玉生洋一

ブラックアウトの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

ブラックアウト(2020年製作のドラマ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

美しい映像に激しいアクションシーン。
楽しみながら#10の最終話まで見たのだが
最後はかなり肩すかし。
最後にむかって盛り上がってカタルシスがあるとか
最後に意外な事実がわかって驚かされるとか
そういった類のことがまったくなかった。

誘拐ものとして見るならば
少し前に伏線としてあった何らかの要素を使って
うまくピンチを切り抜けるという展開が見たかった。
そもそも、首吊ロープを準備するトムを
あんなにうまく攻撃して転落させることができたのだから
その後でもう少しうまいこと立ち回れば
無事に逃げてトムを逮捕する流れにできたのではと思ってしまう。

物語全体で描かれている各要素もすべて中途半端な印象なのが残念。
停電ものとしては停電が続くことによる特殊環境事項をもっと盛り込んでもよかっただろうし、
政治ものとしては誘拐を隠しつつ政争をするスリリングさをもっと描いてもよかったのではと思った。
犯罪捜査ものとしては不足はないが、原発を襲った犯人たちが意外とあっさり捕まった印象。初回を見たときから「犯人の背後にはどんな強大な黒幕が控えているのだろう」という妄想が始まってしまっていたので。

アネミと娘の間の問題もほとんど深く描かれず残念。
「24」と似たところがあるのだから
残り数話を残している時点でアネミと会い
残り数話をかけて確執と和解を描いてもよかったのでは。