玉生洋一さんの映画レビュー・感想・評価

玉生洋一

玉生洋一

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二ノ国(2019年製作の映画)

3.9

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アニメ映画としてはきっちりできているんだけれど
終始「作り物感(ご都合主義感)」が途切れないのが気になった。

ゲームのダイジェストとして見ればいいのだろうし

主役2人が実はつながっている一人だった
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.0

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思ってたんと違った。

現実世界でのドラマが基本としてあり、
そこに脳内でのあれやこれやが「基本5人」の主要キャラのやり取りで描かれるという構成かと
勝手に思い込んでいたのだが、
実際は現実世界のドラ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

4.0

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なんでもオートでやってくれる
合理的未来生活システムが好きなのだが、
まさにその理想のシステムが描かれていてすばらしい。

物語は男がたった一人での生活を余儀なくされるという
とても共感のできる題材。
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ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

短編3本。どれも良質。
物語的にとびきり大きな仕掛けは何もないが、大きな満足が得られる作り。

●「カニーニとカニーノ」米林宏昌
水の表現が美しい。
敵の魚のリアルさ、それを捕食する鳥の巨大さ。
お母
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

囚人たちや看守たちから暴力を受けた男が
綿密な計画の末、最後に脱獄に成功する話かな
と思っていたら全然違った。

前半は絆ムービー。
囚人たちから長時間の執拗ないじめを受けるわけでもなく
わりと短期間
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ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

父と息子のドロドロした確執の話かなと思ったら
回想シーンメインの大人のファンタジー映画だった。

父親が何十回と繰り返すホラ話ときくとヘドが出るが
映像化されたものは
「若者の無根拠な自信」
「父が心
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巴里の女性(1923年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まんまとしてやられた。
チャップリンの映画だからありきたりなつまらない話ではないことは保証されていたというのに、まんまとしてやられた。

共に親に結婚を反対されている男女。
パリに駆け落ちをする話かな
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

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すずめのジャック・バウアー的がんばりロードムービーとしてとてもおもしろかった。

ご都合主義をいかに感じさせなくするかというのが大事だと思うのだが、
その真逆ですべてがご都合主義でできている感じが一貫
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

設定もいいし役者陣も豪華なのだが
謎解きのカタルシスと
クライマックスの盛り上がりに欠けるか。

祭りのシーンが凝っている分、
それ以上の派手な場面をクライマックスに期待してしまったせいもあるかもしれ
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

先日1を見たので2を。
続編は失敗するというが、
ストレートに規模を拡大させ、
各キャラクターにパートナー役のキャラクターを登場させることで
とてもうまくスケールアップされている。

アイナ・ジ・エン
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SING/シング(2016年製作の映画)

4.0

日本語吹き替えの内村光良が適役。
自分の信念通りに真面目に動く奇人ぶりと
各人を見守る親のような立場の愛情と
ひどい目にあったときのコント的なリアクションがハマっている。

物語の展開はハリウッドメソ
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劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

4.0

ロードショー映画として見ると物足りないのかもしれないが
テレビ視聴作品としてはとても面白かった。

おしきせでここで面白がれというような作品をありがたがる風潮はやめたほうがいい。
淡々と描かれた作品の
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

すばらしい映像美。アクション。

物語はサクサク進み、
長い時間経過もなくクライマックスまで一気に突き進む。
RPGでいえば数十分でクリアできる短いシナリオをプレイした感覚。

二世代にわたる確執のド
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海辺のオクトパス(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

少年と少女が楽しげに過ごす海辺の光景。海好きとしては眺めているだけで幸せになる。
目をあけたまま寝るおじいさんのシーン面白い。
タイトルはネタバレでは。隠すほどの内容ではないからいいのだろうが。

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生きる(1952年製作の映画)

4.5

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何度見ても色褪せない名作。
藤子不二雄(藤本弘)の「劇画オバQ」「じじぬき」等に多大な影響を与えている作品。

実感的には3部構成。
小説家との徹夜での夜遊びの後、そのまま寝ずに
部下の若い女性と一日
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メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

動物の変身描写、
流動物の描写、
クライマックスの大迫力場面等
アニメーションは超一品。

それなのに僕が
「作品世界に没入してハラハラドキドキしながら楽しむ」
という状態にはならなかったのは
やはり
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

主役2人のキャラクターがすばらしい。
感情移入して応援したくなる要素が満載でいきいきと描かれている。
意外な黒幕。派手なアクションシーン。
申し分なしの流暢な出来。

ただ、小さくまとまり過ぎな印象も
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

音楽と歌と映像とテンポは申し分なく楽しめるが
ストーリー的には
クライマックスが弱い感じ。

個性豊かな家族たちと
力をあわせて敵をやっつける展開になり、
その道すがらいろいろと悩みも解決されていくの
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父、息子、そしてビーチ(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

