着実に進展しているのだった。ラファエルとのパジャマパーティを経てテツオとだったらお泊まりできそう発言まで!キャー!
巨大ダイヤ盗難は犯人よりもその隠し場所が難問。刀飲みに習ったはちょっと笑った。王政復古の予言者を信奉するサークルはさすがに唐突感あり。18世紀に作られた超貴重品どこから借りたのアストリッド。
今回の最大の見どころはフルニエのテンションアゲアゲ解剖シーン。直後に殴られて昏倒したのにあの観察眼!スゴ!!
ラスト、ラファエル新居での顛末に爆笑したワタシを許して欲しい。ニコラとの恋はノラを含めてさらに混迷を見そう。
今シーズンもウィリアムが活躍する回がありますように!
「千夜一夜物語」
イラン人男性が人体発火によって死に、誰に聞いても善人であった彼はいったい誰に恨みを買っていたのか謎が深まる。イランの国情から移民問題を探るうちに点と線がつながり、ラストは意外な人物が逮捕される。脚本や演出がいつもの感じに戻った。ワタシはこっちの方が好き。ラファエルとニコラのギクシャク具合にノラがじわりじわりと侵食しそう。一方アストリッドは腹違いの弟ニルスと渋々会う。予測不能な動きをするこどもにアストリッドは戸惑うが、ニルスは大人は嘘ばかりだから嘘をつかないアストリッドが好きだと言い切る。ラファエルはあのマッチョな店員とその後どうなったのか(一夜限り?)アストリッドに次々と降りかかる事件より難問な人付き合い。サイドストーリーも目が離せない。
「密猟者」
ラファエルと憲兵隊のブルゴワン警視が海外で逮捕された容疑者ノワゼを護送。飛行機内で容疑者が死んでしまう。当初、減圧症の事故死かと思われたが、アストリッドはラファエルから送られてきた動画で病死ではなく殺人だと見抜く。飛行機内に犯人がいることになるが…犯人はいったいだれなのか。二転三転するなかなか面白いストーリー。(パニックを起こしかけたが)ひとりで捜査に出向くようにはなるしラファエルとブルゴワンがちょっといい仲になりそうなのを感じ取るまでになるアストリッド、しかも「パズルじゃなくてゲームだから」と避けていた囲碁をテツオとやるまでに。なんと成長目覚ましい。テオも成長目覚ましい。大きくなった!
「不死の男」
被害者の男は公園で6箇所刺されて殺されていたが、凶器のナイフは離れたスーパーのゴミ箱に捨てられており、なぜか被害者の指紋とDNAしか残されていなかった。アストリッドの指摘で公園の砂場に埋められたUSBメモリは発見されたが、中身は空っぽ。被害者の勤務先には就労履歴はまったくなく家族の知らない生活が浮かび上がる。事件はなんともやるせないラストを迎えるが、アストリッドとニルスには進展がある。彼が安らげるのはアストリッドの元にいる時だけでアストリッドはニルスの中にあるパパの面影に気づく。よるべない子どもたちが魂を寄せ合うようで泣けてくる。
「盤上の殺意」
ポール、ウィリアム兄弟が観戦していたチェスの試合中にひとりのプレイヤーが突然死んだ。医師のポールはすぐに毒殺だと見抜き、ウィリアムからアストリッドへ連絡するように促す。被害者の胸ポケットには赤いチェスの駒が入っていた。ラファエルらは対戦相手が怪しいと睨むがその対戦相手のプレイヤーもホテルの部屋から転落して死んでしまう。そして被害者の喉にまたしても赤いチェスの駒が押し込まれていた。アストリッドは過去の事件から赤いチェス駒の類似性を見つけ、社会力向上クラブの面々に助力をたのむ。
アストリッドのパズル的な推理が冴え、テツオとの囲碁が犯人との対峙に役に立つというとても良い回。社会力向上クラブのみんなも大活躍だったし大満足。しかもニルスが毎週火曜日19時からアストリッドの家に泊まりにくることになる。ニルスを預かる責任があるとキッパリと言うアストリッドがカッコイイ。ニルスとアストリッドの関係がこれまたすごくいい。パズルをあっという間に解いてしまうニルスに目を細めるところなんかお姉さん感がでていて微笑ましい。
「タイムトラベラー」
