タキ

相棒 Season 1のタキのネタバレレビュー・内容・結末

相棒 Season 1(2002年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

◾️pre season
●「刑事が警官を殺した?赤いドレスの女に誘惑され…死体に残る4-3の謎とは?」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
土曜ワイド劇場枠。タイトルがやたら長いのもなつかしい。亀山薫が町中華店で逃亡犯の人質になるところから始まる。この不手際で捜一から生活安全部の一部、特命係へ異動(右京の下ではこれまで6人が辞めている。美和子に指摘されるまで薫は栄転だと思っていた。)亀山薫は左遷にショックを受け、BARで酔い潰れて目が覚めると知らない部屋で見ず知らずの男が死んでいるというさらなる窮地に陥る。亀山刑事はトラブルメーカーの立ち位置。市議会議員の父親がおり松山の造り酒屋のボンボンという設定。美和子とは大学生時代からの付き合い。同棲部屋がseason1より広くて豪華。右京さん美和子に足を踏まれピョンピョンはねる。
●「恐怖の切り裂き魔連続殺人!サイズの合わないスカートをはいた女の死体」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
season1の「目撃者」にでてきた亀山刑事の親友だったという浅倉死刑囚の事件。複雑な家庭環境から娼婦を憎むようになった平成の切り裂きジャック。生瀬勝久のギョロ目が際立つ。渡辺典子なつかしい。別件の張り込みから偶然連続女性殺人事件の死体を発見し特命係も首をつっこむことになる。しかし被害者のスカートについた血を、あの暗闇で、しかも浅倉の指紋付きとよく見分けたもんだと感心する。耳の遠いおばあちゃんが店番をしている洋品店。赤い車は尾行に向かない。
●「大学病院助教授、墜落殺人事件!日付けの違う乗車券の謎と、死体が語る美人外科医の秘密」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
府中の化学工場が爆発し怪我人でごったがえす病院に痛みを訴えやってきた右京さん(実は盲腸)入院した病室の窓越しに大学助教授が転落するのが見えるというハイカロリーなオープニング。教授選の対立候補、太宰助教にはアリバイがあり、死んだ今井助教の部屋には何者かが侵入していた形跡があった。右京さんの底意地の悪そうな尋問にシビレる。大学病院の内情と教授と医局員のつながりがイマイチ見えてこないのでやりすぎ感しか残らないのが残念。右京さん危機一髪時に亀山刑事の「俺の相棒はどこだ!」のタイトル回収。距離が近づくふたり。土曜ワイド劇場枠、大団円のラスト。

