かず

ユーフォリア/EUPHORIA トラブルはずっと続かないのかずのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ユーフォリア トラブルはずっとは続かない

素晴らしすぎて呆然。他のエピソードを見ていなくても、本エピソードに出てくるのはたった2人の会話劇だけなのに、圧倒された。
2人によって語られる人生哲学がとても示唆に富んでいて何度も見返したくなる。


自分を許すこと。許しこそ、変化のカギ。許しがなければ、誰も変わろうとしない。
本当の自分はどんな人間か?どんな人間でありたいか?
詩を信じること。
自己の重要な問題に向き合い、内面に革命を起こすこと。自分を変えられるのは自分だけ。
死んだ時、愛する人たちの記憶にどう残りたい?
真の革命は各人の内面で起こる精神的なもの。BLMのような流行りものではない。
ドラッグは、クソみたいなこの世界にいても大丈夫だと思わせてくれる。そのドラッグの代わりに、詩を信じること。人生の素晴らしさや美しさを信じること。

クスリをどうしても止められず愛する人を傷つける自分を赦さないという罰を下す主人公は、安易でお手軽な耳障りのいい言葉でコーティングされた救い・許しを拒否し続ける。
そんな主人公の固まった心を徐々に溶解していくカウンセリングにも似た対話の内容が本当に素晴らしい。

ゼンデイヤの表情や発音の変化の付け方が凄すぎる。ゼンデイヤと同じタイミングで泣いてしまった。
コールマン・ドミンゴの深みのある豊かな演技も素晴らしい。
ドラマシリーズは楽しめたけどハマらなかったので、素晴らし過ぎて嬉しい驚き。
本国ではクリスマスイブに放送されたということも神がかってる。タイムラグなしでクリスマスに観たら、本当に神からの贈り物かと思えるような素晴らしい内容だった。

神の存在を否定する者ほど、自分はクズだから罰を受けて当然だと変わろうという因果律を信じているのが、矛盾してて興味深い。
かず

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