天才作曲家羽鳥善一と時代をつかんだ稀代の歌い手福来スズ子の物語といっていいんじゃないかという最終週。
スズ子と羽鳥先生は相思相愛だったんだなぁ。でもスズ子は人形遣いと人形だと表現した。先生の最高の人形でいたかったと。この線引き、お見事でした。
数ある歌の中でも特に「大空の弟」は胸に迫る。反戦の言葉をひとことも使っていないのに間違いなく反戦歌だとわかる。ふたりの高い技術と芸術性のたまものだと思う。買い物ブギのスズ子&OSSANダンサーズもすごくよかった。あの奇天烈でいて元気が湧き上がる感じ、好きすぎる。
バレエを長くやっていたという趣里さんの高い身体性とオーバーだけどなんともかわいらしい関西弁、ブッ飛んでるけど音楽を心から愛している感じを早口ハイテンションで表現する草彅剛、福来スズ子オタク丸出しの様子がなんとも上手い水上恒司。多くのキャストの中でもスズ子の弟、六郎役の黒崎煌代が印象的だった。マイペースだけど心に思いを秘めている様子がすごく上手かった。俳優デビューしたばかりだそうで、今後に期待している。