◾️season1
●No.1「警視総監室にダイナマイト男が乱入!刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
冒頭、ダイナマイトを腹に巻いた男が刑事(亀山薫)を人質にして警視総監に会わせろと総監室に立て篭もる。画面は映えるが犯人の背景が分からず一体何がしたかったのか。メインの事件のキーワードは「秘書がやりました」。純名りさが懐かしい。小野田(岸辺一徳)の官房長の役職がピンとこず。警察の階級ムズい。
●No.2「教授夫人とその愛人」
監督:麻生学 脚本:輿水康弘
タイトルが刑事ドラマとは思えぬエロさ加減。トリック殺人(死体遺棄)ということだろうが、いや、クルマのナンバーが違うやろ!とツッコむのは無粋なのか。前回も今回も思い込み発言をブチかます右京さん。前回は当たったが今回は元妻花の里の女将に叱られる。
●No.3「秘密の元アイドル妻」
監督:和泉聖治 脚本:櫻井武晴
2話続いて妻への愛から罪を犯す夫が犯人。前回の教授は自業自得ってところがあるが今回の噺家さんはかわいそう。右京さん犯人への激昂ぶりはかなり少なめ。温情もあり。妻役の大西結花が元アイドルという役どころ。スケバン刑事を思い出す。
●No.4「下着泥棒と生きていた死体」
監督:麻生学 脚本:櫻井武晴
下着泥棒の誇りが警察の不正を暴く。下着泥棒の裏どりが右京さんにかかるとこうなるの見本。組織の存続のためにはトカゲの尻尾切りは当然なのか。怒る亀山刑事だが首になった刑事に特命が不正を暴いたことを詰め寄られた亀山薫は狼狽する。組織の利益よりも不正を正すことを最優先にする杉下右京の性格が全面に押し出され、特命が上層部からはお荷物扱いされ右京の下では誰も続けられないのはなぜなのかクリアに理解できる貴重な回。“我々もトカゲの尻尾、だがまたすぐ生えてくればいい〃とは右京さんの言。
●No.5「目撃者」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
なんと10歳の染谷将太が超重要な役で出演している。大人びた表情と抑えた演技、子役ながらすでに貫禄がある。亀山薫の親友という人物(生瀬勝久!こちらも若い!)がでてくるがこのあたりのエピソードはプレシーズンの話か。この男と会って話をすることで手塚少年(染谷将太)は涙を流すが、その涙の意味が難しいところ。先生(美保純)が全てを背負う結末。ちょっとモヤる。いろいろな宿題を残した。
●No.6「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」
監督:和泉聖治 脚本:砂本量
いつも邪魔にされる特命だが、死んだ男が亀山薫の情報屋だったことで事件にかかわることになる。亀山が知っている気のいい土田(モロ師岡)という男と違う顔が浮かび上がり、事件に裏があるのではないかと疑う右京さん。美術館長(根岸季衣)そこまでする?という信じられない身勝手さ。報酬がこれまた少なすぎて泣けてくる。可哀想な男の一生だった。彼を忘れないことが供養になると右京さんに慰められる薫ちゃん。
●No.7「殺しのカクテル」
監督:大井利夫 脚本:櫻井武晴
美和子(鈴木砂羽)のおばさんが突然イギリスから思い出のレストランバーを探しにやってくる。30年ぶりに東京に来たおばさんに振り回される薫ちゃんと飲食店チェーンの社長殺人事件を追う右京さん。右京さんひとりだとまったく絡んでこないイタミン。バーテンダー蟹江敬三がシブい。切ないラストだがしっとりとした良い話だった。
●No.8「仮面の告白」
監督:大井利夫 脚本:輿水康弘
右京さんの「うちの亀山くん」発言やイタミン薫ちゃんコンビの張り込みなど見どころの多い回。右のポッケにあんぱん、左のポッケにジャムパンを入れて一緒に張り込みする気マンマンのイタミンがカワイイ。推定無罪が原則といえど犯罪者かもしれない依頼者の弁護を引き受ける怖さを語る武藤弁護士(松下由樹)。ひとつの冤罪をだすより犯罪者を100人見逃す方がマシという考え、なるほどなと思う。
●No.9「人間消失」
監督:吉野晴亮 脚本:砂本量
右京さんの大学の後輩(篠井英介)から総会屋対策で呼ばれた特命係。集団催眠というカルトチックな始まりは面白かったが、資金課の全員が同じ英会話教室で同じ先生(山本未来)に習っていたというミラクルに苦笑い。好きな先生のために英会話をがんばるイタミンを笑う薫ちゃんはよくない。
●No.10「最後の灯り」
監督:大井利夫 脚本:櫻井武晴
亀山刑事が足を怪我した右京さんを背負って海辺を歩く。こんな日がくるとは、と右京さん。亀山刑事によると「右京さん意外と軽いですね」とのこと。逆行性健忘もふたりで話してすぐに解決。美和子が映画監督にインタビューしている最中に監督が謎の急死をしたことから特命係に事件の連絡がきたのだった。捨てられた電気カーペット行方が事件の鍵だが、コーヒーまみれのカーペットを掃除のおばちゃんが使おうと思って拾っていたという絶対になさそうな展開。お茶だと事件現場にあったものだと見てすぐわからないとはいえ、苦しい。映画屋の後悔が辛すぎるラスト。
●No.11「右京撃たれる〜特命係15年目の真実」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
右京は警察庁に、亀山刑事は運転免許センターに異動との内示が下る。右京はこの異動には小野田官房長が絡んでいるとにらんで小野田に会いに行くが、何者かに狙撃され右京に被弾。亀山刑事は内情を聞くために小野田の元を訪れ、15年前に外務省条約局長宅で発生した人質立てこもり事件時の緊急対策課特命係の顛末(特命係のプレートが真っ二つに割れている理由もここで明かされる)を知る。特命係のそもそもを描くファン必見の回。小野田官房長がかつての特命係の写真を官房室に飾ってたり薫ちゃんになんでもオープンに話してくれて秘密組織じゃなかったんかいとツッコミ入れたくなるが岸辺一徳演じる官房長の権力者の幼児性が見え隠れするキャラ作りがうまい具合にマッチしててこれもアリという気になる。薫ちゃんは小野田が異動先を変えてあげるというのに「そういうのダメなんですよね…」と断ってやせ我慢したりして、人材の墓場(本来は部下を3人死なせたという意味。当時右京が詰め腹切らされただけで死んだのは官房長のせい)と言われた右京さんとなぜうまくいっているが改めて確認し、途中から見ても親切設計となっている。特命係が無人になって寂しそうな薬物対策課の課長。イタミンの「警察庁の亀山さま〜」狙撃犯は捕まったが、右京は15年前の事件で人質になった人物が立て続けに変死を遂げていることから別の動きがあるのではとにらみ、亀山に助力を求める。
●No.12「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」
監督:和泉聖治 脚本:輿水康弘
警察もののドラマではよくある巨悪を倒すまではいかないが風穴を開けたというラスト。外務省がなかなかの巻き込み事故。目撃者が多数いる中で咄嗟に部下の柳沢と工藤隊員を犯人が落とした銃で仕留める閣下(長門裕之)の腕前はいったいどこから。元公邸料理人鈴原の3件にものぼる事故死偽装の腕前もスゴイ。萩原(内藤剛志)が今際の際の工藤から聞いた訴えは直属の上司である小野田(岸辺一徳)になぜ伝わっていなかったのか疑問が残る。警察庁官房長付きが解任されふたりは警視庁に戻ることになった。薫ちゃんやっぱり運転免許試験場コースもやむなしという心境。まだ事件解決までに至らず証拠探しを続けるつもりの右京さんがいる限り辞職は思いとどまるということになったのか。
season2は決まってそうなラスト。

お昼の再放送でうっかり相棒season1を10話まで見てしまいそのままテラサに加入するという相棒ホイホイ。やっぱり相棒は薫ちゃんがすき。
タキ

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