温暖化反対のデモを行っている最中に環境活動団体の創設者が刺される事件が発生。刺した女はすぐに逮捕されたが動機を頑として語らず自分の名前はアンドレア・マルタン、2021年生まれの38歳だと話す。タイムトラベラーなど信じないラファエルは動機にこだわって捜査を続ける。もうひとりの創設者に会うために団体の共同生活の地に向かうが当人は国外の活動に出ており不在。活動家のメンバーからは創設者のふたりはオペラ社という企業の不正を掴んでおり身の危険を感じていたという新情報を得る。そしてアストリッドの観察眼でその地の早咲きの椿の下に死体が埋められていることを発見する。マルタンはオペラ社に雇われた暗殺者なのか疑惑が深まる。
ターミネーターを想起させる面白い仕立て。まさかニルスがアストリッドの自閉症のことでいじめを受けてるとは思わなかった(母親が殺人犯のほうがよほどパンチがあると思うけど…)こういう時に怒ってくれるラファエルが救い。児相もアストリッドはニルスの保護者に的確だと判断してくれる。ニルスの母アンヌに面会に行くと彼女は安堵し泣きながら検査でガンが見つかったことを告げる。アストリッドの目からも涙が。『私は彼の指抜き』の言葉がふたりを繋ぐ強い絆になってはいるがなんとも切ない。切ないといえばラファエルがノラにニコラの取説を伝授してたのも〜。
「死神の呪い」
ハロウィンの夜、バーで男が死んでいた。遺体は有名な実業家の跡取り息子と分かったが2年前にすでに交通事故により焼死体となっていた。では墓に入っている人物は誰なのか。墓の遺体を検死するも70才を超えた老人で喉に刺し傷もあり、死後焼かれたものと判明。検死をしたのは実業家のお抱え医師だったことからブルターニュにいる医師の元に地元の憲兵隊を向かわせると、すでに縊死していた。事件解明のため、ラファエルはフルニエとアストリッドを伴いブルターニュへと旅立つ。
実業家一家の秘密が事件をより複雑にしてしまったのだか、真実を父親に告げたところで状況が変わったのかと暗澹たる気持ちになる。
アストリッドはテツオとの「バン」についてラファエルに相談。比喩だらけでアドバイスするラファエルの動揺ぶりよ。さて、アストリッドの欲望の処理はどうなる?地元に帰れてルンルンのフルニエをクルマに乗せて3人の珍道中。幽霊屋敷(atブルターニュ)でのお泊まりは三者三様でけっこう笑った。アストリッドの就寝スタイル、帽子がすごくかわいい。似合う。
ニルスがママの治療のために引っ越すことに。アストリッドはニルスの突然の動きに対応する心配がなくなると口ではいうが別れの日にニルスにパパの写真を渡して涙を流す。悲しく響くAu revoirにこっちも涙、涙…
アストリッドのママにパパのこと知ってるかと聞くニルスが可愛かったなぁ。大人っぽい口を聞いてもパパの前の奥さんだってわかんないんだもんね。
次回最終回、ラファエルとニコラに進展あるか?
「失われた記憶」
ラファエルが交通事故を起こし病院に運ばれた。助手席には銃殺された男が乗っていたがラファエルは3日ほどの記憶をなくしており何も覚えていない。殺されていた男はサッカー選手の元代理人のルヴェール。ラファエルの10年に渡る宿敵だった。ラファエルは殺人犯の疑いをかけられて窮地に立たされる。
ラファエルのなぞの三日間の間に“バン”が6回。職場てキミたち…。薬を盛られた後のラファエルの足取りが不明確のままおわってしまったけどどういうこと?なんで車に乗った???
ラスト、テツオが東京に戻っちゃう〜とショーゲキ受けてたら、アストリッドはお泊まりの提案をすると言うし。テツオ…どうする?テツオ!!!からのラファエルの手にある妊娠検査薬!!!!ええええ!!!となった瞬間「コロナ陽性ですか?」で吹いた。ダブルデートの前に妊娠検査薬よりコロナの検査の方がよっぽど適切だわ。アストリッドが正しいわ。ラファエル、デートの支度しながらおしっこかけてたの。おもしれぇ女のポテンシャルは計り知れない。

シーズン5早く!お願い!
タキ

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