肉鹿

ガンニバルの肉鹿のレビュー・感想・評価

ガンニバル(2022年製作のドラマ)
4.3
岡山の奥地。深い森に閉ざされた村があった。林業が生業の大地主一家が支配する村の駐在所から警察官が消えた。新たな警察官一家が越してきたことで村の秘密が口を開く———漫画原作。

人を喰らう!よりも怖いのは村!
村じゃ!村社会じゃ!おせっかいという温かい言葉で監視する村社会じゃ!本当に怖いのは人を喰らうことじゃねえ人の心を食い潰すことじゃ!でも肉体喰われるのも嫌じゃー!結局どっちの怖さも嫌じゃー!

そんな肉体と心どっちも食い散らかしてくるカニバルドラマで、ずっと途切れないドキドキとハラハラの連続にこっちの心拍数も上がり過ぎて肉体から飛び出てくる寸前。

3話なんて韓国ノワール顔負けのカーチェイスとカメラワークでド派手に心拍数上げておいてからの、4話ではカーテンの隙間から誰かが覗いてるじっとりジメジメした気味悪さの高低差にぜえぜえ息が荒くなってきちゃう😂

だけど漫画原作なだけあってちょっとデフォルメされてコミカルなキャラたちがわずかな癒しで、変な髪型の酒向芳さんがかわいい!
髪を引きちぎられて拾い上げてる動作がちょっと切なくてかわいい😂思えばあそこから暴走し始めたから髪の恨みは恐ろしいやw

そして主人公の柳楽優弥さんが基本喧嘩腰なのが最高で、声のトーンといい瞬時に目が据わる速さといい煽り演技をさせたら日本に敵う人いないと思わせるほどのハマり役!

チェーンソーや猟銃が身近という文化の中繰り広げられる危険なアクションや人も動物も解体されるグロテスクなシーンも多めだけど、1番比重を置かれてるのが割り切れない人間の心の有り様というのがさすが片山慎三監督!
獰猛な牙は抜かれてなくてひと安心。まだまだ狂ってた😂

エンタメとグロと人の業や闇深さが高いレベルで融合しあった怪作。
怒涛の展開を迎えそうなシーズン2を待たずして、監督の新たな代表作になりそう。
肉鹿

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