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ゴッドレス 神の消えた町 シーズン1のgのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

まだ1話のみでの感想だけど、絶対これから面白くなるんだろうなという予感はさせつつ、
見る人を選ぶだろうなーとか、こっちが集中力上げないと入ってこないなーという点はだいぶあって、だらだら見るのには向かなかった。
冒頭から、連邦保安官のシーン、腕をやられた悪党たちのシーン、ロイグッドのシーン、女だけの街の保安官のシーン、とキャラがバンバン出てきてそれぞれの助走みたいなシーンが展開されてくんだけどその時点でまだまだ誰を見ればいいのかとか、何が起こってるかとかこれは誰なんだとか、置いてかれるところがあって、離脱してしまいそうになった。そのへんからなんとなく、エンタメ作品として観る人を集めることよりも、西部劇としてのリアリズムみたいなのを重視されている感じがした。
ただ我慢して見ていると、1話の中盤でそこらへんのキャラが全部繋がり、全体像が浮かび上がってきて、ぐんぐん面白くなり先が気になる作品になった。
明確に面白くなった瞬間があって、フランクグリフィンが教会に馬で乗り込んで喋るシーンと、ロイグッドが蛇を撃つシーン。結局キャラが立つシーンというか、キャラに対してすげぇと思わされるシーンでグッと引き込まれるもんなんだなあと再確認。
クイーンズギャンビットの製作陣のドラマと聞いて見て見たけど、あれはかなり万人に見やすいシンプルな絵の明るさや、ストーリーにもこの子を観てね、ここを観てね、ここがカッコイイシーンだよっていう親切さみたいなものが重要視されていると思った、けどその中にも隠しきれない陰鬱さがずっと漂ってて、
このゴッドレスに関してはその陰鬱さ全開な感じ笑でもそれがカッコいいなと思った。

まだ1話だからあれだけど、観るカロリーはかかるけど多分キャラに慣れて先進むごとに面白くなってくだろうなという予想。
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全話みて、最終むっちゃおもろかった。
西部劇、見尽くしてるってほどではないけど好きなジャンルだし有名どころは何作か見ていて
でも、ここまでこの時代のかっこいい男の生き様とか、強い男の概念として、
例えば馬の扱いだとか、銃の扱いだとか、そういうところにめちゃくちゃ拘られてる作品は初めてだったしその点がすばらしかったな。
ドラマだからできることなのかもしれないけど。
全7話といっても短い話数のドラマというより、7時間の映画って感じだった。そのくらい全体のまとまりも濃度もあった。

フランクグリフィンのキャラが良すぎる。
キャンプを襲うところとかがピークでやばかったんだけど、病人たちの小屋に立ち寄って助けるあたりから、悪人になった経緯、家族を大切にするっていう信念にいたった経緯とかが出てくるにつれ、ただの悪役じゃなくなってくる。
めちゃくちゃ多面的にキャラクターが描かれているというか、こういう人物が生まれた理由見たいのを掘り下げていくと、理不尽な死がはびこってたこの時代が生み出したというか、希望はないけども全ては自分次第と言っているかのような、ゴッドレスっていうタイトルでありテーマみたいなところに辿り着く。
そこまで思わせてくる善悪の操作がめちゃくちゃうまいというか、単純にむかつくこいつを倒してくれ、って感情だけじゃなく、いろんなことを考えられるいいキャラだなあと思った。
対比としてローガンとかショボい男像が置いてあるのも親切。

その影に若干ロイが隠れてしまってる感じはしたかも。おまえのせいで街ヤバいことなるのにめっちゃ擬似家族楽しんでるやんとはおもってしまった。笑
そこらへんの馬の扱いだとか、狩りの心得だとかトラッキーに教えてくくだりも、結局最終的にグリフィンから引き継いだものだったっていうのでグリフィンの好感度上がっちゃってるし。
最後も、もうちょい速く来いよ!と思ってもうたし、我慢積んだ分、もうちょい思いっきり活躍してほしかったかもなって感じはある。保安官も然り。でもここ男登場!で解決しちゃうと若干ぶれるのかなー。
別にフェミニズムをめちゃくちゃ描きたかったって作品じゃ全然ないと思うんだが、女性だけの街にした真意はめっちゃ気になる。単に現代の映像作品の流行りとか価値観に迎合してるってわけでもないと思うけど。
そこもやっぱり、よりテーマに通ずる舞台設定をってことなのかな。けどまあ、キャッチーというか、珍しい設定入ってるのが惹かれて面白い。
ラ・ベルの人々の人間ドラマも面白かったし。
2話かな?の会議のシーンが面白くて、男が街に入ってきた時、女だけで街を再生させたけどそこへのプライドは捨てて男たちを受け入れてしまう女性と、そうじゃなかったマギーと先生。
女性が自立しようと思ったらズボン履いて銃を持って強くなるか、娼婦になって稼ぐかっていうのが、上手いこと描いてるなーって感じで面白かった。アリスの立ち位置も面白くて、逸れものだけど中間というかどっちにも転がる。その可能性をドラマの中で提示してるのは良いととるか、群れから外れないとそういう生き方はできないってとるかだな。

けど、中盤はグリフィンがロイを追って迫ってくる筋が面白すぎてそこ見たくなって寄り道のドラマがあんまり入ってこなかったかも。

ホワイティがヤムチャくらい即死してて逆につらくなく見届けられて助かった…笑
あと、6話のラストの、街が終わる日の前日を重ねる演出、つらいんだけど、良かったな。
過小評価というか観てる人少なくない?自分もおすすめされるまで知らなかったし。
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