どど丼

顔だけ先生のどど丼のレビュー・感想・評価

顔だけ先生(2021年製作のドラマ)
4.5
終わってしまった……。隠れ大傑作ドラマ。進路、貧困、カースト、親ガチャ、ルッキズム、セクシャリティなど、毎話異なる生徒それぞれの抱える悩みや問題にフォーカスしながら、その答えを探していく話。

それだけなら普通の学園ドラマなんだけど、とにかく各テーマに骨があり、メインキャラ以上に全く目立たない生徒にも1話分かけて向き合う。基本的には先生と生徒、生徒と生徒、先生と先生と二項対立的に各々の問題が議論され、最終的には自分の芯や個の尊重といった形に帰結させながらも完全には煮え切らず、本当に正しい解決や向き合い方は我々視聴者に委ねてくれる。

スッキリする展開も、「さすがにどうなの?」と思わせてくれる展開も混在しているおかげで色々な問題に向き合うための入り口になる。リアルだけどフィクションであることを念頭に大仰に描くお陰で、センシティブになり過ぎないのがまた良い。

低予算ながら脚本と演出の技量に毎回驚かされた。「オオカミ」シリーズ含め新人俳優の魅力を訴求する場としても良かったと思う。メイン層は若者世代だと思うけれど、老若男女色々な人に観て欲しい作品。
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