海水浴を楽しみにしている少年。
父親が入れ墨まみれだったので、それに関連したトラブルが起こるのかと思いきや、まったく起こらず、ハートフルな展開に。

中盤の指の怪我もハラハラしながら心配したが、まった
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クレイジー・ヘア(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

母親に会いに行く男。
主人公の緊張と、店の空気が感じられてとてもよかった。
妻と子供もとてもいい。
あっと驚くオチがあればと思ったがなんとも切ない結末。

暗殺教室(2015年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

2023.10.2フジ21:00~22:48にて鑑賞。
110分の映画とのことなのでだいぶカットあり。

見せ場はあるし、まとまっているが、
完璧な映画化とは言い難いのでは。
ノーカットを見てからでな
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロケーション、色彩、人物配置、物語展開
すべてがしっかりうまくデザインされている作品。
夏と、瑞々しい青春が好きな身としては存分に堪能できた。

主人公2人の心の闇をもっと深く描いてほしかった気もする
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カーテンの向こうに(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルを見て、ホラーかサスペンスかな? と思ったら、ほっこりあたたかい作品だった。
短い中に、序破急の見せ場と、延々と想像をめぐらせられるドラマが凝縮されている。
エンドロールがオチになっているのも
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アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

遅ればせながら午後ローで鑑賞。

犬と暮らす男の暮らしぶり、
犬の死、
女性とその息子の登場までは
存分に楽しんで見たが、
クライマックスから結末までに拍子抜け。
(男は爆死。女性が血清を手に生き残っ
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ロングブランチ/ロングブランチの街角で(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

下品なコメディかと思いきや、あれよあれよといい話に着地。見事。
細かな心のアップダウンの描き方も絶妙。

夏の断食(2020年製作の映画)

3.5

過酷なラマダンの断食に挑む少年と
その親友。
2人のやりとりが瑞々しい。

連日35〜40度を記録する猛暑の日本で視聴すると、また違った味わいが。
ラマダンで水分を摂らずに亡くなった人の累計数は何人な
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メメント(2000年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんといっても徐々に過去が明らかになっていく仕掛けが面白い。
どういういきさつなのかを息を呑んで凝視する、
かつてない体験が味わえる。

といいつつ
視聴3回目の今回も存分に楽しんだ僕は
主人公とさほ
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恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

当時の雰囲気を楽しむ映画だと思って存分に楽しもうと前向きな気持ちで観賞し、クライマックスもガチャガチャしているが盛り上げていると思ったが、ぶつ切りエンドが残念。同程度の映像技術でも、脚本と演出がうまけ>>続きを読む

ビンぞこメガネ(2010年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ナレーションがまったく余計
……と思ってみていたら、オチで必要だったからか。
それでもないほうがずっといいのでは。

僕も中学からメガネをかけているので
共感できる部分もある。
ただ、読書、映像視聴が
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サーマルガンを持つ女/Girl With a Thermal Gun(2020年製作の映画)

4.0

フラッシュモブ的なダンスは好きではないのだが
非日常的な映像が見られるという意味では面白い。

浮かれているときと
失意のときのそれぞれのシーンが、
同じ場所で明暗の対比がきっちりと描かれているのでき
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百万粒の涙(2015年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

年配の男と若い女性の、少し奇妙な雰囲気のロードムービー。
雰囲気系の作品かと思い気楽に見ていたら
最後に凄まじい衝撃が。

レストランで見知らぬ人に「荷物を見てて」なんて言わないだろう。
慣れない宿で
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ナイトブレーカーズ(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

タイトルだけ見て夜にブレーカーが落ちる話かなと頭をよぎったが、本当にそれと似た話だった。
1シチュエーションでの各人物の対立と、ラストまでの緊迫感のある描き方がとてもうまい。
最後にスキンヘッドの人が
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スティック(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

棒を散歩させる少女に感情移入することで、鑑賞者も短時間で長時間の散歩をしたような気持ちになり、様々な思索が脳に浮かんでくる。
父親に感情移入すると、親側のやむを得ない事情や、離婚問題に直面していてそれ
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吠えるのをやめた犬(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

捨てられて心が傷ついた犬と
両親が離婚して傷ついた少女。

対比が丁寧に描かれ、起承転結もバッチリ。
母親とその父の人物像もくっきりと浮かび上がる。
何人もがバイオリンを弾きながら砂丘で犬を探すという
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地下鉄のオーディション(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

地下鉄内で歌い踊る映像が楽しい。
前後のオーディションのくだりは余計では。

たまご少年の恋(2016年製作の映画)

4.0

映像がすばらしい。
前半の頭が割れないようにこわごわと暮らすシーンの息苦しさが見どころ。
お母さんは巨大なメンドリなのね。世界観をつきつめて考えると目眩がする。