Maririri

イカゲームのMariririのレビュー・感想・評価

イカゲーム(2021年製作のドラマ)
3.5
ソン・ギフンは借金まみれだが老いた母からお金をくすねてはギャンブルに明け暮れ、離婚した妻にまで無心にゆくほどどうしようもないド底辺の生活を送っていた。金も人との縁も切れ、呆然自失で駅のベンチに座っていたら突然現れた男にメンコで勝負を持ちかけられる。幾ばくかの金を手にしたギフンに去り際渡された名刺。そこに書かれた番号に電話をすると迎えが来た。目が覚めるとそこは「456億ウォン争奪戦」の闘いの場だった。その賞金を手にする条件は1つ、全員を殺して自分だけ生き残ることだった。

イ・ジョンジェが本当にダメ人間かと錯覚するほど、ポンコツでダラしない男を演じている。そして同じようなポンコツがウジャウジャ出てきてお金欲しさに殺し合う。儒教の国が制作したとは思えない残虐さ。毎回ポッブなセットで繰り広げられるゲームは子供がよくする簡単な遊びだ。それに負けたら殺されて終わり。驚くほど単純な遊びに金のために命懸けで取り組む大人。

命の価値を456億ウォンに託すポンコツに正義はない。なのに毎回ハラハラしながら見てしまうのは自分が外野だからかもしれない。人って闇が深い。

一旦幕を閉じたゲームの真相は呆れる理由だった。「生きた人間を巻き込んだ」という事以外は、電車の中でスマホとにらめっこしたり、DSであつ森してる人と大して変わらない。

有りすぎても無さすぎても、人をおかしくさせるお金。貧富の差と人の業を命と引き換えにするような題材で今、ドラマ作る韓国ってすごい。日本で今これやったら袋叩きになりそう。「なんで創ったのか?」って受け止め、各自で消化できる人が今日本には少ない気がするから。これはこのドラマを推していた友と話したことだけど。

とにかく毎回人が殺されるので万人にはすすめませんが(カイジやライヤーゲームに似てるけど別物かな)イ・ビョンホンやコン・ユが瞬間的に登場しては場を盛り上げる事もお伝えしときます。
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