タキ

黄金の日日のタキのレビュー・感想・評価

黄金の日日(1978年製作のドラマ)
3.8
1978年に放送されたNHK大河ドラマ(第16作)
泉州、堺の町に生まれ、今井家の奉公人から大豪商にのしあがっていった納屋助左衛門を主人公に信長、秀吉、家康の時代の堺の町を描く。
少年ジャンプ的な冒険活劇にロマンスもあり往年の名優たちを再びテレビ画面で見られるのは楽しかった。「本当らしさ」からかけ離れている場面もたくさんあったが、史実のあいだに物語をふくらませるということはこういうことかというお手本のようなドラマだったように思う。
義理人情に厚く、いつも清廉潔白な助左衛門が秀吉に安い呂宋壺を高値で売りつけるシーンはドキドキした。あのブラック助左衛門は忘れ難い。まったくの架空の人物、善住坊に石川五右衛門を中心人物に据えるというのも面白かった。このふたりの処刑シーンは大河史に残る名場面。
最終回はご寮様に今生の別れだからと想いを伝え、堺の町の化身のようなお仙とも死別し、ひとりぼっちの助左衛門に昔の自分にソックリの捨て子の助左が現れるというほっこりシーンを入れ込んで終始ロマンチックを外さない展開。
たくさんの子供たちが乗る船で新天地のルソンへ旅立つ助左衛門。夢と希望が満タンでやっぱり少年ジャンプの主人公みたいだなと思ったのだった。
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